【ゆいにしお インタビュー】
一緒に作ってみたい人と、
その時に作りたい楽曲を作っていった
自分らしさを忘れずに
挑戦していきたい
具体性のある歌詞であれば、「チートデイ」や「スパイスガール」「Rough Driver」は特にその色が強いものだと思いますが、それらは自分らしさのひとつになっている実感はありますか?
挙げていただいた3曲は特に生々しいんですよね。生々しすぎてスタッフさんに止められたくらい(笑)。でも、やっぱりそういう歌詞が好きですし、自分の強みにもなっていると思います。「Rough Driver」は先に作っていただいたトラックにメロディーを乗せるという、これまた今までにない作り方だったんです。そこから、ドライブ、ネオン、80,90年代シティポップ…というイメージが浮かんできて、歌詞を書いていきました。最近、私の周りの友人の多くが失恋しているんですけど、そういう人たちに泣いてもらいたいと思って、先ほどのイメージと恋愛を絡めて書き上げました。
そういった私生活上の出来事が楽曲制作に反映していくことは多いんですか?
そうですね。今作は特に女子会にお世話になりました(笑)。「スポットライト」もまさにそうで、女子会中に友人が叫んだ“早く上書きされたーい!”というひと言を採用しています。やっぱり自分の経験だと限界があるし、そういう場での出来事は参考になりますね。「mid-20s」はそういう経験をした友人を含めて、“同年代の女性を応援したい!”という私自身の想いが前面に出た曲で。先ほどの年齢の話につながるんですけど、マインド的にはずっと20代前半なので、実年齢との違和感が生まれるんですよね。でも、先輩からは“30代って楽しいよ”と言われますし、《記号だけの/若さなんて早く捨てたい》というフレーズがまさにそうなのですが、歳をとることをポジティブに考えられるようにしたいと思っているんです。
それは年齢を重ねることに恐れや嫌悪感を抱いているからでしょうか?
あぁ、それは結構強くあったと思います。そう思うのは、私が女性シンガーソングライターだからというのも大きな理由かもしれないです。女性シンガーソングライターってどんどん低年齢化していて、15歳くらいの子がライヴハウスで歌っていることもあるんですよ。私は19歳から活動を始めたんですけど、その頃に“まだギリギリ若いから、お客さんも集まるんじゃない?”と心ないことを言われたこともあって、“歳をとりたくないな”と思っていました。でも、自分ができることに対して制限をかけられるようになったのは、この年齢になったからこそかなと。昔だったらひたすら突っ走るだけだったんですけど、今はちょうどいいところでブレーキをかけられるようにもなりました。
自分にとって一番良い塩梅の上で、挑戦をしていこうと。
はい。今まで培ってきたゆいにしおらしさを保ちつつ、いろんな表現にトライすることで、今までにない自分らしさが生まれていったらいいなと思いますし、今作ではそれができたと思っています。新曲ができたら必ず兄に聴かせるんですけど、兄からのもお墨付きをもらえたので自信があります(笑)。
身内の言葉は心強いですね! 10月からは東名阪のワンマンツアーがスタートしますし、楽しみですね。
そうですね。メジャーアルバムをリリースして初めてのライヴなので、今まで応援してくれているファンの方にも観てもらいたいし、これを機に知ってくれた人たちもしっかりと楽しめるライヴにしたいと思っています。
取材:峯岸利恵
「sun shade」MV
「CITY LIFE」MV
「ワンダーランドはすぐそばに」MV
「息を吸う ここで吸う 生きてく」MV
「タッチミー」MV
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