L→R 松井博樹(Key)、戸田達也(Ba)、Ray(Vo)、實成 峻(Dr)、中村達也(Gu)

L→R 松井博樹(Key)、戸田達也(Ba)、Ray(Vo)、實成 峻(Dr)、中村達也(Gu)

【BLINDMAN インタビュー】
自信作なので、
より多くの人に
届くといいなと思っている

進化していきたいし、
新しいものを作れるようになりたい

「Destiny」はリフから入って、あのキャッチーなメロディーというのは驚きです。中村さんのメロディーセンスは、どの辺りがルーツになっているのでしょう?

日本の歌謡曲だと思います。僕は中学生くらいの頃から歌謡曲の中でもゴダイゴとか、寺尾 聡さんの「ルビーの指輪」とかに惹かれていたんです。ああいう曲は今聴くと、ちょっと洋楽っぽい作りになっているんですよね。当時はそういうことも分かっていなかったけど、すごく好きだった。「ルビーの指輪」はめっちゃクールじゃないですか。ゴダイゴは、もうほぼ洋楽だし。そういうものがすごく好きで、『ザ・ベストテン』で寺尾 聡さんがギターを弾きながら歌っている時があって、それを観て僕はギターを始めましたからね。

ロックに目覚めてからも歌謡曲のテイストは残っていったんですね。80年代にはTOTOやJourneyなども人気を集めましたが、あの辺りは聴かれませんでしたか?

高校生の時に聴いていました。当時は雑誌から得る情報が圧倒的に多くて、JourneyとかTOTOは某ギター誌によく出ていたんです。当時はその本にスコアが載っている曲は毎月必ず貸しレコード屋に借りに行っていて、そういう流れからJourneyとかTOTOも好きになりました。あとは、Loverboyとかも好きでしたね。IRON MAIDENやJudas Priestとかは、その頃はまだ聴いていなかったです。周りはみんなそういうのを聴いていたけど、僕が本格的にヘヴィメタルに目覚めたのはLOUDNESSがきっかけになったんですよ。しかも、始動してからちょっとあと…『THUNDER IN THE EAST』(1985年1月発表)を出した頃だったので。そういう流れだったから、最初の頃はアメリカンロック寄りでした。まぁ、 Rainbowも好きでしたけどね。

ギターを通していろいろなバンドを聴くようになられたわけですが、ギター至上主義ではないことを感じます。

それは、もうだいぶ昔に諦めました(笑)。世の中にはすごいギタリストが山ほどいますから。僕は“音楽を作る人”という意識で音楽に接しています。正直言って、今はライヴとかイベントはカバーライヴのほうが人が集まったりするんですよね。僕はそういうカバーイベントみたいなものに負けたくないんです、曲を作っている以上は。“Deep Purpleとかがあれば、もういいじゃん”と思っている人の気持ちも分かりますよ。音楽好きであれば誰しも自分の中の名盤というのがあって、それは若い多感な頃に触れたものが多いですから。僕自身も大好きなアルバムとか、名盤と思っているものは古いものなのも事実です。そして、新しい時代は若い人にしか作れないというのも事実だと思う。ただ、作品を作るのであれば勝負しないといけない。仮に僕らが世界中をツアーできるくらい売れていれば、アルバムはツアーをするための名目として作る…けど、そうはなれなかったから、だったらもう最後まで“一番いいものを作る!”という覚悟が自分の中にはあるんです。

分かります。BLINDMANはトラディショナルなHRのスタイルを活かしていますが懐古趣味ではなくて、当時の匂いを活かした21世紀の音楽という印象です。

そう言っていただけると嬉しいです。僕が狙っているのは、まさにそこなんですよ。過去にまったく存在しなかった音楽を自分が作れるとは思っていないし、先人の影響を受けて今の自分があるわけだし。そういう中で、同じような曲ばかりやるのではなくて、進化していきたいし、新しいものを作れるようになりたいと常に思っています。

それが作品のワクワク感につながっていることを感じます。話を『OUTBURST』に戻しますが、3曲目の「Diamond Dust」はについては? 力強さと陰りを併せ持ったスローチューンですが。

この曲はもともとアコースティックのバラードだったんです。前作でも結構アコースティックギターを使っているんですけど、僕はアコギで作ったものはライヴでもアコギを弾きたい人なんですよ。あまりエレキギターで代用したくない。なので、「Diamond Dust」をライヴで披露することを考えた時に、きっちりとステージで演奏できるかたちにしたいと思って、途中からエレクトリックスタイルに変えました。その結果、よりメロディー感がある仕上がりになっていると思います。

この曲のメロディーも良質ですし、特にサビの後半の泣きのギターは秀逸です。

ありがとうございます。そうですね、この曲はうまくまとめられたと思います。

今作の新曲は3曲揃って必聴と言えますね。では、リレコーディングされた2曲についてはいかがですか?

まず「Living a Lie」に関しては、ライヴで必ず最後に演奏する定番曲になっているんです。一応、ライヴバージョンとして現在のメンバーで音源化もされているのですが、スタジオで録ったトラックも聴いてほしいと思って。実は、もうこれまでに2回スタジオで録っているんですよ。最初のバージョン(99年7月発表のアルバム『Being Human』収録)と2013年に当時のメンバーでセルフカバーアルバム『EVERGREEN』を作った時のバージョンがあって、2013年の時のバージョンが僕はあまり好きじゃないんです。むしろ、99年に録ったトラックのほうがバンドマジックが起きている。セルフカバーアルバムの他の曲は全部オリジナルを超えたと思っているけど、「Living a Lie」は超えていないというのが正直な気持ちとしてあったので、このタイミングでリレコーディングすることにしました。2013年のバージョンからもう10年も経っているし、なおかつお客さんが喜んでくれる曲だから、これはやろうと。

最近BLINDMANのファンになった方はライヴの定番曲が音源化されて嬉しいと思います。

僕が気に入っている一番最初のバージョンは、もう入手できないんです。それに、今のメンバーのものを聴いてもらいたい気持ちもあって。このメンバーでも8年演奏してきているので、さすがにもういけるだろうというのはありましたね。各パートのレコーディングにしても絶対に前よりも良くしないとダメだというところで、かなり厳しくジャッジしながら録っていきました。

メンバーもみなさんの想いが伝わってくる仕上がりになっています。では、「The Bed of Nails」は?

新録が「Living a Lie」のみというのもなんですし、ちょっとさっきの話と被りますが、最近は速い曲が湧いてこないというのもあって(笑)。「The Bed of Nails」は2002年4月に出した『TURNING BACK』というアルバムに入っているんですけど、ストレートな曲でありながらも若干演奏が難しいところもあって、あまりライヴでも披露していないくて。でも、今のバンドでやったらより良くなると思ったんです。このメンバーで録ろうとなった段階では今のメンバーは演奏したことがなかったんですけど、みんなもやりたいと言ってくれました。今はメンバーも“これはやって良かったね”と言ってくれています。

OKMusic編集部

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