【The Soap Girls インタビュー】
ケープタウン発の姉妹パンクバンドが
最新アルバムを掲げて初来日!
抜群のプロポーションと過激な出立ちに目を惹かれるThe Soap Girls。南アフリカ・ケープタウン出身の姉妹パンクバンドであり、“とにかく自己流でみんなを楽しませたい!”と声を弾ませる彼女たちが、アルバム『私の本当 / IN MY SKIN』を引っ提げて初の来日ツアーを開催! 誰もが持つ想いをキャッチーなロックサウンドに乗せて歌い、観る者を手放しで楽しませるふたりにインタビューを実施した。
自分の人生なんだから
後悔する生き方をしちゃダメ
ふたりは子供の頃から音楽が好きだったんですか?
ミリー
ハードロックもグランジもオルタナティブロックもメタルもパンクも聴く。とにかく音楽は大好きで、私もミーもグランジが特に好き。
ミー
グランジは本当に最高! 音楽好きはママの影響で、小さい頃から家ではずっと音楽が流れていたの。それもグランジが多くて、その頃に聴いた音楽はずっと好き。The Soap Girlsの曲の基盤はそこにあるって言えるわ。
最初はアイドルユニットとして活躍していたんですよね?
ミリー
そう! とにかく人を楽しませたいという想いで活動を始めて、最初はとても楽しかったし、応援してくれる人たちもたくさんできて、すごく幸せだった。でも、限られた表現の中で発信しなくてはいけないという壁を感じたの。
ミー
自由に表現できる場所を探したいと思うようになって、別の道を選びたくなった。
ミリー
そう感じるようになったのはふたり同時だったわ。
ミー
小さい頃からずっと一緒に育ってきたし、本当に仲が良いから、私たちの考えはだいたい同期しているの。
歳はいくつ違うんですか?
ミリー
私がお姉ちゃんでひとつ上。だから、ミーがひとつ下なの。
お互いの性格をどう思います?
ミー
ミリーはとても強い意志の持ち主で、やさしいところもあるって感じ。でも、ふたりを比べると、ミリーは悪魔で、私がエンジェルかな?(笑)
ミリー
そうね、間違っていないかも(笑)。ミーはとても穏やか。ダークホース的なところもあって、ユーモアのセンスもあるし、面白い。そこは私と少し違うところかもね。
アイドルからパンクバンドへと転身することに不安はなかったですか?
ミリー
なかったわ。とにかくやりたいことをやるべきだと思った。
ミー
自分の人生だからね。後悔するような生き方をしちゃダメ。ちゃんと自分と向き合わなくちゃ!
楽器はいつから始めたのですか?
ミー
私は12歳の頃にギターを始めて、難しくて途中で嫌になっちゃった。それで一度は諦めちゃって、13歳になった時にもう一回始めてみたらしっくりきて、そこからずっとギターを弾いてるわ。
ミリー
私は13歳の頃からギターを始めたんだけど、やっぱり難しくて嫌になっちゃったの(笑)。ベースは16歳から始めて、ずっと弾いているわ。ずっとね!
ミー
ミリーはギターを弾きながら歌えないんだけど、ベースなら弾きながらは歌えるの。
The Soap Girlsの歌詞は自分たちで書いているんですよね?
ちょっとデビルなところと天使なところがあるのは、やはり悪魔がミリーで天使がミーの担当?
ミリー
どっちが書いているってわけではなくて、だいたい一緒に書いているの。
ミー
たまに“ここは私が書くね”って担当する部分が多くなったりはするんだけど、作詞作曲を一緒にやるというところはこだわりの部分だから、いつもそうしているわ。
ミリー
作詞作曲、レコーディングまでを全部一緒にやるっていうのが、私たちのルールでもある感じ。
そんな楽曲に対して絶対に曲げたくない部分は?
ミリー
とにかくうるさいほうがいいわ!(笑) 派手なのがいい!
歌詞にはどんな想いを込めることが多いですか?
ミー
そう! 人はみんな自由であることを伝えたいの。歌うことで一番大切にしているのは、“聴いてくれた人に何かを感じてもらいたい”ということね。
では、今回のアルバム『私の本当 / IN MY SKIN』に込めた想いは?
ミリー
今現在、社会で生きている全ての人の要素を探るっていう意味を込めていて。ローラーコースターのような人生かもしれないけど、それを受け入れて、自分を尊重して生きていかなくちゃいけないっていうことを表現しているの。
ミー
うん。今までの作品では探索できなかったことを、今回のアルバムではできている気がする。とてもパーソナルな感情を吐き出していているし。コロナという感染症が蔓延したことで、いろんな感情が渦巻いたと思っているの。ロックダウンも経験して、考える時間があったからこそ向き合えたと思っていて、それをこのアルバムに詰め込めた気がしているわ。
レコーディングを始めたのはいつから?
ミリー
2020年に南アフリカで作り始めて、それからレコーディングに入っていた時にロックダウンがあってスタジオに入れなくなっちゃったの。ロックダウンが明けてから作業を再開して、完成したのは2022年だった。
ミー
2年近くかかってしまったんだけど、こんなに時間をかけて作ったことはないから、いろんな感情や時間の流れが込められたと思う。本当に忘れられない。1曲目の「Breathe」は特にそうで、この曲を書いた時は南アフリカにいて、コロナのパンデミックで街がすごいことになってしまって…今までに感じたことのない圧迫感に襲われたわ。まるで口を塞がれたような感覚で、“人は抑圧されるとこんなにも苦しくなってしまうんだ!?”と実感して。“抑圧されてはいけないよ!”って叫びたかった。
ミリー
“自分の人生なんだから押しつけられちゃダメ! ちゃんと自分らしく生きてね”ということを伝えたくて、この曲を作ったの。あまり大きな声は出せなかったけど、“ちゃんと心の声も外に発信していってね”というメッセージを込めてね。
なるほど。だから、この曲のタイトルは“Breathe=呼吸”なんですね。今回のアルバムはThe Soap Girlsのいろんな一面を楽しめて、男性のデスヴォイスっぽい歌唱が入っていた「Psycho」もとても力強かったです。
ミリー
デスヴォイスは私! 私だと思っていない人も多いから、ライヴで歌うと驚かれるの!
「Psycho」だけじゃなく、「Broken Melody」とか「Kill Breed」にもデスヴォイスが入っているけど…
ミリー
私が悪魔で、ミーが天使。私がデスヴォイスで歌うと、ミーの歌声との差がより激しくなるの。
ミー
ライヴだともっと楽しいから、本当にライヴで観て聴いてほしい!