ロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』
~本編映像の一部を解禁、『英国ロイ
ヤル・オペラ・ハウス シネマシーズ
ン2022/23』がいよいよフィナーレへ

英国はロンドンのコヴェント・ガーデン、ロイヤル・オペラ・ハウス(ROH)で上演された、ロイヤル・オペラ、ロイヤル・バレエ団による世界最高峰のオペラとバレエを、特別映像を交えてスクリーンで体験できる人気シリーズ「英国ロイヤル・オペラ・ハウス シネマシーズン2022/23」。史上最大のスケールとなった今シーズンもいよいよフィナーレを迎え、ロイヤル・バレエの歴史の中でも特別な位置づけにあるチャイコフスキーの比類なき傑作『眠れる森の美女』が、2023年8月25日(金)~8月31日(木)、TOHOシネマズ 日本橋ほかにて1週間限定で全国公開となる。本記事では、舞踊評論家・森菜穂美氏による先取解説とともに、本作および来シーズンの見どころを以下に紹介する。……まずは、公開を記念して解禁された、『眠れる森の美女』の本編映像の一部をご覧いただきたい。
【特別映像】ロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』8月25日(金)公開

『眠れる森の美女』は、チャイコフスキーの三大バレエの中でも、巨匠マリウス・プティパが作曲家に対して細部まで指示出しをおこない、振付と音楽を完璧なまでにマッチさせた、この上なく美しく華麗な旋律によるグランド・バレエの代表的な作品だ。世界初演は1890年1月、帝政ロシア時代のマリインスキー劇場においてだが、ロイヤル・バレエ団では、第二次世界大戦中、避難所に使われていたコヴェントガーデンのロイヤル・オペラ・ハウスが再開した1946年2月に初演がおこなわれ、文字通り劇場の“眠りを覚ませた”ことでも知られる。
ロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』Christina Arestis as Carabosse and artists of The Royal Ballet in The Sleeping Beauty, The Royal Ballet (c)2017 ROH. Photograph by Bill Cooper
今回、解禁となった上記映像は、本作の冒頭シーンで、ロイヤル・バレエ団の芸術監督のケヴィン・オヘアが、「『眠れる森の美女』はクラシックの代表作」と述べ、続いて稽古中のダンサーたちが登場。カラボス役のクリステン・マクナリーは「おとぎ話で、昔ながらの勧善懲悪の物語」、王子役のマシュー・ボールは「チャイコフスキーの音楽が物語を紡ぎ心に響きます」と述べ、そして、オーロラ姫役のヤスミン・ナグディが「振付と音楽が互いに引き立て合い、美しい組み合わせです」、リラの精役マヤラ・マグリが「まさに傑作で、バレエ団全員で演じます。また踊るのが楽しみです」と、この作品の素晴らしさについて、それぞれ語る映像となっている。
ロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』Matthew Ball as Prince Florimund and Yasmine Naghdi as Princess Aurora in The Sleeping Beauty (c)2017 ROH. Photograph by Bill Cooper
森氏は「オーロラ役のヤスミン・ナグディの完璧な技術とエレガントな踊り、王子役マシュー・ボールの貴公子ぶり、注目株イザベラ・ガスパリーニやジョセフ・シセンズの目も覚めるような青い鳥のパ・ド・ドゥなど、クラシック・バレエの魅力があふれる魅惑の舞台」と大絶賛。おりしも、今年の秋は日本のバレエ団による『眠れる森の美女』が数多く上演されるが、それについては「コロナ禍で眠っていた劇場の目覚めも象徴させているかのようだ」と評する。
ロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』Production photo of The Sleeping Beauty, The Royal Ballet (c)2023 ROH. Photographed by Andrej Uspenski
そして、来シーズン日本公開されるロイヤル・バレエの選りすぐりのラインナップが決定した。『ドン・キホーテ』『くるみ割り人形』『マノン』『白鳥の湖』という人気4作品だ。その見どころついても森氏が最速で解説。
まず、オープニングを飾る『ドン・キホーテ』について「バレエを観るのが初めての方でも楽しめる、スペインを舞台にした陽気なコメディ作品で、たくさんの超絶技巧が詰め込まれています。高い技術を誇るマヤラ・マグリがキトリ役、『眠れる森の美女』では王子役を演じたマシュー・ボールが、庶民的な床屋のバジル役を演じる予定で、まったく違った魅力を見せてくれるはず」と期待を寄せる。
今シーズンに続いて上演される『くるみ割り人形』については「ロイヤル・バレエのピーター・ライト版は幾多の「くるみ」の中でも物語性が高く、夢と冒険が詰まったファンタジックな世界は幅広い年齢層に大人気。今年は若手プリンシパルのアナ・ローズ・オサリヴァン、マルセリーノ・サンベがフレッシュな魅力で金平糖の精と王子を演じる予定」と魅力と見どころを解説。
3作目の『マノン』については「ロイヤル・バレエは“演劇の国”英国ならではのドラマティック・バレエがお家芸。その中でも最高傑作の『マノン』は、パリの裏社交界を舞台にした甘美で退廃的な世界観、究極の愛の姿を見せる。深く心に残る作品であり、根強い人気を誇る」と語る。
そして「シーズンを締めくくる『白鳥の湖』は言わずと知れたバレエの代名詞。世界トップクラスのダンサーたちが、チャイコフスキーのあまりにも美しく心を揺さぶる旋律に乗せて、圧巻のドラマに浸りたい。ロイヤル・バレエ版は夭折の天才振付家リアム・スカーレット振付による陰影に富んでドラマチックな『白鳥の湖』だ」と、4作品の魅力と見どころを先取り解説。
森氏は「この4作品を観れば、ロイヤル・バレエがなぜこんなにも世界的に大人気なのかが実感できる」と来シーズンのラインナップに太鼓判を押す。さらに、シネマシーズンの魅力として「世界的なスーパースターだけでなく、ロイヤル・バレエで活躍する日本人ダンサーたちの踊りや演技も観られるのも、このシネマシーズンの楽しみの一つ。2023-24シーズンでは、前田紗江、中尾太亮がソリストに、五十嵐大地がファースト・アーティストに昇進し、来シーズンは頻繁にスクリーンで出会えるはずだ。高田茜、平野亮一、金子扶生と日本出身プリンシパルの活躍ももちろん期待できる」と、今シーズンでも大活躍だった日本出身ダンサーの更なる活躍が期待できるシーズンとなりそうだ。
ロイヤル・バレエ『眠れる森の美女』Matthew Ball as Prince Florimund and Yasmine Naghdi as Princess Aurora in The Sleeping Beauty (c)2017 ROH. Photograph by Bill Cooper
※森菜穂美氏(舞踊評論家)『眠れる森の美女』そして今シーズンと来シーズンの解説全文は下記URLにて閲覧可能です↓

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