髙木雄也と清水くるみが二人芝居で一
人5役に挑戦 山本卓卓(作)×杉原
邦生(演出)『東京輪舞』の上演が決

2024年3月、東京・PARCO 劇場にて、PARCO PRODUCE 2024 『東京輪舞』の上演が決定した。
オーストリアの劇作家アルトゥル・シュニッツラーが1900年に発行し、当時のウィーン社会にセンセーションを巻き起こした問題作『輪舞』(LaRonde)。19世紀末の世相を背景に、男女の情事前後の会話をリレー形式で描写した本作品は、当時の性道徳や階級理念に反していたために、上演を巡っては法廷論争まで引き起こした。しかし、人間の普遍的な関係性と欲望を描いた本作品は、時代が変わっても支持され続け、1950年、64年、73年と三度映画化され、93 年にはオペラ化もされている。
映画『ダメージ』(1992)、『めぐり合う時間たち』(2002)でも著名な英国の巨匠、デヴィッド・ヘアーは、本作品を20 世紀末の英国に移して翻案。『ブルールーム』というタイトルで、ロンドンとブロードウェイで1998 年から1999 年にかけて上演され、サム・メンデスが演出、ニコール・キッドマンとイアン・グレンが女性男性5 人ずつを演じ、世界的な話題に。日本でも、2001年のT.P.T. 公演などで上演されている。
本公演では、この普遍的な問題作『輪舞』(La Ronde)を 「現在」「東京」に翻案し上演する。台本は、注目の劇団、「範宙遊泳」を主宰し、22年に『バナナの花は食べられる』で第66 回岸田國士戯曲賞を受賞した山本卓卓。演出は、 プロデュース公演カンパニーKUNIO を主宰し、演出家・舞台美術家として活躍する杉原邦生。KUNIO による『更地』 『グリークス』などの上演に留まらず、木ノ下歌舞伎をはじめとするさまざまなプロデュース公演で高い成果をあげてきた杉原が、『藪原検校』以来3年ぶりにPARCO 劇場に帰ってくる。
出演は髙木雄也と清水くるみ。それぞれ5人の“男”と“女”、計10人の登場人物を演じ分け、10の情事の風景をリレー形式で描いていく。Hey! Say! JUMPのメンバーとして活躍を続ける髙木雄也は、『薔薇と白鳥』(18)『クイーン・エリザベス 輝ける王冠と秘められし愛 』(19)『ブロードウェイと銃弾』(21)『星降る夜に出かけよう』(23)など舞台でもその力量と輝きを発揮。パルコ・プロデュース作品としては、好演した『裏切りの街』(22)に続く登場となる。清水くるみは、ミュージカル『ロミオ ジュリエット』(13)での 鮮烈な舞台デビューを経て、現在に至るまで舞台・映像作品に立て続けに出演。PARCO 劇場公演は『海王星』(21)『月とシネマ2023』(23)に続く出演となり、直近は『親友は悪女』で連続ドラマ初主演、『ブギウギ』で朝ドラ初登場も果たしている。
山本卓卓
山本卓卓(撮影:雨宮透貴)
キックオフミーティングの時に、杉原さんやパルコスタッフのみなさんに「私は私の言葉と物語に責任を持ってこの戯曲を 書く」と宣言してしまったので、私は私の言葉と物語に責任を持って「東京輪舞」を書いています。つまりそれはシュニッツラーや杉原さんに責任を押し付けるようなことは絶対にしないということなのですがそれってめちゃくちゃキツくて苦しいっす。でも山本卓卓いいもの書きます。楽しみにしていてください。
杉原邦生
杉原邦生(撮影:細野晋司)
新作『東京輪舞』は、「シュニッツラーの問題作を〈現在の東京〉で上演する」という、野心に満ち満ちた企画です。ならば、 作家は山本卓卓くんにお願いしたいと思いました。知り合ってすでに10 年以上になりますが、卓卓くんが択ぶ日本語のセンス、その組み合わせによって生まれる独特のリズム、テキストから漂う息が詰まるような現代日本の空気感、そして人と人との交わりに冷静に寄り添う作家としての知性、それらがこの作品には必要だと思ったからです。
二人の俳優が5役ずつを演じ分け、10 組のカップルによる情事の前と後、そのダイアローグを舞い踊るように繋いでいく――そんな挑戦的な作品に髙木雄也さん、清水くるみさんが共に挑んでくれることになりました。お二人とも舞台での存在感の強さは言うまでもなく、ご自身の表現に貪欲な姿勢を感じられるので、稽古場でのクリエーションがとても楽しみです。
着々と準備を進めているいまもまだ、ドキドキしています。このドキドキはきっと、客席のお客様のドキドキへとつづいていくはずです。その鼓動をぜひ劇場で体感してください!
髙木雄也
今回パルコさんからお話をいただき、『東京輪舞』に出演させていただきます。
この作品は1 人で5 役を演じることになりますし、役の幅も広いので、今の自分にできるのかと悩み、お受けするまで少し時間がかかりました。でも自分が諦めて誰かがこの作品に出演し、それを見て後悔するぐらいなら、自分自身が努力して自分の幅を広げれば良いと思い挑戦しようと決めました!
演出の杉原邦生さん、そして清水くるみさんと時間をかけながら、1つ1つの役をしっかり作っていけたら良いなと思います!
みなさん僕の挑戦を是非劇場に見に来てください!
清水くるみ
いつか挑戦してみたいと思っていた2人芝居ですが、こんなにも早く機会をいただけるとは思っていなかったので、正直 驚きました。しかも1人5役ということでかなりハードですが、小悪魔少女から、今まで演じたことのない挑発的な女性まで、 これまでの経験を活かしつつ、チャレンジすべき課題が非常にたくさんあることにワクワクしています!髙木さんとは初めましてなのですが、どんなキャッチボールになるのか全然想像できないので、稽古が本当に楽しみです。ご一緒したかった演出の杉原さん、脚本の山本さん、もう既に出来上がっている前半の脚本がおもしろいのでプレッシャーですが、きっときっと おもしろい作品になる!してみせる!ので、是非是非、観にきてほしいです

SPICE

SPICE(スパイス)は、音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、映画、アートのニュースやレポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着