L→R 小林 勝(Ba)、甲本ヒロト(Vo)、真島昌利(Gu)、桐田勝治(Dr)

L→R 小林 勝(Ba)、甲本ヒロト(Vo)、真島昌利(Gu)、桐田勝治(Dr)

【ザ・クロマニヨンズ リコメンド】
ストレートと変化球のバランスで
魅了する最新アルバムが到着!

コーラスがユニークな
「恋のOKサイン」は異色作

 その「あいのロックンロール」に続き、2024年2月7日には17枚目のアルバム『HEY! WONDER』が登場。「あいのロックンロール」を1曲目に、個性あふれる楽曲が計12曲収録されている。ギターのカッティングによる疾走感がさわやかな2曲目「大山椒魚」もライヴ映えしそうなナンバー。山椒魚という、じっと留まったままの動きのない生物に、攻撃的な曲調とサウンドという組み合わせが独特のバランスにつながっている。

 3曲目の変則的なリズムで始まる「ゆでたまご」は、タイトルどおり卵をゆでている光景がベースだが、そこから発想を飛ばした歌詞が不思議な味わいになっている。続いては甲本ヒロトの煽りでいきなりスタートする「ハイウェイ61」。アメリカに実在するこの国道はボブ・ディランの名盤『追憶のハイウェイ61』でもお馴染みだが、数々のブルースミュージシャンにもかかわりのある場所で、伝説を語るマニアが歌詞に登場するのも、その影響だろう。リスペクトを込めた真島のスライドギターも魅力的だ。

 太陽や水しぶき、蝉の声など、夏の光景を歌った5曲目「よつであみ」は題材のせいもあって、どこか感傷的な雰囲気が漂うナンバー。“よつであみ”とは四手網のことで、漁の方法だ。少年時代の一場面が切り取られた歌詞がシンプルなバンドサウンドに乗せてストレートに響く。タイトルや歌詞を眺めればオールディーズ的な曲を想像しがちだが、ドスの効いたコーラスが一貫して流れる6曲目「恋のOKサイン」は異色作。ハンドクラップとギターをバックに、甲本の伸びやかな歌とドゥワップを変形させたようなコーラスがものすごくユニークに絡み合う。この特異なアレンジがどのように生まれたのかは分からないが、ライヴでの再現も楽しみだ。

OKMusic編集部

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