中村獅童が初音ミクと宙乗りみせるか
? “使命”と意気込む『八月南座超
歌舞伎』 製作発表会見レポート
2016年より松竹とドワンゴが共同製作し、「ニコニコ超会議」(※)の中で公演を重ねてきた全く新しい歌舞伎公演。日本の伝統芸能を代表する“歌舞伎”と、NTTの研究所が研究開発を進めてきた超高臨場感通信技術「Kirari!」をはじめとする、最新テクノロジーが融合し、エンタテイメントの限りない可能性を切り拓いてきた。
また、客が自由にかけることができる“大向う”も見どころ。中村獅童一門の屋号“萬屋”、初音ミクは“初音屋”、澤村國矢は“紀伊國屋”。さらにNTTの“電話屋”などをはじめ、“待ってました!”など誰もが気軽に書けることができる。
今回初めて南座で開催される「超歌舞伎」。本公演は、超歌舞伎を初めて見る観客も安心の「超歌舞伎のみかた」から始まり、中村獅童と初音ミクによる新作舞踊「當世流歌舞伎踊」、そして宙乗りなど新たな演出も加わった「今昔饗宴千本桜」の3本立てだ。通常公演に加えて、別配役のリミテッドバージョン(全8公演)も上演され、「超歌舞伎」初演時より敵役としてお馴染みの澤村國矢が初音ミクの相手役を勤めることになっている。
絵本を題材にした『あらしのよるに』という新作歌舞伎の初演も南座だったことに触れつつ、「今度はデジタルとの融合である超歌舞伎を南座でできることを嬉しく思っておりますし、歌舞伎を見たことがない若者を振り向かせることが中村獅童の使命だと思っております。伝統を守りつつ、革新を追求するというスタイルをこれからも貫き通したいです」と決意を語った。
「(南座は)ナイトエンターテインメントを心がけて1年間の運営をしております。今までの歌舞伎のファンの方、これから歌舞伎を初めて見ていただく方、外国の方、いろんな方を対象にした、総合的なパフォーマンスでございます。歌舞伎と新しい技術が融合したパフォーマンスを、ぜひ皆様にお楽しみいただきたいと思います」とも語った。
「松竹様がインバウンドのお客様や今まで歌舞伎に触れてこなかった若い人たちにも歌舞伎の面白さをご理解いただくということを求めておられることを知りまして、ぜひご一緒させていただくと素晴らしいものができるのではないかということで、超歌舞伎を3年間商業公演として上演してきました」と思いを熱く語る。
「超歌舞伎の中では、実は最初のころは、技術がこなれた点がなかったものですから、ご不自由をおかけしましたが、よく技術を理解した上でご利用いただき、皆様にICTと歌舞伎はマッチするのだということを知っていただきました」
「ぜひ日本最古の南座で、我々が新しいICTの技術を活用した公演を見せていただけることは、貴重な機会だと思っています。さらにこの技術を進化させて、より楽しいもの、感動できるものを一緒に作っていくことができたら幸いでございます。まだまだ技術は進化しますし、それに合わせて歌舞伎もどんどん歌舞いていくんだと思います。ぜひご期待いただきたい」と挨拶した。
生放送で「盛り上がっているかー?」と聞くと、「8888(パチパチ)」と画面が真っ白になるぐらいコメントがついて。なかなかできないことなので、やっている僕も楽しいです。
獅童:一人でやるより、ミクさんと一緒にやりたいので。昨日もちょっと電話して説得したんですけど、なかなかいいお返事をもらえなくて(笑)。今は、踊りのお稽古を一生懸命なされているみたい。歌舞伎の経験がないのに、踊りも大変に上達なさっている。負けないように僕も一生懸命やっていきたいです。
獅童:一番最初はデジタルと我々アナログの融合ということで、大変に稽古も時間がかかって手探り状態だったのですが、回を重ねるごとにデジタルも進歩してますし、第1回があったからこそ第2回があって……。伝統や型があるからこそ、新しいことができるということを感じます。歌舞伎のお化粧法や衣装の艶やかな色彩美など、普段当たり前のようにやっていることを毎回毎回再発見できる。
技術がないと成立しない舞台ですし、技術がどんどん発達しているので、NTT様様ですね。南座は歌舞伎専門の舞台になりますから、今までの超会議とは違った、さらに進化したお芝居がお見せできるのではないかなと思います。
ーーインバウンドを意識されているということがお話でありました。言葉の壁がある外国の方にどのように楽しんでいほしいか、一番の見どころを教えてください。
獅童:話が重複してしまうかもしれませんが、やはり歌舞伎という日本の伝統芸能とデジタルの融合がテーマですから、一番感じていただきたいです。歌舞伎ならではの色彩美は、デジタルでもすごくこだわっています。日本特有の伝統色、歌舞伎のお化粧法は歌舞伎ならではの表現方法ですから、それを感じていだたきたいと思いますね。
エンターテインメントなので、とにかく楽しんでいただいて。お客様参加型の演目だと思いますので、ぜひ騒いでいただきたいな、盛り上がっていただきたいなと思います。
通常の歌舞伎ですと、女性は出ないので、女性である初音ミクさんと踊ったり、セリフの掛け合いは毎回楽しいです。とにかく踊りに関しては上達されているんですよね。世界中の人を魅了する裏で、並並ならぬご努力があるんだなということを我々もお姿を拝見していて。見習わなくてはいけないし、我々もみんなミクさんにメロメロになっています。どの場面が好きというよりも、共演させていただけることが嬉しいですし、楽しみです。
私は母が京都出身なので、こういった新しい試みや挑戦がまた南座で、歌舞伎の劇場としての初演をやらせていただけることは本当に感慨深いものがありますね。何としてでも皆さまに喜んでいただけるような芝居を、みんなで力を合わせて作って、「またぜひ違う劇場でもやってくれ」と言っていただけたら嬉しいです。とにかく何はともあれ、今回の南座を成功させなくはいけないという思いでいっぱいです。
彼は芝居が大好きで、真面目な男。お客さんへの煽りは僕は負ける気はしないんですけど(笑)、國矢くんがどうやってお客さんを煽るのか、ぜひこの目で確かめたいと思います。どんどん國矢くんみたいな素敵な役者さんがいることを知っていただきたいし、これを機にもっともっと注目してくださると、友達として嬉しいなと思いますね。
......僕も勘三郎のお兄さんに中村座の試演会で、勘三郎の兄さんが主役としてお務めされているお役を1日だけやらせていただいたりして、チャンスを兄さんから度々いただいていたもので。本当に國矢くんが主演を務めるのは、友達として本当に嬉しい。でも、何回も言うようですが、煽りは負けません(笑)
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