広大な会場で繰り広げられたウマ娘達
の熱いお祭り2Days「ウマ娘 プリティ
ーダービー 5th EVENT ARENA TOUR G
O BEYOND -GAZE-」レポート

10月からTVアニメ第3期もスタートし、多彩なメディアで熱い盛り上がりを見せるクロスメディアコンテンツ『ウマ娘 プリティーダービー』。その出演陣が全国4ヶ所のアリーナで熱いパフォーマンスを見せるライブイベント第2弾「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -GAZE-​」が、9月16~17日に愛知県名古屋市・ポートメッセなごやで開催された。2万㎡にも及ぶ会場の広さを活かしたパフォーマンスや、ファンとウマ娘の絆が起こした奇跡の瞬間など、見所満点だったイベントの様子を2日間分まとめてお送りしよう。

■走り競うウマ娘達の絆が織りなす力強いステージ!
DAY1出演者 (c)Cygames, Inc.

残暑の厳しい陽気にもかかわらず、ポートメッセなごやには全国より多くのウマ娘ファンが集結。親子連れで訪れているファンも目立つなど、『ウマ娘』の人気が幅広い層に広がっていることを実感させられる中、開演前の場内ではDAY1ではサクラローレル、DAY2ではオグリキャップ&イナリワンによる声出しコール&レスポンス練習動画なども流れて場内の熱気は徐々に高まっていく。

そして開演前恒例の『うまぴょい伝説』が場内に流れると、たちまち客席は芝コースを思わせる緑のコンサートライトの輝きに染まり、マスク着用なら声出しOKルールを守ったファンの「俺の愛バが!」コールが面積2万㎡にもおよぶ広い場内に響き渡った。
そして開演と同時に『ウマ娘』ナンバリングイベント恒例のシークレットゲストが登場。DAY1では……。
あの時の胸の高鳴りは今でも鮮明に思い出す…思い出す度に体中の細胞が熱くなる…楽しませてもらおう日本のウマ娘よ!
力強い台詞と共に実況席に現れたのは、ゲームアプリのメインストーリーや先日実装された新育成シナリオ「Reach for the stars プロジェクトL‘Arc」で立ちはだかるフランスの強豪ウマ娘・モンジュー役・櫻庭有紗。細かに再現された煌びやかな勝負服をまとった意外なゲストの登場に、場内は早くも大きな歓声に包まれた。そしてDAY2では2022年3月の4thイベント以来となる駿川たづな役・藤井ゆきよが登場。ファンにはなじみ深い存在だけにこちらでも大きな喜びの歓声が上がった。
シークレットゲストによる諸注意と協賛企業アナウンス、そしてファンにみんなで全力で楽しもうという熱いメッセージが送られたところで、いよいよイベントの幕が上がった。
色とりどりの光がスクリーンを飛び交い、やがて一つの輝きへと集約する。
これは憧れに焦がれた眼差しから始まった旅路
胸にたったひとつ 確かなものを抱え
彩光に満ちた景色へ歩む物語
挫折も、逆境も、運命さえも超えて
さあ、あの日憧れた、眼差しの先へ
様々なメディアで描かれてきたウマ娘達の強い意志がこもった「まなざし」がナレーションと共に次々と映し出され、出走メンバー達が紹介される度に歓声が巻き起こる。そしてカウントダウンからの「目に焼き付けろ!」のメッセージから幕開けの歌が始まった。
●DRAMATICJOURNEY
(c)Cygames, Inc.

前回の「-WISH-」と同様、オープニングを飾るのはゲームアプリの2周年記念楽曲「DRAMATICJOURNEY」。さらなる未来へと共に旅立とうと語りかける希望の歌を出演陣全員が熱唱。曲の合間では名古屋ならではのネタなども交えた自己紹介や、黒・銀・緑をベースにデザインされたクールな新衣装スプレンダー・オブ・オニキスを一回転してお披露目してファンのテンションを上げていった。
さらにイベント序盤を終えてのMCタイムでは、この曲のコーラスバージョンを出演陣と共に客席全体で唄おうというサプライズも。待望の声出し解禁の喜びをみんなで分かち合おうという粋な企画に、全員が声を合わせて場内を喜びの歌で満たしてみせた。
オープニング後のMCでは、関東圏以外での初ライブとなる今回の名古屋公演への意気込みが語られ、初登場組ではDAY2のネオユニヴァース役・白石晴香が、
トレーナー、ネオユニヴァースと「求める」をしたい?
じゃあネオユニヴァースも「求める」をするよ
と彼女独特の言い回しを再現しながらの挨拶を決め、DAY1では声出しライブ初体験のマヤノトップガン役・星谷美緒がずっとトレーナーと交わしたかったという「アイコピー?」「ユーコピー!」のコール&レスポンスを実現させて場内を沸かせた。
そして初のロングパンツタイプも用意された新衣装の解説や、配信で応援しているファンへのメッセージなどを経て、いよいよライブパート本編がスタート。
『ウマ娘』の楽曲の多くにこめられているのは、ライバルと競い勝ちたいという真っ直ぐな想い。そして彼女達と同じ魂を持って競い合った競走馬達の関係性を表すような組み合わせがが今回のライブの見所の一つだ。
(c)Cygames, Inc.

DAY1では天皇賞や有馬記念のウイニングライブ楽曲「NEXTFRONTIER」を、同レースでシノギを削ったスペシャルウィーク役・和氣あず未/グラスワンダー役・前田玲奈/エルコンドルパサー役/髙橋ミナミ&オグリキャップ役・高柳知葉/イナリワン役・井上遥乃/ヤエノムテキ役・日原あゆみの同世代ライバルトリオが、絶対に負けたくないという思いをぶつけ合うような歌声を披露。
続いてサクラローレルの活躍を描いたコミック『ウマ娘 プリティーダービー スターブロッサム』のPVと共にスタートした彼女のソロナンバー「ユースフルアイズ」では、場内がコンサートライトで桜色に染まる中、サクラローレル役・真野美月が常に挑戦し続ける彼女の思いを叩きつけるように熱唱。
(c)Cygames, Inc.

それに応える様に後半ではライバルであるナリタブライアン役・衣川里佳&マヤノトップガン役・星谷美緒も加わり、熱いデュエットを紡いでいく。最後は一緒に唄ってという真野の叫びに応えてアカペラのかけ声パートにファンも声を重ね、ラストは三人が拳を力強く突き上げながらの歌唱で熱く締めくくった。
中央競馬の牝馬三冠をモチーフにしたトリプルティアラのウイニングライブ楽曲「彩 Phantasia」は、ウオッカ役・大橋彩香/ダイワスカーレット役・木村千咲/イクノディクタス役・田澤茉純と、それぞれ大記録を打ち立てた名牝がモチーフのウマ娘トリオが可憐に熱唱。途中で実況席にツインターボ役・花井美春が現れて、カノープスの仲間であるイクノにターボ全開でぶっちぎっちゃえー! と声援を送り、ターボさんありがとうございます、ぶっちぎってみようと思います! とマジメに返すというファンには嬉しいやりとりも交えて華やかに唄い上げた。
(c)Cygames, Inc.

そして両日共通で披露されたナンバーが、名古屋の中京競馬場で開催されるG1レース「高松宮記念」に勝利した競走馬モチーフのウマ娘による「本能スピード」だ。オグリキャップ役・高柳知葉/ナイスネイチャ役・前田佳織里/マチカネタンホイザ役・遠野ひかるに、DAY1ではキングヘイロー役・佐伯伊織、DAY2ではカレンチャン役・篠原侑/ダイタクヘリオス役・山根綺というメンバーでスピード感あふれる同曲を熱唱。さらに今回のステージがメインステージとセンターステージを左右に伸びた長い花道で繋いだトラック上になっているのを利用して、メンバーがスプリントレースの如く全力疾走してステージ移動をするというパフォーマンスを見せて場内をヒートアップさせた。
■ウマ娘の「カワイイ」全開なバラエティ&ソロナンバーも
レースでシノギを削る力強さも魅力だが、女の子ならではの「カワイイ」があふれているのも『ウマ娘』の魅力。そんな華やかなナンバーやキャラの個性が光るソロナンバーも今回は多数披露された。
DAY1ではライブ序盤で、ステージ&二台のゴンドラで8人のウマ娘による華やかなパフォーマンスが繰り広げられたのが『RUN✕RUN!』。それぞれが場内を回ってファンの声援に近くから応え、実況席とステージ上からカッコイイVSカワイイでエールを交わすウオッカ役・大橋彩香とダイワスカーレット役・木村千咲のやりとりなどに場内から歓声があがった。
(c)Cygames, Inc.

続いては前回の「-WISH-」DAY2でナンバリングイベント初出走となったタップダンスシチー役・篠田みなみがソロナンバー「DANCE!DANCE!“ROMAN”」を初披露。スクリーンにはラスベガスのカジノのような煌びやかなビジュアルが映し出され、スポットライトがステージ上に置かれた一対の金のシャチホコを浮かび上がらせる。その間に登場した篠田は、英語のフレーズが盛り込まれた歌詞を流暢に唄いこなし、ダンサーを従えての迫力のダンスでファンを魅了。タップダンスシチーならではのロマンあふれるレビューのようなステージでファンの心を魅了して見せた。
そして終盤では、グラスワンダー役・前田玲奈が2018年の2ndEVENT以来となる彼女のソロナンバー「SecretGRADUATION」をライブで披露。物静かな勝負師的なキャラクター画目立ちがちなグラスワンダーの、奥ゆかしい恋心を唄ったラブソングが情感たっぷりに唄い上げられ、最後は静かに聴き入っていたファンからの大きな拍手が場内を包み込んだ。
(c)Cygames, Inc.

DAY2では二台のゴンドラでファンの間近で想いを届けた「グロウアップ・シャイン!」「ENDLESSDREAM!!」から、ハルウララ役・首藤志奈のソロナンバー「今日もウララかケセラセラ!」がスタート。こちらも2ndEVENT以来のライブとなるが、ウララが描いたようなゆるっとした風景や動物たちの絵と共に「ケセラセラ」という言葉通りのゆったりとした気分になるステージに。途中で花道を歩くウララが何かを見つけると、それはDAY1に出演したウララの友達・キングヘイロー&ライスシャワーからの応援の手紙だったというかわいいサプライズに場内もほっこりとした空気に包まれた。
そんなウララのステージで緊張がほぐれたと後のMCで語ったゴールドシチー役・香坂さきは続いてソロナンバー「素顔のココロ」をナンバリングイベント初披露。途中で客席に向かってウインクを決めて大きな歓声を誘ったり、来てくれたファンと自分を見ていてくれるトレーナーのためにがんばって唄うというセリフも交えながら、レースとモデル業に忙しい彼女のプライベートタイムの気持ちを可愛らしく唄い上げた。
みんなーおまたせー! ファル子が逃げたらー?
「追うしかないー!」
(c)Cygames, Inc.
そんなコール&レスポンスと共に続いて始まったのは、3兆3642億3166万9265人のファン数を誇るウマドル、スマートファルコン役・大和田仁美とオグリキャップ役・高柳知葉&カレンチャン役・篠原侑によるウマドルステージ「立ち位置ゼロ番!順位は一番!」。白のワンピースにそれぞれのイメージカラーのリボンをあしらったカワイイ衣装にとまどうオグリキャップを巻き込みながら、ハイテンションでポップなウマドルステージを見事にやりきってファンをヒートアップさせた。
■遙かなる頂…フランス・凱旋門賞に挑むウマ娘達の熱情がステージで燃える!
日本からも数多くの強豪馬が挑むも敗れ、未だに高い壁として立ちはだかっているヨーロッパ最大の重賞レースの一つ・凱旋門賞。『ウマ娘 プリティーダービー』でもTVアニメ第1期ではエルコンドルパサーの挑戦や、ジャパンカップでの王者ブロワイエとスペシャルウィークの戦いが描かれ、ゲームアプリでは先日新育成シナリオとして凱旋門賞に挑む「Reach for the stars プロジェクトL‘Arc」が実装され、その壁の高さを実感しているプレイヤーも多いはず。そんな凱旋門賞を制したウマ娘だけが歌えるウイニングライブ楽曲「L'Arcdegloire」が、モデル馬達が凱旋門賞に挑んだり、挑もうとするも実現しなかったウマ娘達によってライブで初披露されるのが、今回のライブの大きな目玉の一つだ。
諸君、見届けたまえ
世界から集った名だたるウマ娘が、最優を争うこの一時を
そして祝福せよ、世界最強を背負うべきウマ娘を
さあ挑戦者達よ、瞳に宿るモノを解き放て!
(c)Cygames, Inc.
DAY1では櫻庭有紗による凱旋門賞の覇者・モンジューからのゲキと共に、エルコンドルパサー役・髙橋ミナミ/サトノダイヤモンド役・立花日菜/キタサンブラック役・矢野妃菜喜/サクラローレル役・真野美月/タップダンスシチー役・篠田みなみがステージに登場。スクリーンに映し出される荘厳な凱旋門をバックに厳しい戦いへと挑み乗り越えるウマ娘達の覚悟の歌を熱唱。さらに声援に応えながらメインステージから花道を進みセンターステージに辿り着くと、配信ではゲーム中のウイニングライブと同様にドローンによる光の凱旋門と勝利を祝福する打ち上げ花火が登場し、勝利の凱歌を力強く歌い上げるウマ娘達を祝福した。
そして曲の後のMCタイムでは、モンジュー役・櫻庭有紗が
スペシャルウィーク……ジャパンカップ以来だな
とゲームのメインストーリーで競い合ったスペシャルウィーク役・和氣あず未に語りかけると、TVアニメ第1期での凱旋門王者・ブロワイエに放った
ら びくとわーる えともー(調子に乗んな!)
で返し、アニメとゲームの垣根を越えたコラボに場内が沸き上がる一幕も。
そしてDAY2ではゴールドシップ役・上田瞳/エルコンドルパサー役・髙橋ミナミ/ナカヤマフェスタ役・下地紫野/サトノダイヤモンド役・立花日菜/キタサンブラック役・矢野妃菜喜/ネオユニヴァース役・白石晴香/タップダンスシチー役・篠田みなみに加え、ゲスト出走者としてナンバリングイベント初登場となるシリウスシンボリ役・ファイルーズあいがステージに登場。
その門は尊く、偉大で、誰もが手にしたいと望んだ場所
その高い壁に何度も、何度も、何度も、届かないと打ちのめされてきた
だが、諦めない限りその道は続く
歩み続けるから、共に歩む者がいるから、未来を切り開くことができる
夢をえるのは、勝ちたいと願い続けた者だ
さあ、夢をみよう
DAY1は挑戦を迎え撃つモンジューの視点でのプロローグ演出だったが、DAY2は凱旋門へと挑むウマ娘達の決意のモノローグで始まる挑戦者視点の演出に。それを示すように花道での移動の際には、実況役・明坂聡美による応援実況が加わった。
(c)Cygames, Inc.
運命に立ち向かい、それぞれが勝利の一歩を踏み出します
茨の道をも越えて、目指す場所は遙か高き頂
トレーナーさん! 共に歩む彼女達にエールを送りましょう!
その言葉を受けて大きな声援が巻き起こる中、DAY1にも負けない力強さと共に凱旋門へ挑むウマ娘達のパワーがあふれ出すステージが繰り広げられた。
さらにこの後は、頂を目指して凱旋門に挑んだシリウスシンボリとナカヤマフェスタのソロナンバーステージが連続してスタート。
(c)Cygames, Inc.
シリウスシンボリそのものが現実に現れたようなビジュアルと佇まいで、ステージに現れた瞬間からファンの心を奪ったファイルーズあいは、シリウスの勝利への執着と荒ぶる魂の叫びが詰まったナンバー「GALACTICPLAYER」をパワフルなパフォーマンスで熱唱。縛るもの全てを壊し、自分で決めた進む道の先で一等星の輝きを放つというシリウスの覚悟を見事に表現して大歓声を引き出してみせた。
(c)Cygames, Inc.
続くナカヤマフェスタ役・下地紫野の「Youknowme」は、トレーナーの期待に報いるためにヒリついた熱い勝負のスリルに身を焦がす彼女の生き様を、特にクールに時に熱いロックのメロディに乗せて唄い上げていく。リズミカルなラップや、身体の奥から絞り出すようなロングシャウトなど、勝負にかけるナカヤマフェスタの熱量で聞いている側も身を焦がしそうになるステージとなった。
■DAY1ではツインターボが夢見たトウカイテイオーとの勝負が実現!?
前回の「-WISH-」では舞台「ウマ娘プリティーダービー」~Sprinters' Story~の再演やアニメ『ウマ娘 プリティーダービー ROAD TO THE TOP』の世界再現など、公演ごとに特別な演出のスペシャルコーナーが設けられている5thEVENT。今回のDAY1ではTVアニメ第2期・第10話…トウカイテイオーとの勝負を夢見るツインターボが、走ることを諦めようとしているテイオーに自分のレースを見せようと、チーム<カノープス>の仲間と共にがんばるというシリーズ屈指の名エピソードの再現だ。
スクリーンには「トウカイテイオー ミニライブ」のロゴが映し出され、ステージに現れたのは硬い表情のトウカイテイオー役・Machico。これから始まることを察した場内からは満場のテイオーコールが! そしてテイオーが引退を口にしようとした瞬間、ステージをジャックしたチーム<カノープス>のマチカネタンホイザとナイスネイチャが登場し、ツインターボの走りを見てあげてほしいと頼む。
(c)Cygames, Inc.
そして始まった実況と共に現れたのは、広いアリーナ通路を全力で走ってくるツインターボ役・花井美春/イクノディクタス役・田澤茉純/ライスシャワー役・石見舞菜香の三人。大逃げでゴールに飛び込もうとするツインターボを二人が追う、TVアニメで描かれたオールカマーの再現だ。総立ちとなった場内のファンからの声援を受けてゴールへ飛び込み、テイオーに自分も憧れているだけじゃない、肩を並べるライバルなんだと気持ちをぶつけていく。そして、それに応える様に笑顔を取り戻したテイオーが唄うのは、TVアニメ第2期・第10話のエンディングテーマ「願いのカタチ」だ。
物語とシンクロするように、自分を信じてくれる人達の願いを力に走り出すことを唄い上げるテイオー。そこにツインターボとかつてテイオーによって走る気力を取り戻したライスシャワーの二人も加わり、曲の後半は三人によるデュエットというTVアニメ第2期を見ていたファンには嬉しいステージとなった。
続いてマチカネタンホイザ役・遠野ひかるの「TAILWIND」、イクノディクタス役・田澤茉純の「ExcellentCondition」、ツインターボ役・花井美春の「▷▷▷▶ぶっとび かっとび 全開エンジン!」とチーム<カノープス>のソロナンバーが続くと、スクリーンにはバックステージで歌い終えた花井を出迎えるMachicoの姿が映し出される。
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互いにエールを送り合い二人は通路の奥へ……そしてスクリーンではトウカイテイオーのウイニングライブを客席から見つめるツインターボの姿を映した新作ムービーがスタート。いつか勝負したいという憧れで見つめたテイオーの姿はターボの瞳から消えて服装も制服から勝負服へ。そして前を進むテイオーと肩を並べて、ツインターボはついに夢だったテイオーとのウイニングライブのステージへ…!
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ムービーがホワイトアウトすると、スクリーンの光がステージ上のトウカイテイオー役・Machicoとツインターボ役・花井美春のシルエットを浮かび上がらせ、二人のデュエットで「ユメヲカケル!」がスタート! テイオーがターボの名前を言い間違うお約束のやりとりを合図に、チーム<カノープス>の面々とライスシャワー&ミホノブルボンも加わり、アニメでテイオーやターボと深く関わったメンバーが勢ぞろいしてハーモニーを重ねる。そして後半では「仲間でライバル」の部分をあえて唄わずにテイオーとターボが拳を突き出しあい、ターボの「変えられるのさディステニー限界だって越えてみせる」にテイオーが「約束したねあの日かけがえのない勝負を」で応える…このステージがまさにターボの夢だったテイオーとの勝負を終えてのウイニングライブなのだ。クライマックスではTVアニメ第2期10話を中心にチーム<カノープス>とライスシャワー&ミホノブルボンの名場面、そして有馬記念でのトウカイテイオー奇跡の復活をバックに熱唱し、ツインターボとファンが夢見た時間は大団円で締めくくられた。
■会場が巨大なクラブに! あの「ぱか☆アゲ↑MIX」が帰ってきた!
2022年11月の4thEVENT追加公演でベルーナドームを巨大クラブに変貌させた「ぱか☆アゲ↑MIX」が5th EVENT 第2公演 DAY2でまさかの復活! DJはもちろんダイタクヘリオス役・山根綺&メジロパーマー役・のぐちゆりの「ズッ友」コンビだ。
オープニングは二人に加えてキタサンブラック役・矢野妃菜喜/タップダンスシチー役・篠田みなみ/マチカネタンホイザ役・遠野ひかるによる切れ味鋭いダンスセッションが繰り広げられ、場内の空気をガンガンにアゲていき、続いて二人のハイテンションなMCと共に今回も初公開のDJミックスの数々が披露された。
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オグリキャップ・スマートファルコン・ハルウララのダートウマ娘トリオによる「UNLIMITEDIMPACT」から始まり、トウカイテイオーの「恋はダービー☆」ではゴールドシップ&ゴールドシチーのWゴルシなユニット「G’ z」が乱入しての即興DJバトルが勃発! そしてラストはスマートファルコン・ダイタクヘリオス・メジロパーマー・ツインターボ・キタサンブラック・タップダンスシチーら本日出走の逃げウマ娘による「逃げ切りっ!Fallin' Love」で、場内が一体になっての「逃げ切り! 逃げ切れ!」のコール&レスポンスも爆発。そして最後は後日「ぱかチューブっ!」でフル尺公開される「ぱか☆アゲ↑MIX」VOL.2のラインナップ&新作MIX紹介で最高にアゲな時間はフィナーレとなった。
■勇壮な和太鼓と共にウマ娘達の祭りが始まる!
今回の5th EVENTでファンが一番気になっていたのが、ゲームアプリ2.5周年記念ソング「トレセン音頭」はどうなるのかだったはず。「うまぴょい伝説」にも匹敵するような個性とハイテンションさに加え、ゲーム内のライブモードでも個性的な演出てんこ盛りなこの曲が、リアルのライブではいったいどうなってしまうのか?
そんなファンの期待や不安をまず吹き飛ばしたのは、『ウマ娘 プリティーダービー』の最新CMにも出演したJRAジョッキー・武豊&クリストフルメールからのメッセージビデオ。走りを表現した見事なタップダンスの披露から、どこからともなく聞こえてきた祭り囃子に合わせてハッピ姿に変身した二人からのお祭り宣言(DAY2では最初からハッピ姿で登場して、ルメール騎手が持ちネタの「楽しメール」でコールを合わせるというものに)。それを受けて突然始まったのは、何と勇壮な和太鼓ライブ!
(c)Cygames, Inc.

「ウマ娘和太鼓衆」と命名された男性達の力強いかけ声と和太鼓の響きが醸し出す祭りの空気に、場内のファンもどんどんとテンションが上がっていく。そうして始まったライブ版「トレセン音頭」は、何とウマ娘もゴンドラの乗せられた和太鼓を叩きながら挑む「どんどこみっくす」! 祭りの山車と化したゴンドラに乗るウマ娘は太鼓を叩き紙吹雪をまきながら場内を練り歩き、ステージ上のウマ娘は巨大な団扇や纏を振りかざしながら、和太鼓衆の奏でる和のビートに乗せて、早くもファンの間でも定着した「んまんまんまんま!」「酸素もってこーい!」「どどどどうすんの? どーすんの?」を繰り出して、場内を祭りの熱狂に染め上げていった。
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場内のファンも踊るようにコンサートライトを振り上げながら祭りのノリに酔いしれ、数回近いリピートからの和太鼓衆の締めの演奏とワッショイ!コールで一段落…と思いきや、まだまだ一緒に踊ろうと言わんばかりに始まったのは、不朽の名曲カバーを和太鼓衆の演奏に乗せておくる「走れウマ娘(どんどこみっくす)」、90年代ユーロビートのノリ全開の「Dance2EndlessBeat」!
さらにDAY1ではちょっぴりセクシーでかわいいダンスナンバー「GazeonMe!」、DAY2ではゴールドシチー・トーセンジョーダン・ダイタクヘリオス・メジロパーマーらギャルウマ娘によるライブ初披露ナンバー「GSK☆」とダンスナンバー三連発! 両日共にクライマックスへ向けて最高にテンションの上がるダンスタイムとなった。
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■声出しOKだからこそ生まれた奇跡のステージ
両日通して唄われた印象深いナンバーの一つが、クラシック戦線を勝利したウマ娘だけが唄えるウイニングライブナンバー「winningthesoul」だ。
勝利によって新たな道を切り開く誓いの歌を、DAY1ではスペシャルウィーク&キングヘイロー/トウカイテイオー&ナイスネイチャ/ミホノブルボン&ライスシャワーと、クラシックを競ったライバルウマ娘3組が熱唱。
そしてDAY2では皐月賞・日本ダービーを制したトウカイテイオーとネオユニヴァース、皐月賞・菊花賞を制したゴールドシップらクラシック2冠ウマ娘の三人による歌唱となったのだが、トウカイテイオー役・Machicoのマイクだけが本番で故障するというトラブルが! それでもファンに声を届けようと歌い続けるMachicoの姿に、場内の全てのファンが誰に言われるまでもなく彼女のパートを共に唄ってサポートして、無事にステージを終えるという声出しOKだったからこその奇跡のような光景が生まれたのだ。
そんなファンの気持ちに応えるべく、この日のアンコールでは出走者からのたっての願いとファンからのOKの声で「winningthesoul」が再演。今度はトラブル無く完走し、Machicoのボーカルには大声援が巻き起こった。そして曲の後にはセンターステージで唄っていたネオユニヴァース役・白石晴香の下にMachicoと上田瞳がファンにお礼を言いつつメインステージからウイニングランのごとく駆け寄り、抱き合って彼女をねぎらう姿に大きな声援と拍手が巻き起こった。
■二日間を通して次の世代へと繋がっていくグランドフィナーレ
声出しOKならではのコール&レスポンスコーナーでは、DAY2にシリウスシンボリ役・ファイルーズあいがゲームのシリウスそのままにファンを子犬(パピー)達と呼んでファン全員が「ワン!」と応えたり、TVアニメ第1期終了後から自称・宣伝担当としてゴールドシップががんばってきたYouTubeチャンネル「ぱかチューブっ!」が登録者数100万人を突破して金の盾を授与されたりと、曲の合間にも楽しい盛り上がりを見せた5thEVENTもいよいよフィナーレへ。
前回の「-WISH-」同様に公演テーマに込められた想いを出走者達が語りかけていくセレモニーを経て、未来へと進んでいくウマ娘達の想いを歌った「GoThisWay」をトウカイテイオー&ナイスネイチャ、キタサンブラック&サトノダイヤモンド、そこにDAY1ではスペシャルウィーク&エルコンドルパサーにウオッカ&ダイワスカーレット、DAY2ではゴールドシップ&トーセンジョーダン、グラスワンダー&エルコンドルパサーが加わって、同世代のライバル同士が互いに想いを伝えるように唄い上げた。
DAY1ではグラスワンダーのソロ曲を挟んで、ファンと共にさらなる未来へと進むウマ娘からの感謝を歌った「WeareDREAMERS!!」と、TVアニメ第1期やゲームのメインストーリー最終章でシノギを削った黄金世代のスペシャルウィーク/グラスワンダー/エルコンドルパサー/キングヘイローによるTVアニメ第1期主題歌「Makedebut!」がこのライブ用のBeyondTheDreamsVer.で披露され、彼女達の物語の総決算のような情感のこもったライブが繰り広げられた。
(c)Cygames, Inc.

そしてDAY2ではTVアニメ第1期の実質的な最終回・12話のエンディングテーマ「FindMyOnlyWay」をオグリキャップ/グラスワンダー/エルコンドルパサ-/マチカネタンホイザ/イクノディクタス/ツインターボが、続いてTVアニメ第2期主題歌「ユメヲカケル!」のシンフォニックバージョンをトウカイテイオー/ナイスネイチャ/マチカネタンホイザ/イクノディクタス/ツインターボ/メジロパーマー/ダイタクヘリオスらTVアニメ第2期の中心となったウマ娘達によって静かだが力強く唄い上げられ、聴き入っていたファンから大きな拍手が巻き起こった。
(c)Cygames, Inc.

そしてそんな先輩たちの想いを受け継いでステージに立ったのは、10月放映スタートのTVアニメ第3期の主役を務めるキタサンブラック役・矢野妃菜喜とサトノダイヤモンド役・立花日菜だ。
ダイヤちゃんはじめよう、私達の精一杯のステージを
うん、ここに連れてきてくれたみんなに感謝を伝えたい…それにキタちゃんにも
私も! いつも隣に居てくれたダイヤちゃんに
だからきっとこの先も二人なら
二人なら…ずっとずっと一緒に居よう、約束!
TVアニメ第2期での幼い頃の二人の映像をバックに、二日間に渡る「-GAZE-」のトリを務め、さらなる未来へ向かう決意を語り合う二人。そして会場と配信で声援を送ってきたファンに向き合い、
トレーナーさん、行こう! 新しい景色へ!
そんなかけ声と共に始まったのは、二人のテーマソング「AmbitiousWorld」だ。BeyondThePromiseVer.と名付けられた初披露のアレンジバージョンを、新たな世界へと共に挑んでいくキタサンブラックとサトノダイヤモンドの昂ぶる気持ちを表すように、勢いのあるパフォーマンスで二人は唄い上げていった。
トレーナーさん! 私達の夢の行き先を一緒に見届けてください!私達ずっとずっと輝き続けます!
『ウマ娘 プリティーダービー』の物語は、いよいよ次の世代が中心となってさらなる広がりを見せていく…そんなメッセージを感じさせる二日間のシメに相応しいステージとなった。
■アンコールでまさかの新曲サプライズ!
二日間を通してグランドフィナーレを飾ったのは、夢を目指して止まることなく走り続けるウマ娘達の気持ちをさわやかに唄い上げた、出走者全員による「笑顔の宝物 -BeyondTheFuture!-」。お祭りとドラマ、そして新たな世界への期待の詰まった5thEVENT第2公演のラストにはぴったりのナンバーで熱いステージの幕は下りた…が、即座に会場内はアンコールの声援で包まれた。広い会場のためにいささかバラけたアンコールになったが、逆にそれがファンの熱量の証のようにも聞こえる。
そして実況役・明坂聡美とゲストによるアンコールのお礼と『ウマ娘』最新情報を経て、いよいよアンコールステージがスタート。グリーンのライティングとコンサートライトの光に場内が染まる中、実況と共に出走ウマ娘がステージに登場し、公演を振り返るやりとりをして場内を沸かせていく。そして始まったアンコール1曲目は、何とここで初公開という新曲「ComebackStoryV」だ。
ラップなどを交えたロックのビートと共に、ウマ娘たちが見つめるまなざし(GAZE)の先へとファンのみんなを連れて行くという、まさにこの公演のために作られたような新曲に、場内のテンションも再び熱を帯びていった。

(c)Cygames, Inc.
そして最後の挨拶では初の関東以外の公演が盛り上がったことの嬉しさが出走者から語られ、最後のシメを飾るのはもちろん「うまぴょい伝説」だ。しかも今回はお祭りパートを盛り上げた和太鼓衆も参加しての「どんどこみっくす」という、名古屋のファンには嬉しいサプライズだ。勢いある太鼓のビートに後押しされてファンも残った力を出し切るように「俺の愛バが!」コールを決めて出走者達と共に盛り上がり、「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -GAZE- 」は最高のエンディングで幕を閉じた。
届けたい想いがある
零れた涙を輝きに変えてくれた
いつだって背中を押してくれた、そんなキミに
そして「YELL」へ
輝きが今日と明日を繋いでいく
そして最後にファンに贈られたのは、来年2月に東京で開催される第3公演「YELL」へと繋がるメッセージ。その言葉からどんなパフォーマンスが紡がれていくのだろうか?
DAY2出演者 (c)Cygames, Inc.

取材・文:斉藤直樹

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