イ・スンユン

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【イ・スンユン インタビュー】
自分の音楽の世界に
ファンの方を巻き込みたい

韓国のシンガーソングライター、イ・スンユンが10月26日に日本での初コンサートをZepp Haneda(TOKYO)で開催する。2013年にデビュー後、ソロはもちろん、バンドでも音楽活動を繰り広げてきた彼は、2020年にオーディション番組『シングアゲイン』で優勝を掴み、そして独自の多様なロックミュージックで韓国のロックシーンを牽引しようと奮闘している。そんな彼の音楽のルーツ、そしてリスナーに届けたい想いとは?

僕が自分の音楽を貫けるのは、
ファンのみなさんがいるから

イ・スンユン

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まず初めにご自身の音楽の原点を教えてください。

幼い頃からOasis好きの兄の影響でイギリスのバンドミュージックをよく聴いていたんです。とてもカッコ良いなと憧れを感じて、“自分もいつかはそういうバンド音楽をやってみたい”とずっと思っていました。よく聴いていたのは、OasisやU2、Coldplay 、Blurとかですね。1990年代から2000年中盤にかけてのイギリスのバンドが大好きなんです。もともと僕は人と違うことをやりたいとずっと思っていたので、当時流行っていた音楽よりも兄が好きだった音楽を聴いていました。ギターも兄が弾く姿を見てカッコ良いと思って、13歳から弾き始めたんです。兄のギターを勝手に弾いていましたね(笑)。

音楽活動を始められたきっかけは?

最初は兄と一緒にバンドを組むのが夢だったんです。努力したんですけど、兄が兵役に行って、帰ってきてから音楽活動を止めてしまったので、僕は裏切られました(笑)。それで、自分だけで音楽を続けることにして。もともと僕はバンドでギターを弾いてコーラスをするぐらいの立ち位置でやっていこうと思っていたんです。でも、17歳くらいから自分で曲を書き始めた時にその曲を歌ってくれるヴォーカルがいなくて。その結果、やむを得ず自分で歌うことになりました(笑)。

お兄様の影響がご自身の音楽性の土台になっているんですね。

そうですね。僕の音楽の根幹となったのは10代の頃に聴いていたブリティッシュロック/ポップ。僕が兵役から戻ってきてからはイギリス以外のさまざまな国の音楽にも接するようになったので、それも自分が作る音楽にも新たな“枝”ができてきたのだと思います。

スンユンさんの音楽はメロディーの美しさや、ダイナミズムを感じさせるものからアンビエントなサウンドまで、言葉の壁を越えて多くの音楽ファンの琴線に触れるような、ロックミュージックの醍醐味や多彩さを感じさせてくれますね。ご自身の音楽を貫くためにどんな想いを持たれていますか?

僕自身、韓国のロックミュージックを引っ張っていきたいという想いがあります。こうした音楽を広げることが僕の使命だと思っているんです。だけど、僕が自分の音楽を貫けるのは、ファンのみなさんがいらっしゃるからこそ。今こうしてステージに立つことができるのが、本当に嬉しいですね。
イ・スンユン

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音楽活動を続ける中で、ターニングポイントになったことは?

最初は17歳の時に曲を書いたことですね。2回目は兵役に行った時。それまで僕はあまりテレビを観ていなかったのですが、その頃にテレビを観るようになったんです。当時は少女時代とかアイドルが流行っていたんですけど、そうしたパフォーマンスを観て“華やかだな”と思った時に目がパッと覚めたような感覚になったんですよね。そして、3回目は26歳の時。もう音楽活動を止めよう、夢を諦めようと思った時期でした。でも、それから2年後の28歳の時に、“もう一度音楽に全てを懸けてやってみよう”と頑張る覚悟を決めたんです。そして、2020年にオーディション番組『シングアゲイン』に出場して、そこでようやく認められて。最大限のパフォーマンスを発揮できたことが、僕にとってすごく大きなものとなりました。

2013年にデビューされて、これまで諦めそうになりながらも地道に音楽活動を続ける中で、オーディションに挑戦することはものすごく勇気がいることだと思うのですが。

そうですね。僕は競争することがあまり好きではなく、難しいと感じていたので、オーディション番組自体はあまり観てこなかったんです。だから、僕にとってオーディション番組に出るということは、もう本当に最後の最後の挑戦でした。28歳まで音楽を続けていると、周囲の人たちとのずれを感じたり、どこか借りを作っているような気持ちにもなったりもして…複雑な想いを抱えていました。そうした中で、“今、ベストを尽くさないまま音楽活動を終えてしまったら、努力できなかったことに対して悔いが残る”と思ったんです。過去を振り返って“僕はこういう音楽をやったんだ”と、ちっぽけなことを大袈裟に言うような人にはなりたくなかった。とにかく自分に対して真っ直ぐにちゃんと向き合うためにも、“ベストを尽くそう”“番組に出よう”と思ったんです。
イ・スンユン

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そして、『シングアゲイン』で見事優勝され、2021年に1stフルアルバム『廃墟になっても』、今年1月に2ndフルアルバム『夢の居場所』をリリースされました。改めてご自身が目指すロックミュージックが具現化された、聴き応え十分の作品になりましたね。

オーディション番組ではカバー曲も歌ったりしていましたし、番組出演後のコンサートでもファンの方が聴きたい曲が限られているように感じました。そうした中でリリースする1stアルバムは、求められているキャラクターではなく、僕本来のキャラクターを見せていかなければいけないと思って。1stフルアルバムを作るにあたっては、僕自身の音楽性を打ち出していこうと思いましたね。なので、この10数年間これまで書き貯めてきた大事な楽曲たちを入れました。今年リリースした2ndフルアルバムはサウンドの質をさらに高めて、クオリティーを究極に上げていくことを意識しながら作っていきましたね。今まで作った楽曲の中でも特に愛着のある、尖っているコアな曲を選んで、“これがアーティスト、イ・スンユンなんだ”と自信を持って言える作品を完成させました。
イ・スンユン
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OKMusic編集部

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