「現代演劇レトロスペクティヴ」 コ
トリ会議は鈴江俊郎、baghdad café
は野田秀樹作品を上演

過去の名作戯曲に関西の若手が挑戦。トークでは作品に縁深い人々が。
兵庫県伊丹市の公立劇場[伊丹市立演劇ホール]、通称[AI・HALL]が、年に一回行っている上演企画「現代演劇レトロスペクティヴ」。日本の小劇場シーンから生まれた数々の名作戯曲の上演に、関西在住の若い演出家たちが挑戦する人気企画だ。ここ最近は少し趣向を変え、ベテラン作家が自分の過去作品を再演する舞台が続いていたが、2018年度は「コトリ会議」の山本正典、「baghdad café(バクダッドカフェ) 」の泉寛介という、企画の原点に立ち返った顔ぶれとなっている。
寓話的かつ詩的な舞台が注目されている山本は、演劇人として多大な影響を受けたという、鈴江俊郎の『髪をかきあげる』『ともだちが来た』の2本を一挙に上演。『髪を……』は「第40回岸田國士戯曲賞」、『ともだち……』は「第2回OMS戯曲賞大賞」を受賞した、いずれも鈴江の金字塔と言える作品だ。「どちらもすごく繊細で、傷つきやすい人たちが織りなす会話劇。まずは役者に演じてもらうことで、どう上演するかの答を見つけて、それをパズルのように組み立てようかと思います」(山本)。
コトリ会議『髪をかきあげる』『ともだちが来た』公演チラシ
観た後に優しい気持ちが残るような、ファンタジックな舞台を作る泉は、野田秀樹の「第27回岸田國士戯曲賞」受賞作品『野獣降臨(のけものきたりて)』を上演。月の世界から日本の神話まで様々なものを巻き込んで展開される、「劇団 夢の遊眠社」時代の傑作の一つだ。「学生時代に野田作品をやった時は“なんやこれ?”と思いましたが、改めて読むと表現のつなぎ方や、構成力の強さがやはり天才的。(野田演出特有の)飛んだり跳ねたりというのを一旦置いておいて、いろんな工夫によって物語が届くようにできれば」(泉)。
baghdad café 『野獣降臨』公演チラシ
上演後のシアタートークには、コトリ会議は鈴江俊郎本人(16日夜の回)、baghdad caféは長年野田の演出補を務める、多摩美術大学教授・高都幸男(22日)が登場。自らが書いた、あるいは大きく関わった作品にどのようなコメントを寄せるのか。彼らがそれぞれの戯曲をどう読み取り、どのように表現したのかと合わせて楽しみだ。

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