タイ俳優プレム・ウォルート、「顔覚
えてる!」ファンファーストを発揮ー
ー桜の下で迎えた誕生日イベント『B
LOOM ’n’ BIRTH』

BLOOM ’ n’ BIRTH - PREM SPRING BIRTHDAY WITH BOUN IN JAPAN FAN CONCERT 2024.3.2(SAT)ところざわサクラタウン
タイBLドラマ『Between Us~縒り合わせる運命~』など数多くの作品で主演を務めるタイ俳優ブーン・ノッパナットとプレム・ウォルート。昨年7月に開催された『BOUN BIRTHDAY PARTY with PREM IN JAPAN』の成功が記憶に新しいが、今年は3月8日のプレムの誕生会を日本で祝う『BLOOM ’ n’ BIRTH - PREM SPRING BIRTHDAY WITH BOUN IN JAPAN FAN CONCERT』を大阪と埼玉で開催。今回は3月2日(土)に開催された、ところざわサクラタウン公演の模様をお届けする。
彼らにとって初となるスタンディング&着席スタイルのファンミーティングということで、開演前から場内はファンの熱気で溢れている。
18時。ステージスクリーンにオープニングムービーが映し出される中、チノパンと白シャツに身をまとったブーンが、春の風景が広がるステージに登場。ファンの声援が響き渡る中、アカペラで歌い始めたのはタトゥーカラーの「รักแรกพบ(ラックレーグポップ)」。ファンに手を振りながら嬉しそうに歌う。ほどなくして本日の主役、プレムが登場。ブラックレザーの半ズボンにデニムシャツという少年のような出で立ちが彼にピッタリで、ファンから「ナーラック! (タイ語で「かわいい」の意味)」と悲鳴があがる。ステージ上を走りながら伸びやかに歌い、ペンライトを振るファンに「スワイマーク! (タイ語で、「とてもきれい!」という意味)」と語りかけ、後方の着席ゾーンを見渡す。開始5分と経たぬうちに、ファンとの距離を一気に縮める彼らの優しさにウットリしてしまう。
プレム・ウォルート
「今日もエネルギーいっぱいで盛り上がりましょう! Dance Together!」。嬉しそうに叫ぶと、主演ドラマ『Between Us』のOST「ยอมแพ้(Your Smile)」を披露。歌い終わると互いの背中にもたれあう。そのポーズ、たまらない。
ここで本日の司会、多田カルティダ亜由美が「会場の皆さんの熱気がここまで届いています! 素晴らしい!」と話しながら登場。ブーンが「(日本語で)こんにちはー! 昨日も大阪に来てくれた人いる? (会場から声が上がる)ありがとう! サプライズも楽しみにしていてね。一緒に踊って楽しもう!」と話す。続いてプレムが「こんにちは、私のファンさん」と日本語で話し出すものだからブーンも思わず大笑い。「お花見をしながら誕生会をやりたかったんだ」と、ステージ横に立つ桜を指さしながらニコニコ話すプレム。「ところで、去年来てくれた人、いる?」とブーンが客席に尋ねると、大勢のファンが挙手を。「最高! 今年はドラマ『TO THE LAST』(ヴァンパイアプロジェクト)が始まります。楽しみにしていてね」と興奮気味に話す。「去年来てくれた人、ありがとう。今回初めて僕たちに会いに来てくれた人はどれくらいいる?」とプレムが問いかけると、チラホラと手が上がる。2人は会場を見回し、「待って。あの人は前にも来てくれたよ。顔も覚えてる!」と話し、会場が笑いで包まれた。
高身長のプレムが小さく見えるほどの巨大ジェンガ
トークのあとは、ジャイアントジェンガゲームがスタート。ミッションが書かれた巨大なジェンガをブーンとプレムが交互に取りミッションをコンプリートする、というもの。「こんなに大きなジェンガ、見たことないでしょ? 僕もないよ。あ、違う。昨日大阪で見たんだ(笑)」。ナチュラルに間違えるプレムに、場内も大爆笑。
左からブーン、プレム
最初のチャレンジャーはブーン。ミッションは「客席から去年のファンミグッズを持っている人を探せ」というもの。会場から「あるよー!」という声とともにグッズのポーチがたくさん上がり、あっという間にミッションコンプリート。続いてプレムのターン。巨大ジェンガがなかなか動かず、会場から「スースー! (タイ語で「頑張って」の意味)」と声が上がる。ブーンも少しだけお手伝いをし、やっとの思いでジェンガを抜く。ミッションは「ファンのために一曲歌って」。「えー、選びきれないな……P'ブーン、どうしたらいい(笑)? ……じゃ、僕の曲を歌うね」と、自身の曲「คนคนนั้น(コンコンナン、It's Always You)」をアカペラで披露。会場の手拍子に合わせ美しい声で歌い切ると、突然日本語で「寒い」とつぶやいた。曲の美しさとのギャップに観客も大爆笑。その後、ファンの好きな日本語を披露したり、にらめっこなどのミッションを続々とクリアし、大盛況のうちにゲームコーナは終了した。
続いて、日本の楽曲を日本語で披露する歌コーナー。
ブーン・ノッパナット
黒い羽織を着たブーンが披露するのは藤井 風の「まつり」。ステージ中央に置かれたマイクスタンド前に立ち、会場を見回しながら堂々と歌い上げた。曲に合わせ、両手に持った黒い扇子をはためかせる姿は妖艶そのもの。会場からため息が漏れる。
DJも披露したプレム
赤のストライプスーツをチャーミングに着こなしたプレムは、imaseの「NIGHT DANCER」を披露。歌って踊って会場を大いに盛り上げるプレム。歌い終わるとおちゃらけたポーズで会場をあとにした。
ファンからの差し入れのたい焼きを嗅ぐプレム
歌の後はお花見タイム。ステージ上の桜の樹の下にレジャーシートを敷く2人。「みんなでピクニックしよ。でも食べ物はあげないからね」と言いながらニヤリと笑うプレム。会場から「えー!」と声が上がると「だって仕方ないでしょ、2人分しかないんだから」と大笑い。たい焼きやおかき、海苔巻きをパクパクと頬張り、歯に海苔がついていないか確認し合う。照れることなくお互いに食べさせあう姿を見、彼らにとってはこれが日常なんだな、と笑みがこぼれる。そんな中「これは……なに?」と会場に問いかけるプレム。場内から「大福」と声が上がると不思議そうに手元を見ながら「大福」とつぶやく2人。「美味しい?」と言うファンの声に「まだ食べてない」、「美味しい?」、「だからまだだって」、「美味しい?」、「(大福をそれぞれ口に頬張りながら)美味しい!」。ファンとアーティストによる新しい形のコール&レスポンスが爆誕していた。ちなみにブーンが気に入っていたお菓子はラングドシャだ。
「今日新幹線に乗ったんだけどね、P'ブーンが「日本で家を探すよ」って言ってた。みんなも一緒に探してあげてね」とプレムが言うと会場から盛大な拍手が。「僕は飽き性だから40歳までにいろいろなところに住んでみようと思っているんだ。日本で暮らすのは40歳以降かな(笑)」と笑いながら話すブーン。ファンとの距離がとても近く、一人ひとりの声を拾おうとする彼らの姿が実に印象的だ。ピクニック道具を片付けながら「おお……、腰が」と腰をかばいながら作業するブーンに「P'大丈夫? ……おお、僕も腰が」とふざけるプレム。2人の軽妙なやり取りに会場から笑いがこぼれる。
「そういえば、後ろの人の声が全然聞こえないね。おーい、座ってる人たちー、声出してー」。突然プレムが着席ブースに向かって語りかける。会場後方に座るファンたちが声を出すが「えー? 全然聞こえないよ、もっと声出してー」と煽る。先程よりはるかに大きな声が後方から聞こえると「あー、良かった。後ろの人達が、子どもの授業参観に来ている保護者みたいに大人しかったから、僕も子どもの気分になっちゃって少し緊張しちゃったんだ」と、くしゃっと笑う。まさにファンサの神。
左からプレム、ブーン
仲良く肩を組みながら歌を披露する2人
お花見のあとは曲コーナー。披露された曲はLiptaの「ทักครับ(トッククラップ)」とBonnadolの「น่ารักชิบปุ๋ง(ナーラックチップン)」のスペシャルメドレー。最後はLiptaの「อยากมีเเฟนเเล้ว(ヤークミーフェーンレーオ)」を歌い、手を繋ぎながらステージをあとにした。T-POPを巧みに取り入れ、ファンを楽しませることに徹底したステージ構成が見事だった。
演技コーナーでは絵馬に願いをるシーンも
続いては演技コーナー。紺色の着物を着たブーンと朱色の着物を身にまとったプレムが登場すると会場から大きな声援と拍手が。「ひさかたの~」と日本語でセリフを言いながら思わず吹き出してしまうブーン。プレムも覚えたばかりの日本語「寒い」を連発し、更に会場を笑わせる。紀友則、松尾芭蕉などの名をセリフとともにスラスラ読み上げ、絵馬に願いを綴る。「特別な人とこのように桜を見られることのなんと美しいことか」とブーンが語り、2人揃って、コブクロの「桜」を日本語で熱唱。場の空気を自在に操る彼らの演技力を堪能できる贅沢な時間となった。
どちらがブーンかを当てるプレム
そしていよいよ、バースデータイム! 猫のマスクを被ったブーンがバースデーケーキを持ってステージに現れる。と、そこに全く同じ衣装、同じ背格好の猫マスクマンが! ここで突然、どちらが本物のブーンか当てる、サプライズクイズがスタート。これには会場はもちろん、プレムも大爆笑。「これがサプライズかー! 」と大笑いしながら、それぞれの猫マスクマンを触る。「えー、体つきもそっくりだー」と、困惑しながらよく観察する。すると「あ! わかった! こっちがP'ブーンです」と自信を持って回答。猫のマスクから顔を出したのは……ブーン! 「足の指を見たら、わかったよ。昨日P'の足を見たときに「あら、怪我してる」って気付いたから」と嬉しそうに話す。
バースデーケーキと向かい合い、願い事をするプレム。「何をお願いしたかは秘密だよ」とほくそ笑みながら、ブーンの鼻の下についている毛を取り除き、バースデーケーキを食べさせ合う2人。それぞれが自然にケアをしあう姿がとても微笑ましい。と同時に、よく食べる彼らのワンパクっぷりに心震えた。
左からプレム、ブーン
「ドラマパートの話をしてもいい? 日本語が本当に難しかった(笑)! 和歌の詠み方? リズム? それが全然うまくできなかった。ごめんなさい」とブーンが言うと、会場から「日本人でも言えないから大丈夫!」と声が上がり、思わず大爆笑。プレムは「みんなに楽しんでもらいたくて、アドリブをたくさん入れたんだ。面白かったでしょ?」とニコニコ話す。会場から喜びの声が上がると、突然「ちょっと待って!」と頭を抱えるプレム。「ちょっとみんな、可愛すぎる! みんなが可愛すぎるから困るよ。ちょっとその可愛さ、抑えてー」としゃがみ込む。会場から喜びの悲鳴が上がる中、ブーンの曲「Smile」を披露。「着物でどうやって踊ればいいのかな」と笑い合いながらも丁寧に歌い上げた。
「今日は本当に楽しかったし、すごく嬉しかったです。僕のバースデーイベントの最初の場所が日本でとても嬉しかった。日本のファンの皆さん、どうもありがとう。P'ブーン、いつも支えてくれてありがとう。関係者のみなさんも本当にありがとうございます」と丁寧にワイをするプレム。「今年で26歳? 年を取った気がする(笑)」と話すプレムにブーンは「全然若いよ。P'なんて今年で29歳だよ(笑)?」と笑う。「P'は顔が若いから大丈夫! 年だけど大丈夫(笑)」と言い、場内大爆笑。ブーンは「ここ4、5年、お互いの誕生日をお祝いしあえているのが嬉しい。歳を重ねる瞬間に立ち会えるのはとても素敵なことだよ。これからも2人で楽しんでいこう」と話す。そして会場を見回しながら「ブロッコリー(ブーン&プレムのファンを指す)のみんなも、いつも支えてくれてありがとう。僕らが振り返るといつも君たちがいてくれる。本当に心強いし大好きな仲間です」と話した。
左からプレム、ブーン
「終わりたくないー。帰りたくないー」と叫ぶプレムに「帰らないでー!」と会場から声が上がる。「ほんと、帰りたくないよー。でもタイで仕事がー」とプレムがつぶやき思わず爆笑。「ところでみんな、足痛くないの?」と客席を見回しながら質問する。「痛くない」、「楽しい」など声が上がる中、ブーンとプレムがなにやら爆笑している。フロアを指さしながら「あの子、僕の質問に大きく頷いてたよ(笑)、疲れたって(笑)」と大笑い。「僕らのコンサートでは初めてだったんだよ、スタンディング形式なのが。一緒に踊れてとても楽しかったから、後ろの席の座っているみんなも今度はぜひ前に来て」と笑いながら話す。
そして写真タイム。ここで日本のファンからサプライズが。ファン動画の終わりに、ブーンの曲「Smile」を会場中で熱唱。ブーンとプレムの顔に喜びが満ち溢れている。
「本当にありがとう。時々思うんだ。いつまでみんな僕たちのファンでいてくれるんだろうって。でも今日改めて思いました。これから何があってもどんなことが起こってもみんなの愛を覚えていようって。僕もいつまでもここにいられるかわからないし、いつまで俳優の仕事ができるかわからない。だからこそちゃんと覚えておきたいんだ。本当に帰りたくない。でも忘れないよ、愛をありがとう」とプレムが話し、最後の曲、ノン・タノンの「ทุกนาทีที่สวยงาม(トゥックナーティーティースアイガーン)」を、途中、日本語に変えて披露。ミニハートを繰り出しながら、会場一番奥の、彼らいわく“保護者席”まで走りハイタッチをする2人。本当にファンを愛しているんだ、帰りたくないんだという気持ちが伝わり思わず泣きそうになる。
後ろまで満席の観客と!
「愛してる! 大好き!」と日本語で繰り返し叫ぶ2人。「インスタグラムのストーリーを撮ってもいい? 僕らのスマホを持ってきてー」と、舞台裏のスタッフにお願いする。彼らがステージを去りがたい様子が手に取るようにわかる。スマホが届くと、それぞれで撮影しあい、ファンと一緒に動画撮影を敢行。最後は惜しみなく投げキッスを飛ばし、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら2人仲良くステージ奥に消えた。
終演後も満面の笑顔なプレム
「ファン・ファースト」という言葉がしっくりくる最高の120分だった。2人がファンの顔をよく覚えていることに驚かされたが、ファンの声援をできる限り拾いコミュニケーションを取る気遣い、そして、彼らのトークスキルの高さに圧倒された。プレムさん、改めて、お誕生日おめでとうございます!
取材・文=渋谷のりこ 撮影=JIN(KADOKAWA提供)

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