あほの坂田。(浦島坂田船)「居心地
のいい場所、これからもみんなと共有
できたらいいな」 ワンマンツアーフ
ァイナル・Zepp Haneda(TOKYO)公演
をレポート

AHO NO SAKATA LIVE TOUR 2023 -Home-

2023.6.25 Zepp Haneda(TOKYO)
ボーカルユニット・浦島坂田船のメンバーでもあるあほの坂田。が、2023年6月に『AHO NO SAKATA LIVE TOUR 2023 -Home-』と題したワンマンツアーを全国5都市で開催。2019年以来4年ぶりのスタンディング公演は、あほの坂田。と坂田家(あほの坂田。ファンの呼称)にとってそこがかけがえのない“居場所”であることをあらためて感じられるものとなった。ここでは、6月25日にZepp Haneda(TOKYO)で行われた最終公演の模様をお伝えする。
幕が開き、まず目に入ってきたのはオープニングVTR。柔らかな朝の日差しが差し込む部屋で、一度は起きたものの気持ちよさそうに二度寝してしまうあほの坂田。。すると、明るくなったステージにも、なんとベッドが置かれているではないか。そう、観葉植物やルームライト、ソファなども置かれた今回のステージは、タイトルそのまま、プライベート感満載なあほの坂田。の“Home”なのだ。再び鳴ったアラーム音を止めたのは、ベッドから伸びた手。パジャマ姿で起き上がったあほの坂田。、その無防備な笑顔に大歓声が上がる。
あほの坂田。
ベッドに腰かけたままで歌い始めたのは、2023年6月3日に発売されたソロアルバム『Home』の1曲目に収録の「リビングハート」だ。途中でベッドから立ち上がったあほの坂田。は、鏡をのぞき込んでヘアスタイルを整えたり、観葉植物に水やりをする仕草をしたり。穏やかで温かで優しい歌声、<なるべく 沢山 語り合うべきだ となりで 口ずさむよ>というフレーズにもにじむ坂田家への愛に包まれて、幸せが満ち満ちていく。
「“Home”へお帰りなさいませ。最高の1日にしようぜ!」と呼びかけた「Rainbow Parade」では、ダイニングチェアに腰かけて歌ったかと思うと、ダンサーと軽やかにダンスしながら<いざ共に行こう>と客席に向けて手を差し伸べる場面も。<鮮やかな絵>に入り込める時間は本当に楽しい。
あほの坂田。
「今日は俺の大好きな人がここに来るからね」とワクワクドキドキな様子のあほの坂田。。突如届いたUrazonからの荷物を開梱し、「これは……今日来る大好きな人につけてもらおうと思ってたやつだ」と言いつつ自ら猫耳カチューシャ&猫手袋を身につけて歌ったのは「キャットラビング」だ。ピンクパープルなライトに照らされながらの小悪魔的な<にゃん>のポーズにも、坂田家がますます沸き立つ。
シルエットが浮かぶ生着替えでは、「あれを用意してくれ」という要望にダンサー陣が次々とモノボケを繰り返して、まるでデビュー当時の志麻なマネキン頭部や、センラの胸毛を思わせるアフロのウィッグや、うらたぬきサイズ?のキッズにぴったりそうなTシャツなども登場。ソロライブでも浦島坂田船メンバーいじりが止まらないあほの坂田。、どれだけ3人のことが好きなんだ。
あほの坂田。
昨年2022年のワンマンでも着用していたボルドーカラーの細身なスーツに着替え、シルクハットをかぶった「盗人タケダケしいなオーイ!」で坂田家のハートを奪い、「鼓動」では大ボリュームのコール&レスポンスも。「泣いても笑っても今日がツアーの最後だから、正直言って緊張してる。でも、この熱い気持ち今日のうちに届けないとね。いつもありがとう。おまえら愛してるぜ!」という言葉にも高まってしまう。
あほの坂田。
笑顔で歌って踊っている姿を見ているだけでだいぶ幸せな、『Home』に収録の「So happy!!!」。あほの坂田。が「俺の気持ち、受け取ってください」と言ってバラの花束を手に一途な恋心を歌った、浦島坂田船の「シンデレラステップ」。「伝えたいことがあるんだけど……恥ずかしいから歌で伝えていい?」とはにかんで、アコースティックギター弾き語りをした「きみへ」。「ずーっと一緒にいてください」という言葉も心を掴んで離さない。
あほの坂田。扮する熱狂的坂田家・さか子さんのかわいさに場内がどよめいた幕間VTRをはさみ、ビビッドカラーのジャケットにTシャツ、デニムパンツというカジュアルな装いにチェンジして再登場したのは「荒波」。『Home』に収録、切れ味鋭いラップが冴えた「Madness...」にしても然り、かわいいだけでなくかっこいいも極めてしまうのがあほの坂田。だ。
あほの坂田。
途端に艶っぽい歌声を響かせた「I’ m Your Tamer」。もとからの中毒性に拍車がかかった「神っぽいな」。観客と共にクラップやコール&レスポンスで一体感を高めた「チェック・ナイト」。バンドメンバーも巻き込んで、“坂田のライブは最高”“坂田家みんなが最高”“坂田の笑顔が最高”“みんなと出会えて最高”“やっぱり坂田は最高”“坂田を推すのは最高”と全員で声を合わせた「無駄≠無駄」。ダンサーと賑やかに魅せた「えらくてすごい」。ハイキックもターンも華麗にきまった「スーパーヒーロー」。あほの坂田。を中心に仲間や坂田家が集う“Home”は、やっぱり居心地がよすぎる。
あほの坂田。
2023年2月11日&12日に東京・東京ガーデンシアターにて行われた各日昼夜2公演の計4公演『10th Anniversary 浦島坂田船 SPECIAL TAG LIVE 2023』。うらたぬきと出演予定だった『URASAKA KINGDOM ~Dark Side Fantasy~』を、体調不良によって欠席してしまったあほの坂田。。「活動を14年やってきて、休んだのは初めて。とんでもないことをしてしまった、居場所がなくなってしまったんじゃないかと思いました。こうしてまたみんなの前に立てていること、居場所を与えてもらったこと、本当に感謝してます。4人一緒にいるのがただただ楽しくて、その居場所を守りたい、みんなが応援してくれる日々が少しでも長く続けばいいなと思って始めたこの活動が、ちょっとでもみんなの力になれていたら、心の拠り所になれていたら嬉しいです。居心地のいい場所、これからもみんなと共有できたらいいな。そんな気持ちを込めて歌います」
坂田家、crew(浦島坂田船ファンの呼称)ひとりひとりに向けてていねいに歌を紡いだ「ゆめのものまね」。<僕が笑うから 君も笑える そんなヒーローに>あほの坂田。はなっているのだ。
あほの坂田。
本編ラストは、ロックンロールな曲調にがなり声や巻き舌も映えた「迷図」。あほの坂田。のイメージカラーである赤いペンライトが数多揺れる客席に向け「赤、赤、赤、赤、ぜーんぶ赤!」と叫んだときのとびきりの笑顔に、ラストのロングトーンに、マイクを通さずに言った「ありがとう」。すべてが鮮烈だった。
マスコットキャラクター・ケンちゃんの着ぐるみパジャマを着たあざとかわいいあほの坂田。が現れたアンコールは、「スクールボーイ」でスタート。観客を含めての記念写真を撮ったあとは、「毎回言ってるけど、好きな人と過ごせて本当に楽しいライブでした」と言って、「未完成ユートピア」へ。ケンちゃんパジャマのフードをかぶり、マイクを客席に向けるあほの坂田。。急にマイクを向けられてもばっちり歌えてしまう坂田家。あまりにも居心地のいい“Home”に帰れる日が、早くも待ち遠しい。
あほの坂田。

文=杉江優花
撮影=小松陽祐[ODD JOB]

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