欲望へ正直に！ドン引きされても自分
の好きなタイプを認めよう

まるで変な条件を言えば私から「あんたまともじゃないわ！」と怒られるかのごとく、判を押したようにこんな条件が出てくるんです。

「誠実」
「優しい」
「年収XXX万円」

男性なら男性で、クローンかのようにこんなタイプが好みだと言います。

「美人」
「優しい」
「料理上手」

そりゃ、誰でもこんな子がいたら付き合いたいわ！　と、突っ込みたくなる方もいると思うのですが、本当にそうでしょうか？
人の数だけ好みもそれぞれ。料理が苦手かつ地味めで性格がキツい女性にだって既婚者はたくさんいますし、それが悪いわけでもありません。

どす黒い「好みのタイプ」だってある
さらに言えば、好みのタイプには周囲へ言おうものなら「ええ……」とドン引きされそうなものだってあります。

私に実際知った例では、婚活で「穏やかで控えめな女性が好きなんです」と相談してくださった方がいました。なるほど、と恋愛遍歴を聞いてみると、そんなことはない。はつらつとした女性とも、リーダーシップを取るタイプとも付き合った経歴がありました。

なら、どうして？　と好みのタイプをさらに聞いてみるとこの男性は『自尊心が自分より低くて「私なんか」と自分を責めやすい女性へ生き方を説教するのが好き』だということがわかりました。それを世間体に合わせた言い方が「穏やかで控えめな女性」だったのです。

彼がもし同年代の女性と付き合ったら「うるさい！」と思われて付き合った双方が不幸になるでしょう。しかし、もし年齢が大きく離れていて師匠と弟子のような関係を築くことができるなら。彼の好みは問題化することなく、つつがなく結婚できるはずです。

この男性が悪いわけではありません。人には誰にでも醜い欲望を孕んだ「好みのタイプ」があるのです。たとえば一方的に彼から責められそうな「穏やかで控えめな女性」だって、「自分で何も決めたくないから、勝手に我が物顔で進めて責任とってくれる男性がいたら楽なのに」とパートナーを選んでいるかもしれないのです。


醜い欲望と向き合ってから、理想の相手探しが始まる
婚活で醜い欲望をぶちまける必要はありませんが、自分自身の本音を無視してしまうと、いざ結婚しても「私の人生これで良かったのかしら」と悩んでしまうかもしれません。「友達に堂々と言えない好み」だって立派な好みのタイプですから、まずは自分に問いかけてみましょう。

たとえば、
・　ケンカしても家事をボイコットして戦えるよう、彼は家事ができない方がいい
・　顔にコンプレックスがあるのでイケメンじゃないと無理
・　お姑さんと揉めたくないので実家と疎遠な人を選びたい

確かに友達へいえば「うわぁ……」と思われるかもしれませんが、自分の醜い欲望も含めて相手を探すからこそ婚活です。

無理して「誠実！　温和！　安定収入！」と世間が求めそうな結婚相手を探しても、数回目のデートで苦痛を感じるはず。チャラ男が好き、バンドマンを養いたい、浮気性に惹かれる……こんな彼があなたの好みでもいいのです。

もし「好みの人に会ってるはずなのに、なんかしっくりこない」と思うなら、世間の空気を読みすぎて無難な男性を選ぼうとしていないか。自己分析をしてみませんか？
その上で自分を破滅させるような男性を選んでも、責任を取れる年齢になっているのですから。

けれどお約束します、ほとんどの女性は大丈夫。「何だかんだ言って、私は親が認めた人じゃないと結婚したくない。だって親に愛されない自分なんて想像できないもん」という別の欲求にしたがって、最後は戻って来られますよ。



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トイアンナプロフィール

外資系企業で消費者インタビューを数年経験後、ライターとして独立。
500人を超えるヒアリングの結果からバリキャリ女子の楽しさも悲しさもぎゅっと詰め込んで文章にしています。現在はアラサーの恋愛とキャリアを中心に多くの媒体で連載中。


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Written by トイアンナ