【Various Artist スタジオジブリ
トリビュートアルバム
『ジブリをうたう』 リコメンド】
名曲が輝く
トリビュートアルバムが到着！
音楽で感じるスタジオジブリの世界

　幅広い年齢層に愛されていて、たくさんの人々の思い出に刻まれているスタジオジブリのアニメーション。『風の谷のナウシカ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』『魔女の宅急便』など、さまざまな作品が日本国内はもちろん、世界中で深く愛されていることは今さら改めて説明するまでもないだろう。そして、観たことがある大好きな作品を思い浮かべた時、人々の胸の内に蘇るのは印象的なシーンや台詞だけでなく、映像を彩った音楽の数々も含まれるのではないだろうか。スタジオジブリ音楽のトリビュートアルバム『ジブリをうたう』には、ジブリのアニメーション作品を語る際に欠かすことができない曲ばかりが収録されている。プロデューサーを務めたのは、長編アニメーション映画『コクリコ坂から』と『アーヤと魔女』の音楽を手がけた武部聡志。ジブリ作品の映像に対して音楽が果たす多大な役割を担った当事者として、このトリビュートアルバムの制作に懸ける想いには並々ならぬものがあったようだ。企画した経緯に関して“誰もが一度は耳にしたことのある、そして映画のシーンを思い浮かべることの出来る珠玉のナンバーを、今日本の音楽シーンで輝いているアーティストたちがそれぞれの解釈でカバーする、そんな贅沢なアルバムを作りたかった”と語っているが、その願いをまさしく具現化したアルバムとなった。

　収録曲のリストをご覧いただければ分かるとおり、参加しているアーティストはかなり幅広い。“このアーティストがあの曲を歌ったらどういう感じになるんだろう？”と、実際に聴く前から期待が高まらずにはいられない。選ばれている曲は誰もが認めるはずの名曲ばかりであり、各アニメーションのファンの思い入れも非常に強いがゆえに、“どのようにアプローチするのが正解なのだろうか？”というのが大きな課題であり続けたことは、容易に想像がつく。“いざ作業に取りかかり、今迄の作品を聴き直して改めてその完成度の高さに驚いた。このアルバムはオリジナルを超えようとして作ってもダメだなと思い直し、ジブリ愛にあふれるアーティストたちによるジブリの創り出してきた世界への敬意と感謝の詰まったアルバムになればいい、と心から思っている”と、武部は制作の過程で抱いた想いについて振り返る。トリビュートアルバムだからといって目新しいものに仕上げることに固執せず、肩の力を適度に抜いた素直な気持ちで表現しているのが、本作の特色だと言えるだろう。