冬の野音の寒さを消し飛ばした長崎か
らの熱い風の初ライブ!「風神RIZIN
G! LIVE 2023 - FLY HIGH FIVE!!!
-」レポート

2023.12.16「風神RIZING! LIVE 2023 -FLY HIGH FIVE!!!-」@日比谷公園大音楽堂
個性豊かなボーイズバンド達のライブとドラマが繰り広げられるメディアミックスプロジェクト『from ARGONAVIS』。その中に登場する長崎出身のスカバンド・風神RIZING!がついに念願の単独ライブを実現!日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)で繰り広げられた、冬の夜の寒さを吹き飛ばすように熱く楽しく盛り上がったライブの様子をレポートしよう。

■メンバー5人の友情と思いが熱いビートで紡がれる!
冷え込みの厳しい冬の最中ながら、天気も良く気温も高めという野外ライブには最適のコンディションに恵まれた日比谷公園大音楽堂に、待望の初ライブで盛り上がろうと多くの風神RIZING!ファンが集結。陽が落ちて周囲が暗がりに包まれ、色とりどりのコンサートライトの輝きが場内を彩る中で、長崎の海を思わせる波の音と海鳥の鳴き声が静かに響き渡る。そしてステージに灯りがともり、インストとともに登場してポジションに着くメンバーに大きな歓声が起こる。そしてボーカルの中島ヨシキ演じる神ノ島風太がセンターのお立ち台に上がって天を指さすと同時にライブの幕は上がった。
Photographer:西槇太一 
「OK! まずはウォーミングアップばい! 飛べるか!? 野音ーっ!」
風太のゲキとともに始まったオープニングナンバーは、「フウライ全力ジャンプ」。ラップのようなハイスピードで紡がれる長崎弁を交えた元気なリリックとスピーディーなスカのメロディに、ファンもタイトルそのままにジャンプしながらの縦ノリでステージ上のパフォーマンスに応えていく。
Photographer:西槇太一 
続けて「いけるか野音ーっ!」のゲキとステージ前に火花が吹き上がる中で、「ランガンラン」がスタート。ステージから身を乗り出すような勢いで、ファンに語りかけるように力強く唄う風太に、場内もヒートアップしていった。
酒井広大演じる若草あおいの挨拶から始まった最初のMCタイムでは、ソロパフォーマンスを交えたメンバー紹介と「みんなー盛り上がっとるかー!? こがん景色見ることができて本当に嬉しかー! みんなの声も最高たいねー! 今日はよろしくなー!」という風太の長崎弁での感謝の言葉に大きな声援が沸き上がる。そしてあおいの「今日は寒さを吹き飛ばすぐらい全力で騒いで叫んで笑って飛びましょう!」という言葉とともに再びライブがスタート。
センターのお立ち台に立ったベースの早坂絋平(サポートメンバー・目黒郁也)の力強いソロ演奏とともに始まったのは、絋平の漢気あふれるアニキっぷりを唄った「夢見るBoy守るため」。骨太なベースの音が暴れ回るパワフルなナンバーに、歌に合わせたファンのコールも重なり、場内が一体になって盛り上がる。そしてラストはお立ち台に風太と並びながらの絋平のベースソロで締めくくり、二人で肩を抱き合いながら降りる姿に歓声が上がった。
すぐさま始まった次の曲は、いかつい見た目に反して真面目なドラム・五島 岬のせつない恋心を唄った「フラれた男のラブレター」。力強いメロディに乗せて紡がれるメロウなリリックにファンもコンサートライトを振りながらも聴き入り、ラストは岬(サポートメンバー・RYOTA)の激しいドラムソロでのシメに場内も盛り上がる。
続いては風太とあおいのダブルボーカルで、風神RIZING!らしい本音でぶつかる友情を唄った「ダチフレンド」。歌い出しではあおいが拗ねたように座り込むパフォーマンスなども交えながら、デュエットでメンバー5人の友情を唄い上げ、最後はファンと一体になって大きく手を振るパフォーマンスからのグータッチで、ファンに風太とあおいの絆を感じさせて暖かに締めくくった。
「まだまだ声だせるかーい?」という風太のかけ声とともに始まった次の曲は、故郷から旅立つ気持ちを元気にセンチに唄い上げる「上京上等行ってきまーす☆」。歌い出しから風太とファンが声を合わせて共に唄い、ほぼ全編で息の合ったコール&レスポンスの声を上げる。風太も唄いながら聞き耳を立てるポーズや、客席にマイクを向けてファンの歌声を受け止め、みんなで夢を掴もうという気持ちがあふれるステージとなった。
■メンバーの内面に迫るソロナンバーに新曲サプライズも!
「上京上等行ってきまーす☆」が終わると、ステージの照明がいったん落とされ、静かなイントロが流れる中で次のナンバーに向けてのセッティングが始まった。そしてステージのセンターには、客席のファン達を見渡すように立つ風太の姿が。そして始まったのがメンバーそれぞれの内面を唄い上げたソロナンバーパートだ。
その皮切りとなったのは「longing」。ラップ風のリリックと共に切々と唄い上げるバラードを風太は情感たっぷりに熱唱。歌い終えた後の野音に静かに聴き入っていたファンからの大きな拍手が鳴り響いた。
再びステージが暗闇に包まれ、スクリーンにはインストに乗って風神RIZING!の映像が流れていく。そして映像のラストを飾ったのはギターの椿 大和……それとリンクするように、演奏と共にステージが照らし出されると、金子 誠演じる椿大和の姿が! そして曲はこのライブで初公開の新曲「Fragment」だ。不器用ながらも好きな物に対しては全力でぶつかっていく大和の思いをクールに熱唱。
そして次に登場したあおいも、初公開のソロナンバー「good friends, good luck」を披露。風神RIZING!を大事にしているあおいの気持ちを、柔らかく軽やかに唄い上げた。新曲二連発という思わぬサプライズに、ファンもこのパートでは終始沸き上がり続けていた。
三度ステージが暗転すると、スポットライトがスタンド前に立つ大和を照らし出し、彼が手にした表紙に「米」と書かれた台本に場内は笑いとどよめきに包まれた。
「あの日、俺は出会った…この出会いがなければ、今の俺は存在しないだろう」
「艶やかな白い肌、甘い香り、そばにいるだけで幸せになれる」
「どんな奴らにも合わせられるお前には、嫉妬のような感情もあった」
「だけど俺は生まれたての純白のようなお前が好きだ…パンじゃ無かった」
「無類の白米好き」な大和による謎のお米ポエム朗読からスタートしたのは、風神RIZING!のナンバーでもかなりユニークな一曲「NO RICE NO LIFE」。風太と大和のデュエットで、ひたすら白いご飯の魅力やお米トリビアを唄い上げ、ファンもサビの「好き好き好き大好きRice」などを声を合わせて唄って共に盛り上がった。
二度目のMCタイムに入り、あおいが冬の野外ライブとは思えない熱い盛り上がりとファンに感謝の言葉を送る。そして風太が「せっかくのワンマンライブやけん、大和にも話してもらったらよかばい」と言いだし、話しベタな大和のMCが始まった。
「今日は…野外ライブだな…雨が降らないといいな」
「じゃあそろそろ次の曲に」
大和らしい朴訥でローテンションなMCが繰り広げられ、もっと盛り上げるためにと「コール&レストラン(コール&レスポンス)」に。
「みんな…盛り上がっていけるか? まだ声を出せるか? ついてこれるか?」
「白米は好きか? 俺も好きだ」
相変わらずローテンションながらも、大和らしさあふれるパフォーマンスに場内は盛り上がる。そして「次に演奏するんは新曲ばーい! みんな自由に騒いでくれなー!」という風太のかけ声と共に、まさかの新曲サプライズ・三曲目の「フウライパーティーバイブ」がスタート。パワフル&緩急自在なノリのスカのメロディに乗せて、風神RIZING!ならではのみんなで一緒に盛り上がろうというお祭り感全開のナンバーに、初めて聴くファン達も思うがままにノリを合わせ、お立ち台の風太に合わせてのクラップも決めて盛り上がる。
Photographer:西槇太一 
「ここでゲストに来てもらったばい!」
そう叫んで風太が呼び込んだのは、彼の好物である長崎・岩崎本舗の角煮まんじゅうのゆるキャラ「角煮まんじゅうちゃん」! そして唄うナンバーは長崎愛をぎっちり詰め込んだ新曲「NAGASAKI讃歌」だ。角煮まんじゅうちゃんと共にセンターに陣取った風太が、畳み掛けるようなメロディに乗せて長崎ご当地グルメや名所の数々をトリビアを交えながら紹介し、さらに途中で突然音頭に変わってみんなで踊ったりと、長崎愛全開の楽しいステージが繰り広げられた。
間髪をいれずに激しいドラムソロから始まった演奏パフォーマンスに、場内のファンもリズムに合わせた熱いクラップを合わせて、いよいよライブもクライマックスに向けて盛り上がっていく。
そして風太が手に持ったツアータオルを回しながら「最後まで盛り上がっていくぞい!」のかけ声と、ファンからの「わっしょい!」コールと共に始まった次の曲は、メンバー5人の長崎での日常と未来へ進む前向きな気持ちを陽気に唄った「SunRize ~黄金の太陽~」。長崎弁やご当地ネタを散りばめながら、お祭り気分で先へと進もうとパワフルに唄い上げ、ファンと共に「わっしょい! わっしょい!」と声を重ね、サビでは一緒にツアータオルを振り回して盛り上がった。
Photographer:西槇太一 
スクリーンに映し出されたファミコンゲーム風のPVと共に始まった続くナンバー「SWORD!」では客席に巨大バルーンが投げ込まれ、ファンがゲームのようにそれを弾ませながらステージを盛り上げていった。
「みんな、やーっちゃ楽しかったなー!」
「俺達はここからもっと高く高く羽ばたいていくけん、みんなもついてきてくれよなー!」
風太からの長崎弁での感謝のメッセージに会場が沸き上がり、そして「伝えたいことは音楽に詰め込んだ…最後の曲いくばい!」のゲキと共に始まったラストナンバーは、この日デジタルシングルとして配信されたばかりの最新曲「FLYハイハイ」だ。大空を羽ばたく鳥のように未来へと向かって飛び立っていく気持ちを風太がパワフルに熱唱し、それに応える様にギターやベースも熱いソロパフォーマンスを交えて場内を熱気を上げていく。そしてラストは激しいドラムソロからの全員ジャンプを決めて、ライブは最後まで右肩上がりの盛り上がりで幕を閉じた。
まだまだ風神RIZING!の熱い風を感じたいファン達からのアンコールの声が野音の夜空に響く中、ライブスウェットに着替えたメンバーが再びステージに登場。
Photographer:西槇太一 
「アンコールありがとばーい!」
「風太達もまだまだ暴れ足りないみたいなので、もう少しお付き合いいただけますか!?」
アンコール開始のゲキに場内も盛り上がる。そして「誠も準備よか? 広大も準備よか? みんなも準備よか? 配信で見ているお前らも準備よか?」というコールにそれぞれが「よか!」とレスポンスを返し、それを合図にアンコール1曲目「G線上にY!?」がスタート。場内と一体になってのコール&レスポンスや、ギターのサポートメンバー・芝山と金子が共にお立ち台に立ってダブル大和によるギター&エアギターパフォーマンスを見せたりと、陽気に元気に場内の熱気を再びMAXに引き上げた。
アンコールMCでは大和役・金子が進行役になってのサポートメンバー値も含めた自己紹介からスタート。そしてライブの振り返りでは初出演となる金子の感想や初披露のソロナンバー、そして「NO RICE NO LIFE」前のお米ポエム朗読などの話題で盛り上がる。
そして新曲「NAGASAKI讃歌」とステージでの角煮まんじゅうちゃん登場には「これまでも岩崎本舗さんとコラボやってましたがいよいよズブズブ具合が(笑)」「これで長崎観光大使待ったなし」と盛り上がり、長崎凱旋ライブもぜひやりたいという話にはファンから「やってー!」という声援も飛んだ。
今回のセットリストの話題では、最初はもっと曲数が少なかったところを中島がファーストアルバムの曲を全部入れようとお願いして、結果的に盛りだくさんのライブになったことも明かされた。
最後の挨拶では「初めてのワンマンライブな上に野外なので天候が心配だったが、みなさんの台風のような声援と我々の熱量で楽しいライブを届けられたと思います。2ndライブもぜひやりたいです」(酒井)「こういう音楽ライブで唄うの人生初だったのですごく緊張していましたが、本当に皆さんが温かく迎え入れてくださったので、楽しくて幸せでした」(金子)と語り、いつの間にかポエム朗読で使った「米」台本がスピーカーに立てかけられているのを見て「米が立ってるじゃん!」(金子)「いい「米」ントだったね」(酒井)というダジャレの応酬に場内が沸く一幕も。
そしてサポートメンバーからのコメントの後で、最後を締める中島のコメントが。
「他のバンドがライブやってるのが羨ましかった。風太達にこの景色を見せたかったので、このライブが出来て本当に幸せです。応援してくれた皆さんのおかげです、ありがとうございました」
「音楽やライブって楽しいなって思ってもらえれば、それが風神RIZING!の音楽じゃないかと思って、これまで以上にトレーニングやリハーサルを毎週重ねました」
「初のワンマンライブでオリジナル曲しかやっていないのはとても誇らしいことだと思っています」
「最初は声が高いと思ってた風太が自分に馴染んできて、長崎弁のセリフもディレクションされることが無くなった」
「僕らもこれで終わりにするつもりはさらさらありません。ファーストライブはこれしかないんです。皆さんの胸に刻んで『from ARGONAVIS』と風神RIZING!を追いかけ続けていただきたいなと思います」
そして金子と酒井に導かれながら角煮まんじゅうちゃんがステージに登場し、いよいよライブも正真正銘のラストに。
「野外の会場で空は長崎まで繋がってますからね。俺達の故郷・長崎に、日本中に、いや世界中に風神RIZING!の音楽を届けたいと思います!」
Photographer:西槇太一 
そんな中島の言葉と、ファンへ気合いを入れる最後のコール&レスポンスから、最後は全員で曲タイトル「バンザイRIZING!!!」と叫んで最後のステージが始まった。メンバー5人とファンのみんなで風に乗って未来に向かって突き進もうと、随所でコール&レスポンスを交わしながら熱唱し、後半の「ライブ最高だぁ!!!」のフレーズはファンだけに唄わせるという粋な計らいも。そして「最後みんなで飛ぶばい!」の声に合わせて、全員がジャンプを決めて、初のワンマンライブを最高の形で完走してみせた。
最後は角煮まんじゅうちゃんも含めた全員がステージ前方に並び、生声で「最高でした! 最高だったのでこれで終わりにさせないでください! またお会いできるのを楽しみにしています、誠にありがとうございました!」と挨拶をして一礼。そして引き上げる最中に中島が一人センターに戻り、改めて「ありがとうございました!」とファンに感謝の気持ちを送って、風神RIZING!の熱い風が生んだ最高に熱い冬の夜は大団円で締めくくられた。
Photographer:西槇太一 
誰もがすぐにノッていける親しみやすさと、元気にあふれたパフォーマンスが魅力の風神RIZING!。速くも次なるステージが楽しみになる一夜となった。
取材・文:斉藤直樹

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