すべてを赦すようなオーガニックな音色だ。誰をも拒まない慈しみ深い音、MARTER(マーテル)による5作目のアルバム『By The Ocean』にはそんな温かさがある。14歳の時にLAへ移住して以来、彼は様々な土地に訪れ自身の音楽を育ててきたが、本作の特徴は何と言ってもこれまでで最もアコギがフューチャーされている点であろう。AORやサーフの気分も感じさせるソウルへと帰着しており、Mac AyresやNick Hakimにも通じる音楽を、実に優しい音色で届けている。そして彼は、変わらずスピリチュアルなメッセージを忍ばせて音楽を生み出している。何故MARTERは愛と光を綴るのか。20余年のキャリアを辿りながら、じっくりと語ってもらった。
「Come On Over(album mix)」の最後のギターソロも自分で弾いているんですけど、最近は90年代に刺激を受けたメロディが懐かしくて出てきますね。14歳の時にLA行ったのが90年くらいなんですけど、古き良き時代だったなと思います。MTVから流れてくる音楽はキャッチーなメロディがあったなあって。