初の2.5次元舞台&座長 虹コン・鶴
見萌が語る舞台『グリザイア:ファン
トムトリガー』への意気込み

2024年5月、人気ノベルゲーム『グリザイア』シリーズの1作である『グリザイア:ファントムトリガー』が舞台化される。メインヒロインの一人・深見玲奈を演じる鶴見萌(虹のコンキスタドール)に、舞台への意気込みや役作りについて聞いた。
大好きな2.5次元舞台に挑戦する緊張とワクワク
――今回のオファーを受けた時の思い、意気込みからお聞かせいただけますか。
私は元々アニメが大好きなオタクで、2.5次元舞台もすごく好きなんです。今回2.5次元舞台初挑戦なので、「ついに私もキャラクターになれる日が来たんだ!」と嬉しく思いました。ただ、私自身オタクだからこそ、再現度などはすごく気になります。作品の世界をいかにナチュラルに表現できるか、頑張らなきゃいけないと強く思っています。
――2.5次元舞台のどんな部分に魅力を感じますか?
最初はライブ感がすごく楽しくて見るようになりました。そんな中、ある作品で、自分が元々大好なキャラクターの新しい一面に触れることができたんです。「アニメではこのシーンに映っていなかったけど、隣でこういう反応をしていたはずだよね」と感じて、新たな供給をもらえた気がしました。それはすごく舞台を見る意味になると感じましたね。
――2.5次元舞台に挑戦するにあたってこだわりたいことはなんでしょう。
普段の舞台でも気をつけていることですが、そのキャラクターとしての立ち居振る舞いにはこだわりたいです。何気ない仕草や歩き方など、最初から最後まで作品の世界を壊さずにいられるようにしたいです。
――現時点ではプロットの段階ということですが、舞台のストーリーを読んだ感想を教えてください。
どこまで言っていいかわかりませんが、酷なことをするなと思いながら読みました。舞台オリジナルキャラクターとして可愛い女の子が何人も登場しますが、その子達を巻き込んで「そこまで書くか」と思うくらいシリアス。結構驚きました。
可愛いだけじゃないキャラクターとシリアスなストーリーが魅力
――原作となる『グリザイア:ファントムトリガー』のアニメやゲームはチェックされましたか?
アニメは全部見ましたが、アニメ化されているのは序盤なので、いつゲームに取り掛かろうかなと思っているところです。ゲームは恋愛要素もありますが、それだけじゃないシリアスな展開、本格的な戦闘が魅力だと思いました。それぞれのキャラクターの背景が物語に大きく関わっていて、キャラクターの深みが『グリザイア』シリーズの良さに繋がっているのかなと感じるので、そこが好きですね。
――演じられる深見玲奈というキャラクターについてもお伺いしたいです。
レナちゃんはすごくいろんな表情を見せてくれる女の子。戦闘になったら真剣ですが、日常シーンとの振り幅がすごく大きいと感じます。一見とても明るくて可愛い女の子ですが、ふとした時に「あれ、この子は今何を思っているんだろう?」みたいな表情を見せてくれる。掴みきれないミステリアスな魅力があると感じます。
――そんなキャラクターを演じるにあたって、どんな役作りを考えていますか?
やっぱり『グリザイア:ファントムトリガー』の特徴は戦闘シーンやシリアスなシーンだと思います。殺陣が結構多いと思うし、殺しを生業にしている子達なので、いかにプロらしく見せられるかに気をつけて作りたいです。あと、アニメだと描かれるのはキャラクターが喋っているところがメイン。でも、舞台だと他の人が喋っているシーンでどんな表情や反応をしているかも見える。喋っている時以外もいかにレナちゃんでいられるか、どれだけ落とし込めるかというところを頑張りたいです。
それから、本当にオタク目線になってしまうんですが、役者さんによっては声も寄せてくださる方がいるので、どうやって(レナ役の声優の)内田真礼さんの声に寄せるか、今から研究していきたいと思います。でも私自身初めての挑戦で確固たる自信があるわけではないので、ファンの方はハードルを上げすぎずにお願いします(笑)!
――お話を聞いていても、表情豊かで明るい雰囲気が役にぴったりだと感じます。ご自身が感じるレナに似ている部分はありますか?
結構マイペースというか、フリーダムに生きているタイプなので、そこは似ていると思います。一方で、普段アイドルをしているので、ライブパフォーマンスなど”決めるところでは決める”、オンオフがしっかりしているタイプだとよく言われるんですが、そこもレナちゃんと似ているのかなと感じますね。
――アニメだと掘り下げられているキャラクターがまだ少ないですが、特に好きなキャラクターはいますか?
まだはっきり決まってはいませんが、他の作品でも、明るく見えるけど実は……とか、ふとした時に暗い表情を見せて「この人何かある」と思わせるキャラクターが好きなんです。そういう意味では、レナちゃんが好きで気になっています。
キャラクター同士の関係性もしっかり見せていきたい
――ビジュアル撮影を行ってみて、感想はいかがでしょう。
可愛く撮るシーンは自然体でできました。ただ、レナちゃんは普段銃を扱う子なんです。私自身も今まで映画や舞台で銃を扱うキャタクターを演じたことがあり、比較的慣れているんですが、ビジュアル撮影となるとミリ単位で角度や手を調整するのですごくシビアでした。すごく細かく調整してもらいながら撮影して、改めて身が引き締まりましたね。
――撮影時、役作りについてディレクションはありましたか?
レナちゃんはコロコロ表情が変わる中でお茶目な顔をする場面も多いので、「もっとはっちゃけていいよ」というディレクションはありました。かと思えば、この場にいる全員倒すという殺気を発してとも言われましたし、振り幅の大きさを感じましたね。日常のほっこりシーンからシリアスまであるのが魅力だと思うので、そこはきっぱり分けてやっていきたいと思います。
――レナと特に縁が深いのが、マスターのハルトと妹分のマキ。演じるのは虹のコンキスタドールの隈本茉莉奈さんと清水理子さんです。お二人と役についてお話はされたでしょうか。
ハルト役の隈本茉莉奈が、普段から私のことを好き好き言ってくれているんですよ。夫婦と言われたりもしているんですが、私は「ないから」と拒否していて、その様子をファンの方々が楽しんでくれている、みたいな関係性。でも今回は私の方がハルトにくっついて離れないというキャラクターなので、普段と逆転しています。「いつもと逆じゃん、よかったね」という話を茉莉奈にしました(笑)。
――普段とは逆の関係性ということですが、隈本さんにハルトらしい部分はありますか?
すごくしっかりしていて色々なことに気を回せる子なので、マスターらしい広い視野は持っていると思います。あと、ハルトと同じですごく努力家。筋トレが趣味でムキムキなので、殺陣も期待していいと思います。
――マキ役の清水さんについてはいかがでしょう。
グループで私と清水が2人で最年長なので、妹という感じではないです。もちろん仲はいいんですが、パフォーマンスとしてバチバチにやりあっているので、再会してまずバトルだしベタベタ仲がいいわけじゃないレナちゃんとマキの雰囲気は自然に出せそうです(笑)。
――他にも、「でんぱ組.inc」や「ミームトーキョー」の皆さんが出演されます。
普段から近いところにいる子達がほとんどですが、共演はライブが中心です。ぺろりん(鹿目凛)とりあちゃん(小鳩りあ)は一応共演経験があるものの、他の子は演じる姿をあんまり見たことがないんです。みんながどんなふうに演じるのか、どんなふうに関わることができるのかすごく楽しみですね。
妥協しない姿勢でカンパニーを引っ張っていきたい
――お稽古で楽しみにしていることはなんでしょう。
やっぱり殺陣が楽しみですね。戦闘シーンは息を合わせないと成り立たないし綺麗に見えないので、相手と会話をして組み立てていくのが楽しみ。同じ事務所のメンバーが多いからこそ、スピーディーに距離を縮められると思うので頑張っていきたいです。
――作中で「レナは銃を使わないほうが強い」と言われています。殺陣の種類も豊富なのかと思いますが……。
そうなんです。もやしなので、体術が出てきたらまずいなと思っていて(笑)。プロットを見た感じ銃で乗り切れそうですが、聞いてみないとわからないですね。もし体術があったらアクション教室に通ったり筋トレしたり……。『グリザイア』のキャラクターって健康的な美しさの子が多いので、ご飯を食べて筋トレをしてもいいのかなと思っています。
――どんな座長になりたいか、目標はありますか?
私は座長を務めるのが初めてなんですが、やっぱり座長によって座組の雰囲気が変わると感じています。2.5次元舞台初挑戦というのもあるし、2.5次元舞台に対する理想もあるので、殺陣やキャラの作り込みについて妥協せずに一生懸命頑張ることでみんなの士気を上げられたらと思っています。
――アイドルとしてのステージと舞台の違い、楽しさはどんなところに感じますか?
アイドルとしてのパフォーマンスでも、曲ごとに表情を変えたり、世界観を表現するために色々挑戦したりするものの、基本的に“鶴見萌”の枠の中でやっていること。舞台でキャラになりきり、そのキャラの人生を背負って生きるのは全然違うと感じます。少しの間でも自分と違う人生を体感できるのは中々ない経験だし財産になると感じます。
――アニメやゲームファンで、普段あまり舞台を見ない方にオススメしたいポイントはどこでしょう。
一番大きいのは、完全オリジナルストーリーというところだと思っています。やっぱり作品ファンとしては知っておきたいと思いますし、ぜひ見てほしいなと思っています。
――逆に、2.5次元舞台に馴染みがないアイドルファンに向けた推しポイントは。
アイドルみたいに可愛いキャラクターがたくさん出てきますから、まずはキャラの可愛さから入って、シリアスな物語を浴びてボロボロ泣いて、『グリザイア』の良さを知ってもらいたいです。まずは気軽に観に来てほしいですね。
――最後に、皆さんへのメッセージをお願いします。
『グリザイア:ファントムトリガー』というすごく魅力的な作品を、完全オリジナルストーリーでお届けします。世界観はそのまま、より良いものをお届けするべくみんなで頑張っていきますので、ぜひ見に来てください!
取材・文=吉田沙奈 撮影=池上夢貢

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