ピアニスト横山幸雄インタビュー ザ
・シンフォニーホール『熱狂コンチェ
ルト』シリーズに登場

ショパンの独奏作品全曲を1日で演奏するなど、前人未到の取り組みに挑戦し続けている横山幸雄が、ザ・シンフォニーホール『熱狂コンチェルト』シリーズに登場する。
――ザ・シンフォニーホールでは、毎年何回かコンサートを開催されていますね。
初めて演奏したのは、ショパンコンクールで入賞した翌年の4月。デビューしたばかりの20歳の頃でした。お客様との距離が近く、隅々まで豊かな響きに包まれているという印象を持ちました。以来、毎年コンチェルト、リサイタル、室内楽などを演奏していて、関西での演奏活動の拠点となっています。演奏するたびに、「帰ってきた」という感覚がありますね。
――デビュー20周年の2010年には、「ドラマティック4大コンチェルト」と題して、ベートーヴェン、ショパン、チャイコフスキー、ラフマニノフの代表的なコンチェルトを演奏して話題を呼びました。
それぞれの作曲家の魅力を互いに映し出すような「ドラマティック4大コンチェルト」は、その後も何回か開催しています。2023年11月には、「ドラマティック・コンチェルト」と題して、チャイコフスキーの第1番とラフマニノフの第2番と第3番のコンチェルトを演奏しました。まさに狂乱の世界でしたが、4曲よりは少ない、大丈夫と自分に言い聞かせながら演奏しました(笑)。
横山幸雄
――「入魂のショパン in 大阪」も毎回好評です。
毎年春に東京で開催している「入魂のショパン」シリーズは長時間のコンサートですが、大阪ではコンパクトな形で様々な角度からショパンの音楽を探求しています。2024年4月21日は、自作曲からショパンへという流れのプログラムで、前半は自作の「ノスタルジア~ファンタジー~」で始め、祖国への誇りと愛に満ちた民族舞曲などを聴いていただきます。後半は、自作の「祈りのバラード」からバラード全曲。東京とは違ったアプローチで、人間ショパンに迫ってみたいと思います。
――7月20日の若手ソリストと同じステージに立つ「熱狂コンチェルト2024」への期待も高まります。
僕が弾くのは18分間くらいの短いコンチェルトなので、1ラウンド1本勝負(笑)。リストはショパンと同時代の作曲家ですが、ショパンがピアノでしか表現できないものを追求したのに対し、ピアノをオーケストラのように扱っていた作曲家で、オーケストラの編曲作品をたくさん書いています。そういう意味で、ひとりオーケストラを目指したピアノが、コンチェルトではさらにバックにオーケストラを付き従えるわけですから、まさに絢爛豪華な音楽世界が広がります。
郷古廉(c)Hisao Suzuki
横坂源(c)Takashi Okamoto
郷古廉さんの演奏は彼が高校生の頃から聴いていて、注目していました。今回はブラームス「ヴァイオリン協奏曲」を演奏するんですね。円熟した時期のブラームスの作品にフレッシュな若手が挑戦するというのは、とても魅力的だと思います。僕にもそういう時期がありました。休憩をはさんで、横坂源さんのサン=サーンス「チェロ協奏曲第1番」は、チェロという楽器の可能性を追求した技巧的でロマンティックな作品。若く才能あふれる2人にステージを温めていただいた後、トリを務めることになりますが、「熱狂コンサート」という題名に一番ふさわしい華やかな作品でコンサートを締めくくる、僕自身もとても楽しみです。
インタビュー:森岡 葉

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