ダンス新時代 〜「プロダンサー」と
いう職業で生きる〜 Medical Concie
rge I’moon「CHIKA」

4年目を迎えた世界最高峰のプロダンスリーグ「第一生命 D.LEAGUE」。その中で活躍するDリーガー達の激闘の日々や苦悩、そして思考や価値観に迫る“ダンス新時代 〜「プロダンサー」という職業で生きる〜”をDewsが独占取材。D.LEAGUE 23-24シーズンを駆け抜ける全13チーム26名にフォーカスします。

今回は今シーズンから新たに参加し、ストイックに上を目指し続けるI’moonのリーダーを努めるCHIKA氏に話を聞いた。

今シーズンからD.LEAGUEに参加されていますが、入ってみてどうですか。

私は今までJAZZダンスを中心に色々なダンスを経験してきました。ディレクターのMIZUEさんからお誘いをいただき、D.LEAGUEには興味があったので直感で参加することを決めました。

D.LEAGUEに入ってみて、今までの環境とは何もかも違うなと感じています。スキルやセンスはもちろん、人間性やコミュニケーション能力などダンサーに必要な能力が全て平等に求められるのがD.LEAGUEだと感じました。ダンスの世界のプロというよりも、他のスポーツ、サッカーや野球などのプロ業界の中のダンス部門、というイメージが近いですね。

私は、大人数のチームや団体で活動することをしばらくしていなかったし、表現や個性が強いダンスをメインで頑張っていたので、ROUND.3でシンクロがテーマの作品をやった時に、作品の中で他のメンバーと動きをきっちりと揃えることに苦労しました。鼻がどこに向いているか、つま先やかかとの位置や高さ、目に見えない部分までも揃っていることが求められるので、とても難しく感じました。

チームメイトのほとんどは以前からの知り合いだったこともあり、本当に仲が良くて、やる時はやるけど、オフの時は可愛らしい女の子って感じなので、すんなりチームになじめましたね。

D.LEAGUEでの戦いで心がけていることなど教えてください。

普段の感情を自分自身で把握して、常に開放的で感情をセーブしないように心がけています。ステージの上でも、自分が感じ取った雰囲気を解釈して、表現しています。反対にしっかり揃えることはとても苦労していますね。自分の表現の幅を狭めないために、筋トレやストレッチを毎日しています。

チーム全体でいうと、女性らしさや美しさ、かわいさを外に出すのは、自然とできてくるものだと思うので、それに加えて作品のテーマを理解して、意識して出すことが求められるのかなと思います。

CHIKAさんの強みはなんですか。

自分はアイデアを出すのが得意だし、感情が浮かびやすいので、アイデアが凝り固まっている時に意見を出す役割ができているかなと思っています。コンテストなどで作品作りは今までも取り組んできたので、戦いの場で自分を出すことは得意だし、緊張を良い表現に変える力は今まで培ってきたので、チームでも発揮できていると思います。

自分のダンスの見どころは、JAZZダンスの枠からはみ出した表現の幅だと思っています。興味のあるダンスには積極的に手を出していて、それがJAZZなのか違うのかは自分ではあまり気にしていませんでした。それを続けて得た、美しさをベースにしているJAZZダンスの要素と、芯の強さ、パンチがあるダンスが自分の強みだなと思います。

ダンスを続けられている理由はなんですか。

純粋にダンスが好き、それだけですね。

私は好きなもの以外は継続できないタイプなのですが、そんな私が20年近く続けられるということは、常に新しい魅力を感じているということだと思います。小さい頃はダンサーになりたいと漠然と思っていて、大きくなるにつれ、ダンサーという定義やダンサーとして生きていく意味について考えるようになりました。自分なりの今の答えは、理想像を決めないということです。決めてしまったらそれ1本になってしまうし、それ以外のことをやらないと思うので、その時の自分の気持ちにセーブをかけず、明確な目標を作らず、その時々で自分自身に納得できるダンサーでいたいなと思っています。

海外にもよく行かれているとのことですが、その経験がD.LEAGUEに活かせているところはありますか。

初めて中国に行った時は英語や現地の言葉も話せないし、初めての海外だし、たくさん苦労したのですが、1人でなんとか乗り越えることができました。それが1つの大きな自信になりました。あとは、アメリカに行った時に、ダンサーの服装の露出度がかなり高くて、どんどん前にレッスンを受けに行く姿に衝撃を受けました。自分から見て、率直に露出している体も完璧な仕上がりではなかったし、スキルがとっても高いわけでもなかったと思うのですが、そんなことよりも自分が踊りたいという気持ちを強く持っている姿に良い刺激をもらい、不安などに左右されず、思ったことを思ったままに表現しようと思えるようになりました。

常に新しいことに挑戦していかないといけないD.LEAGUEのステージで、新しいことだからやってみたい、挑戦して楽しかったと思えるようになったことが、海外での経験がとても活かされている瞬間ですね。

I’moonはどんなチームですか。

I’moonは近くにいると応援したくなるチームだと思います。全員素直で努力家なので、油断や妥協をしないチームだなと思います。結果勝てなかったり、といった結果は置いておいて、その過程で環境に感謝して、素直に頑張り続けられるメンバーの集まりなので、関わった人は応援したくなると思います。

チームで掲げている目標はCHAMPIONSHIP出場ですが、自分個人が思うのは、かっこいいな、今シーズンはCHAMPIONSHIPにいけそうだなと思ってもらえるようなチームでありたいです。過去3年間、あまり成績が良いチームではなかったかもしれませんが、今まで頑張ってきたことがやっと開花したんだなと思ってもらえたら良いなと思っています。

自分自身もまだまだD.LEAGUEを全ては経験できていないので、今シーズンを楽しみたいと思っています。

CHIKAプロフィール