写真家・大塚咲が約70名の男女のヌー
ドをラブホテルで撮影した写真展、歌
舞伎町・人間レストランで開催

写真家・大塚咲が約70人の男女のヌードをラブホテルで撮影した企画「HOTEL-B」の写真展が、2019年4月12日(金)〜4月29日(月・祝)まで、東京・新宿歌舞伎町の人間レストランにて開催される。
AV女優という経歴を持ち、現在は写真家・画家として活躍する大塚咲。2014年より制作を始めた企画「HOTEL-B」は、ブログやSNSでヌード撮影の被写体となる男女を募集し、約70名をラブホテルで撮影した意欲作。応募者はポルノ女優、アンダーグラウンドシーンで活躍する男女やヌード撮影未経験者まで、多種多様だ。彼らはなぜ、ヌード撮影を写真家・大塚咲に委ねたのか……。
「ラブホテル」という、誰もが開放的になれるシェルターのような空間。そこに安らぎを求め迷い込んだ、”人間たち”のエモーショナルな姿を捉えた写真の数々を、堪能してみてはいかがだろう。
大塚咲コメント
ラブホテルは私にとって逃げ場所だった。ここにいれば日常から解放される気がしたし、社会から脱出できているような錯覚を持てた。切り離された空間にいれば自分が孤独であることにも違和感は無い。日常であるはずの窓の外の世界は偽物のようで、私が本当に存在しているのかも曖昧だ。ラブホテルは10代の私の現実感の無い現実をそのまま表したような空間だった。
私はラブホテルが好きだった。ここには、たくさんの人間が集まってくる。ラブホテルは人々の生活をかき集めたような場所であり、人間の感情の吹き溜まりだ。人間としての生きづらさが、欲や愛情や寂しさや憎しみを作り出す。その人間の生きづらさを無責任に吸収しているラブホテルが私は好きなんだと思う。
ラブホテルを好きな理由は、ラブホテルと私が似ているような気がするからだ。現実感の無い空間と現実感の無い自分自身がリンクし、他人の生きづらさを無責任に吸収しているラブホテルと、他人の生きづらさを押し付けられてきた自分とがリンクする。ラブホテルの持つ引力と私が持つ引力は似たようなものなのだろう。
写真の中の被写体達は私の映し鏡だ。彼らは私の特殊な過去に対しての好奇心、似たような痛みを持つ者への安心感や同調欲求のような理由で私に接触する。私に向けられる目からは様々な感情が溢れ出ていて、私はそれから逃げられなくなる。自分の存在を見せつけようとする者、自分の孤独を語ろうとする者、自分の迷いや自信の無さを埋めようとする者。
私は無責任に彼らを受け入れる。
私とラブホテルも映し鏡みたいなものだから。

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