7月19日(水)@Zepp DiverCity(TOKYO) photo by 塚越淳一

7月19日(水)@Zepp DiverCity(TOKYO) photo by  塚越淳一

JUNNA、
ツアーファイナルで
Birthday Liveの開催を発表

 約1年半ぶりとなるライブツアー『JUNNA ROCK YOU TOUR 2023 ~Dear...~』のファイナル公演が、7月19日(水)Zepp DiverCity(TOKYO)で開催された。ソールドアウトとなった会場には、大きな歌声やコール&レスポンスが響き渡り、この夜だけの幸せな空間が作り上げられていた。

 また、この公演で11月5日 『JUNNA Birthday Live 2023 〜Trio de 純喫茶〜』が彼女の誕生月である11月の5日(日)にBillboard Live YOKOHAMAで開催されることが発表された。この公演はトリオ編成(Vocal、Piano、Guitar&Cello)で楽曲をお届けする、1日限りのスペシャルステージになるとのこと。今回のツアーとはまた異なるシンガーJUNNAの魅力を体現すること間違いなしのため、ぜひチェックいいただきたい。

 なお、ライブの模様は、7月26日(水) 23:59までアーカイブ配信が実施されており、各音楽配信サイトでは各日程のセットリスト構成に楽曲が組まれた、公式プレイリストも楽しむことができるとのこと。熱狂の渦が巻き起こったエモーショナルなライブの模様と、彼女の楽曲の多彩さを、改めて何度でも体感してほしい。

【Zepp DiverCity(TOKYO)公演
ライブレポート】

 島田昌典(Key&Band Mas.)、佐野康夫(Dr)、山本陽介(Gt)、森田晃平(Ba)、門脇大輔(Vn)、毛利泰士(Per&Mp)という超強力なバンドメンバーが登場し、革命前夜を想起させるような“overture”を演奏し始める。大きなフラッグを持ったJUNNAがステージセンターにスタンバイすると、オープニングナンバー「革命のメロディ」が始まる。ステージ上で、旗を高く掲げたり、左右に振ったり、振り回したり。私について来い!と言わんばかりのリーダーシップを発揮しながら、〈きっと大丈夫 もう大丈夫〉と、変わりたい!と願う気持ちを後押しする曲を熱唱する。「千秋楽、熱く盛り上がっていくよー!」と叫んで歌った「REVOLUTION」では、「WOW…」とオーディエンスと声を合わせ、一体感を強めていった。レーザーが入り乱れるライティングも最高にクールだ。

 MCでは、平日開催であることに触れ「有給休暇取ってきたよって人? 学校終わりの人? 私はもう夏休みなんです(笑)」と、自分がまだ学生であるという話で観客とコミュニケーションを取る。シンガロングもそうだが、デビュー当時は当たり前だったやり取りが戻ってきたのだと感じて、胸が熱くなった。

 続いては最新アルバムデビュー5周年記念3rdフルアルバム『Dear』からの3曲。「振レバ、雨傘。」では、クラップを促して、さらにヒートアップ。迫力のあるバンド演奏、特にピアノソロに圧倒されていると、雰囲気を一気に変え、グルーヴィーな演奏の「曖昧な2人」へとシームレスに移行していく。この曲のヴァイオリンソロも迫力があった。そしてスポットライトの中で歌ったバラードの「春の夢」では、優しく美しい歌声を届けていく。特に最後の一行で入れた音源にはないブレスがグッと切なさを助長する。タイプの違う楽曲を表現力豊かに歌い上げるJUNNAの歌声にも感動したし、ライブならではのアレンジで楽しめた。この3曲はフルアルバム『Dear』の流れでのセットリストだったが、アルバムの曲順もライブを意識してJUNNA自身が決めていたということで、アルバムの雰囲気も感じ取れたブロックだったと思う。

「私のライブでは声出しが約4年半ぶりなんです。でもその前はこれが恒例だったんですけど、私はライブ中に、お客さんとしゃべるんです!」と言って、挙手制で何人かと会話をしていく。「韓国から来ました」や「初めて来ました」という生の声を聞けて嬉しそうなJUNNA。本編中、度々観客と言葉を交わしていた姿が印象的だった。

 そしてジャケットを脱ぎ、「久しぶりに歌う曲なんですけど、これは私のテーマ曲なんじゃないかと思っています」と言って「ROCK YOU, ROCK ME」を届ける。ボーカルも徐々に熱を帯びていき、途中、フロントに出てきた山本陽介と背中合わせに歌ったり、サビを観客と一緒に歌ったりして、会場全体のボルテージも上げていく。さらに勢いを増した「風の音さえ聞こえない」では、お立ち台に片膝を乗せ、歌を叩きつける。これだけエモーショナルなのにまったくブレない、しかも轟音で鳴り響くバンドサウンドをものともしないボーカルの迫力が凄まじい。この音を全身に浴びる感じは、会場でしか味わえないことかもしれない。かと思えば一転、バラードの「あやまち」では心を震わせる感情的な歌声で、グッとその歌の世界へ引き込んでいく。曲終わりでJUNNAがいったん捌けると山本陽介の泣きのギターソロを中心とした長尺のアウトロ、そこから主旋律が島田昌典のピアノから門脇大輔のヴァイオリンへと移っていく「ソラノスミカ」のインストも素晴らしかった。上モノのサウンドが印象的だが、難しいリズムばかりの楽曲を支える佐野康夫のドラムと森田晃平のベース。時にギターを持ったり大忙しの毛利泰士のパーカッションにも、圧倒されっぱなしだった。

 最新アルバムのコンセプトカラーである青い衣装になり、クールに登場したJUNNAが、巨匠・鷺巣詩郎が作編曲を手掛けたジャズテイストの「THE END」を披露。椅子を使ったダンスで魅せた演出が最高にカッコ良く、いったいどれだけの引き出しがあるのか!と驚く。ツアー直前までワルキューレのツアーがあったことも考えると、きっと努力の賜物なのだろうが、すごい完成度だった。「いつかダンスなしでも歌ってみたい曲だし、またダンスありでも絶対やるけど、色んな化け方をしそうな曲だと思います」と、その手応えを口にする。

 そして、1stシングル「Here」から携わり「私を作ってくれた大切な作品」だと語る『魔法使いの嫁』シリーズのタイアップ楽曲を3曲立て続けに披露。TVアニメ『魔法使いの嫁 SEASON2』のOPテーマで、最新アルバムのタイトル曲「Dear」から、「Sky」「Here」と遡っていく。まとめて歌ったことで、だんだん難しくなっている気がすると漏らしていたが、「作品にすごく寄り添った楽曲たちで、いい曲だと思いながら歌っていた」と明かす。そして「この3曲は、私の歴史というか、アーティスト人生で欠かせない曲」だと、最大限の賛辞を贈ると、ライブは終盤に突入する。

 約20分にも及ぶ「Dear...スペシャルメドレー」は圧巻だった。ソロデビュー曲「Vai! Ya! Vai!」から始まり、「我は小説よりも奇なり」では、配信用のビデオカメラをステージに上げてバンドメンバー紹介をしていく。ここではカメラ目線で歌うJUNNAとステージからの景色が堪能できるような、配信で観る良さが感じられるシーンになったはずだ。『マクロスΔ』のワルキューレから「いけないボーダーライン」を歌い盛り上げると、「海と真珠」、そして観客の撮影OKとなった「You + Me = ?」では、みんなで声を合わせ、クラップをして最高に楽しい時間を共有する。「激ヤバメドレーでした。5周年を終え、6周年に向かっていく時期で、これまでの歩みを感じられて、これからも私はどんどん前へ進んでいくんだぞ!という気持ちを伝えられるメドレーにしたいと思って、色んな曲を入れていったら、すごいことになってしまった」と話していたが、終始楽しそうに歌っている姿が印象的だった。

 続くMCでは「ここにいる全員が、同じ場所で同じ時間を過ごすことはきっとないんです。今日しか作れないライブがあって、今日しか歌えない歌があって、今日しか出せない音楽があって、本当に特別な時間なんです。やっぱりみんながいないと私は歌う意味がなくなっていくなと感じました」と感謝を伝えていく。このライブが終われば、それぞれの日常に戻っていく。「みんなの日常に、私の歌や音楽が届き続ければいいなと思うし、遠くにいても私たちは繋がっていて、同じ空を見ているんだと思いながら、最後の曲を歌いたいと思います」と言って、本編ラストに「星座」を届ける。青い光に包まれた会場に響き渡っていく心を揺さぶられる歌声。〈星が消えた後も 光は届く そんな物語信じて〉という歌詞は、歌う前に添えられた彼女の言葉があって聴くと、より心に染みるし、彼女の願いをしっかり受け止めることができた。

 アンコールは「We are」から。「私はここだよー!」と、客席中央に現れると、そこから会場中を練り歩き、走り、階段を駆け上がって2階席にまで出現。曲の終盤は、猛ダッシュでステージに戻ってくるというハードな1曲をやり遂げると、アスリートのようにステージ上で膝に手をおき息を整える。最後のMCでは、これまで感じてきた想いを素直に吐露していく。約1年半ぶりのツアーに至るまで、中止になってしまったツアーもあり、悔しい思いをしてきたこと。またみんなが集まってくれるのか、一緒に過ごしたいと思ってくれるのかという不安を抱えていたこと。だが、それでも歌っていくという決意と、今回ソールドアウトへのこだわりがあったのは「少しでも多くの方に足を運んでもらって、JUNNAのライブ楽しいな、また来たいなと思ってもらいたかったから」だと語る。これまでは叶えられないことが怖くて、具体的な目標は口にしてこなかったが、これからは言葉にして、泥臭くても願いを叶えていきたいと誓う。そして最後に「明るい未来を見せてくれる曲です」と言って「太陽の航路」を歌っていく。「みんなの声を聴かせてくれませんか?」と、サビをラララで観客と一緒に歌ったのだが、そこにはこの瞬間、この場所だけで感じられる幸せな時間があったし、歌い終わったあとのJUNNAの笑顔がすべてを物語っていたように思う。

 ファイナルだけあったダブルアンコールでは、アコギの弾き語りで、昨年の夏、中止になってしまったホールツアーの最後に歌おうと思っていたという「CONTRAST」を披露。みんな違っていていいし、それを受け入れることが大切だという歌う愛の歌を届け、「特別な時間を私にくれてありがとうございました。またいつかどこかで、絶対にお会いしましょう!」と伝え、ライブは幕を閉じた。ツアータイトルどおり、JUNNAから観客への、目一杯の親愛の情を感じさせるライブだった。

photo & text by 塚越淳一

【セットリスト】
01. 革命のメロディ
02. REVOLUTION
03. 振レバ、雨傘。
04. 曖昧な2人
05. 春の夢
06. フラクタル(愛知、仙台)  ROCK YOU, ROCK ME(大阪、東京) ※
07. 風の音さえ聞こえない
08. あやまち
09. THE END
10. Dear
11. Sky
12. Here
13. Dear...スペシャルメドレー
(Vai! Ya! Vai! ~ 紅く、絶望の花。 ~ 我は小説よりも奇なり ~ いけないボーダーライン
~ コノユビトマレ ~海と真珠 ~ You + Me = ? )
14.星座
<ENCORE>
E1. 世界を蹴飛ばせ!(愛知、大阪) We are(宮城、東京) ※
E2. 太陽の航路
★E3 CONTRAST(東京)
※は日替わり楽曲
★はJUNNAのギター弾き語りで東京公演のみ披露

■『JUNNA ROCK YOU TOUR 2022 〜風の音さえ聞こえない〜』セットリストを各公演ごとにプレイリストにして公開中!
・7月06日(木)Zepp Nagoya【愛知】 
https://jvcmusic.lnk.to/ROCKYOUTOUR2023_NAGOYA
・7月07日(金)Zepp Namba【大阪】 
https://jvcmusic.lnk.to/ROCKYOUTOUR2023_NAMBA
・7月15日(土)仙台Rensa【宮城】 
https://jvcmusic.lnk.to/ROCKYOUTOUR2023_SENDAI
・7月19日(水)Zepp DiverCity(TOKYO)【東京】 
https://jvcmusic.lnk.to/ROCKYOUTOUR2023

『JUNNA Birthday Live 2023
〜Trio de 純喫茶〜』

11月5日(日) Billboard Live YOKOHAMA
1stステージ15:30/16:30
2ndステージ18:30/19:30
<チケット>
席種:全席指定
サービスエリア  8,500円
カジュアルエリア 8,000円(1ドリンク付き)

◎FC最速先行受付中
受付期間:7/19(水)21:00~7/30(日)23:59
https://fc.junnarockme.com/freepage/ticket_bblyokohama2023/
※お申し込みにはFC会員登録が必要です
7月19日(水)@Zepp DiverCity(TOKYO) photo by  塚越淳一
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