“光と影と向き合った1年だった”と語ったNIKIIE。その結果、生まれた“Equal”というタイトルを掲げるアルバムは、リアルな彼女の姿を映し出している。
取材:土内 昇
『hachimitsu e.p.』『CHROMATOGRAPHY』のミニアルバムを経てのフルアルバムなのですが、例えばサウンド的には『hachimitsu e.p.』で、楽曲的には『CHROMATOGRAPHY』というような2枚の特徴を内包するものになっていますね。
自分の中でのサニーサイドが『hachimitsu e.p.』で、ダークサイドが『CHROMATOGRAPHY』になっているのですが、今回のフルアルバムはその光と影の混在だなって思っていて。すごく明るくてポップな曲でも影の部分が滲み出ていたり、逆にすごく暗い歌なんだけど光の存在を感じさせる…そういうものを意識していたところはありますね。だから、出来上がってみたら自分自身の今をリアルに感じるものになっていたし、このアルバムに教えられることがすごく多くて。“Equal”というタイトルにしたのも、1年間、光と影と向き合ってみて、どちらもあって私なんだって思ったし、光も影も同じところに行き着くんだと思ったからなんです。
あと、NIKIIE BANDでのアレンジが多いのも特徴ですね。
そうですね。自分の中で具体的に音が鳴っているものはNIKIIE BANDでやりたいと思ったんですよ。ある程度のことは伝えるけど、ほぼセッションでアレンジしていきましたね。アレンジャーさんを立てた時も“自分の想いはこうなんです”っていうやり取りはあるんですけど、バンドだとよりミュージシャンとダイレクトにやりとりができるので、自分の視点からでは見出せなかった可能性とかを広げられたと思います。
「Mother's cry」はアコースティックなのですが、これもNIKIIE BANDですしね。
この曲は変にアレンジする曲じゃないなって思っていて…実体験の歌なので、歌で押したかったんです。呼吸するような感じで作りましたね。
逆に、アレンジャーさんに頼んだものはどういうふうに?
2012年は自分自身を試す一年で、自分の引き出しがどれだけあるかを知りたかったから、どうしてもこだわった部分もあるんですけど、恐れずに託すことで起こる化学変化みたいなものを求めていましたね。そういうふうに作ったからこそ自分を表せる部分がたくさんあったと思うので、歌も今まで以上にライヴ感があったり…サウンドが強いから強く歌うとか、やわらかいから優しく歌うとか、そういうことを前は意識してたんですけど、そこを逆らうというか、本能のままぶつかるっていうトライができました。ツアーもありましたしね。一本一本がトライだったんですけど、恐れながらも大胆にやれた部分もあってすごく楽しめたし、お客さんと共鳴できた自覚もあったから、そういうものが歌に反映されていると思います。
歌詞に関しては? ストレートな言葉が目立ちますが。
いい意味で削ぎ落とされた…今までは比喩で表現していた部分があったんですけど、直球で勝負していく覚悟みたいなものができましたね。
そういう意識がアルバムに宿っているので、この先がすごく楽しみになりましたよ。
想いの念でもそうだし、やっと自分になれた…ここからがスタートですね。すごく胸を張れる一枚になりました。素のままの自分で一曲一曲全力でぶつかっていけたので、自分のあるべき姿を見てもらえるアルバムになったなって。大人になったというか、タフになった…自分が伝えたいことを人にちゃんと届けるという想いも強くなってきたし、後悔がないですね。
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Equal2013年01月30日発売NIPPON COLUMBIA
- 初回盤(DVD付)
- COZP-747~8 3360円
ニキー:茨城県出身。4歳でピアノ教室に通い、16歳の夏に作詞作曲を始め音楽活動を開始し、高校卒業後に上京。2010年12月にシングル「春夏秋冬」でデビューすると、同曲はパワープレイ歴代女性アーティスト獲得記録を更新した。そして、翌年7月には1stフルアルバム『*(NOTES)』を発表し、初の全国ツアーも成功させた。オフィシャルHP
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