カレーときどき村田倫子 #29 PQ’s

カレーときどき村田倫子 #29 PQ’s
カレーって写真に撮るの、難しいよね? 何かコツとかあるの?と、よく尋ねられる。
連載や私のインスタグラムに日々アップされるカレーには、なんのスキルもいりません。
ずばり、愛をもって撮れば輝きます!!
人間と同じですよ!!!(かわいい、かわいいと呟きながらシャッターを切る様を、よくマネージャーさんに苦笑いされますが、私は動じません)
でもですね、基本的には茶色ベースの写真になるので、美味しい感動を写真として記録したいけれども、どうも伝わらないなあ、、、のもどかしさは、とてもよくわかります。
そんなこんなで、今日は!
写真の中におさめても、その美味しさは色褪せることはなし!
視覚から楽しいカレーを発見したので、この連載を読んでくださっているみなさんとハピシェアしたいと思います。
 
浅草に降りたち、浅草寺を横目に少し奥まったところ。
ぽつんと古民家カフェのような店が
「PQ’s」
 
 
レトロな引き戸を開けると、
カウンター6席に、奥に小上がりの座敷、ほっこりとした温かみのある空間がお出迎え。
空間自体がどこを切り取っても、絵になります。
 
 
PQ’sは共同経営で、オーナーは2人。主に調理を担当しているのが世治さん。リリーさんは発酵食品やソース作りを担当しています。
イベントなどは2人で企画しているそう。
元々、ゴールデン街の店舗を間借りで鍋を振るっていました。(サンラサーのまりこさんともゴールデン街×カレー仲間というつながりで親しいのだとか!)
好きなものを好きな空間で振る舞うために、満を持して、今年8月にこの城を構えましました。こんなに可愛らしい店舗、実は初めはこんな状態だったんです!
 
改装中の様子
 
半年かけて、お二人が手塩を掛けて、現在のこんなに素敵な姿に生まれ変わったのです…。
ゼロからの組み立ては、とてつもない熱量!
なので、こんなに細部まで、温かみを感じるのですね。
 
 
驚いたのは、可愛らしい扉、レトロなチェア、謎のおたま、、、!
全て拾い物(解体現場でたまたま発見して譲ってもらった)や、ご近所からの頂き物。
いや、、、こんなセンスのいいインテリアがプライスレスで手に入るものなのか?!
この時点で、ここの店の只者ではないオーラがだだ漏れています。
 
 
PQ’sのこだわりはズバリ「ヴィーガン」(※動物製品を使用しない、絶対菜食)。
オーナーのお二人ともがヴィーガンなので、その知識と経験知は本格的。
ヴィーガン×カレー!新たな味わいに出会えそうです。
もちろん、すぐさまカレーをオーダー!
まずは先付けに、でてきた前菜からご紹介します。
 
 
厚揚げの豆腐に、湯葉さし、エレンギの串。
食材の形や色彩が際立つ小料理店のような上品な盛り付けと、空間との調和がなんともいえません。
この時点で、世治さんのセンスのよさが滲み出ています。
続いては、なんともフォトジェニックなスムージー。
この鮮やかな色は、人工的な操作は一切なし。
 
 スムージー ¥800
 
ハートのビーツが浮かぶの氷をベースにカルダモン、シナモン、ターメリックが香るニンジンのジュース。バナナ、アーモンドミルク、ビーツがまろやかな、自然豊かなミルフィーユ。
一口飲めばもう納得。じわんと染み渡る野菜のみずみずしさと、素材の本来の甘みに身体が喜んで手を広げます。
 
 
さあさあ、そうこうしている間に、今日の主役カレーさんの登場です。
一体どんな姿をしているのでしょう!
 
カレー ¥1,000
 
三日月が浮かぶ、なんとも幻想的なプレート!まるで絵画のようです。
わあああぁ、これがカレーなのですか?!
はじめましての姿に気持ちが高ぶり、お腹もぐぅと喜びの音をあげます。
 
 
真ん中にこんもり盛られたポテトサラダの山は、シャドウクイーンという紫色のじゃがいもを使用。だからこんなに美しい色なのです。
味わいは、薩摩芋とはまた違った、あたたかな甘味と、ほくっとした食感。
カレーに絡ませても、相性はぴったりです。
 
 
月が浮かぶパープルのカレーは、紫キャベツがベース。
ほんのり香るスパイスの風味が素材の甘みを後押しして、ふわりと香る。
向かい合わせのブラックのカレーは、黒ごまと茄子が主役。
ピリリとアクセントを効かせた辛味が全体のバランスをふんわり着地させます。
 
 
この見た目以上の風味の引き出しに、くるくる感情が喜んでました。
まるで食べるアトラクションだなあ、、、!
 
 
世治さんは、素材の魅力を十二分に惹きだすマジシャン。
カレーの表現の幅は、本当に自由で無限大。
スパイスは、様々な食材をカレーの世界に誘ってくれます。
視覚から味覚、そして心まで満足にみたしてくれる魔法のカレー。
 
 
こうして前菜とスムージーも一緒に並べても絵になりますよね。
その日仕入れた食材や旬のシーズンなどによって、メニューの形も変わるそう。
今日とは違う魔法にかかるために、カレーの新たな表現への驚きに出会うために、また訪れたいな。
 
Text:Rinko Murata
Edit:Miiki Sugita
Photo:Kayo Sekiguchi
PQ’s
住所:台東区浅草4-38-7
電話番号:070-3154-8285
営業時間:[火~金] 9:30~18:00 [土・日] 10:30~18:00
定休日:月曜日

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