『スター・ウォーズ歌舞伎〜煉之介光
刃三本〜』が上演 市川海老蔵、堀越
勸玄らによる一夜限りの歌舞伎
映画『スター・ウォーズ』シリーズの登場人物、カイロ・レンの物語をもとに、登場人物の名称や台詞などを歌舞伎の世界に置き換えて、歌舞伎の脚本として再構成。主人公の魁煉之介(かいれんのすけ)はカイロ・レン、壽臺(じゅだい)の戦士・皇海大陸琉空(すかいおおおかるくう)はルーク・スカイウォーカーがそれぞれモデルとなっており、市川海老蔵が1人2役を演じた。
一夜限りの『スター・ウォーズ歌舞伎〜煉之介光刃三本〜』の様子
一夜限りの『スター・ウォーズ歌舞伎〜煉之介光刃三本〜』の様子
一夜限りの『スター・ウォーズ歌舞伎〜煉之介光刃三本〜』の様子
ルーカスフィルムがストーリーを監修したという徹底ぶり。前説、口上、第1刃(第1場)〜第3刃(第3場)まで計40分ほどの上演だった。ライトセーバーを持ちながら立廻りを披露したり、魁煉之介と皇海大陸琉空を早替えによって見せたり、C-3POが本編に登場したりと、短いながらも、「スター・ウォーズ」と歌舞伎を見事に融合させた舞台だった。
父ですね。父が宇宙が好きでして、子どもの時から公園で星を本格的な望遠鏡で見ていた。当時、SF映画は初めてだったと思うんですけど、父のスター・ウォーズ愛が心に響いたんでしょうね。私も一緒に映画に連れて行かれた記憶があり、そこからですよね。思い出がありますね。
ーー海老蔵さんにとってスター・ウォーズとはどういう存在ですか。
難しい質問ですね(笑)。40年以上にわたって、1作目からヒットで、ずっと続いている。私が好きなところはやはりジェダイと暗黒面(ダークサイド)が大きく二つに分かれているじゃないですか。
歌舞伎とよく似ているんですね。歌舞伎も市川團十郎家には歌舞伎十八番というのがございまして、勧善懲悪というんです。善と悪が分かれていて、善が悪を倒す、と。まぁスター・ウォーズが今後どういう展開になるかはお楽しみでしょうけれど、今しのぎを削っている状態で、優秀なジェダイが暗黒面に引きずり込まれていったりするわけでじゃないですか。そういう点に何か魅力を感じますね。
ジョージ・ルーカスさんは、ジェダイを「時代」という言葉からインスピレーションを受けたり、歌舞伎の隈取りからインスピレーションを受けているキャラクターがいたりとか、日本の文化に対して大変ご興味があった上で構成されている部分もあるという話を聞いたことがあります。そういう意味では共通点もあるのかもしれないと思っています。
ーースター・ウォーズにはたくさんのキャラクターがいますけど、海老蔵さんの好きなキャラクターは?
僕はジャー・ジャー・ビンクスが好きです。なんか癒されますよね。好きですよ。
我々もこの先を知らずにこの歌舞伎を作ってくださいという話なので……これで本当に終わるんですか?(笑)。9本の最後の映画だとおっしゃってましたけど、終わるのであればやはり正義に勝ってもらいたいと思いますが、でもそうではないところも見どころですよね。
カイロ・レンはどちらに行くんだろうという動きも見えるのでね。そこら辺が見どころかな。僕も先を見せてもらっていないので何とも言えないのですが。終わるんだとしたら、どう終わるのか。終わってほしくないですよね。でも、終わるんですか?(笑)楽しみですね。
『スカイウォーカーの夜明け』ですからね。夜明けが来るんでしょうね。一番興味深いところですけど。ちなみに、(歌舞伎として)今回やらせていただく歌舞伎は手前のところです。
ーー最新作をご覧になる予定はございますか。
はい。子どもたちもこれまでのシリーズを見ています。特に勸玄は、不思議と昔つくった映画の方が好きみたいですね。映像がクリアではない古い映像の方が見入っていますね。
ーー前代未聞のエンターテインメントということで「スター・ウォーズ歌舞伎」。オファーを受けた時はどんなお気持ちでしたか。
明快なオファーといいますか、かなり前からスター・ウォーズさんのお仕事を頂戴しておりまして、そのようなことができたらいいですね~という、ほわっとした話をしていたら、今日になってしまった、と。いざやることになって、自分の言ったことを多少反省しつつ、スター・ウォーズの大好きな方々の気持ちを裏切るわけにはいかないですし、話に忠実でありたいですし、歌舞伎役者として歌舞伎をやるわけですから、歌舞伎の要素をきっちりと入れると。それは難しいことでしたね。
SPICE
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