【Little Parade インタビュー】
自分のきれいなところも
汚いところも全部詰め込めた
元Aqua Timezのヴォーカル・太志のソロプロジェクトであるLittle Paradeから約1年振りとなる3rdミニアルバム『感情特急』が届いた。先行配信シングルの「すみれ色の夜」や秋に行なわれた『Process Of Progress tour 2022』で披露された「晩秋のトロイメライ」をはじめ、収録されている楽曲には切なさや哀愁、やさしさや温もりなど、あふれるほどの“感情”が込められている。本作への想い、制作におけるエピソードなどを語ってもらった。
いい緊張感もあって、
いい作品が作れた
『藍染めの週末』以来、約1年振りのミニアルバムになりますが、今回は何かテーマやコンセプトを決めて作り始めたのですか?
今回は特にそういう感じではなかったですね。ツアー中に“2022年のうちにアルバムを出しましょう”という話になったんだけど、僕自身も2022年中に作りたい気持ちだったので、ツアーが終わってから制作モードに切り替えて頑張りました(笑)。と言っても、“こういう曲をやる”というアイディアはツアー中にすでに頭の中にあったので、それを急いでかたちにしていきました。
制作の直前までツアーがあったことで、ツアーで得たものもレコーディングに生かされたりは?
それはありますね。自分はアウトドア派ではないので、ツアーは僕にとっていろんな人と触れ合える貴重な場でもあるんです。もちろんファンのみんなに曲を聴いてもらうというのが一番ですけど、東京以外の場所に行くことで、その地方のライヴハウスの方と会えたり、スタッフさんと会えたり、そういう触れ合いが生まれるのも大きな楽しみになっています。そういうものがないと自分の心に支障をきたしてしまうんじゃないかと思います。
確かに、人と会うということは大切なことですよね。
はい。僕の場合、一度バンドを解散していますから、メンバーと集まって練習をするわけでもないですし、さっき言ったようにアウトドア派ではないので、ツアーとかがなければ一日中家で過ごすということもあるので(笑)。ツアーをやるからにはいいライヴにしなきゃいけない気持ちがありますし、プレッシャーもあるんですけど、ツアーが始まってしまえば、どちらかと言うと仕事よりは遠足みたいな感覚で楽しい日々でした。得るものも多かったです。
ソロプロジェクトだと自分でスケジュールを決められますし、自由度も高いと思われますが。
自由度は高いですね。でも、自由度が高いぶん、サボってしまいがちで(笑)。あと、ひとりで作っていると、同じやり方だと飽きちゃうんです。なので、勉強しなきゃいけないと思って、以前よりもいろんな音楽を聴いて、“楽しむ”というよりは“研究”をしてたりしています。
アルバムのリリースに先駆けて「すみれ色の夜」がシングルとして先行配信されていますが、この曲が今回のアルバムの軸になっていたりするんですか?
そうですね。自分の中で“シングルの曲ができたな”という感触があった曲で、弦のアレンジをAqua Timezのmayukoにやってもらっていて、“ここはこういう感じにしよう”とか相談しながらすごく丁寧に作っていきました。自分でもいろいろ勉強したり、研究したりしていますが、自分が学んだことが合っているのかどうかは分かりづらいじゃないですか。でも、mayukoだったら相談もしやすいし、確認しながら進めていくこともできたので、納得のいく曲に仕上がりました。
曲によって誰と一緒に作るとか、そういうことを決められるのもソロプロジェクトの良さですよね。
はい。mayukoだけじゃなく、他の曲でも旧知の仲のAqua Timezのメンバーに参加してもらって、自分としては楽しかったです。とはいえ、昔から知っている仲の良いメンバーだけで作ってしまうと、知らず知らずのうちにだらけてしまってたかもしれないので、初めての方も含めて、いろんなミュージシャンに参加してもらっていて、いい緊張感の中でいい作品が作れたと思っています。