ハイパープロジェクション演劇『ハイ
キュー!!』"ゴミ捨て場の決戦"ゲネプ
ロレポート ネコとカラスのプライド
がぶつかり合う、白熱の2時間強

2020年10月30日(金)、TOKYO DOME CITY HALLにてハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』“ゴミ捨て場の決戦”のゲネプロ公演が行われた。
フォトセッションには、舞台衣装を着た日向翔陽役の醍醐虎汰朗、影山飛雄役の赤名竜之輔、孤爪研磨役の永田崇人、黒尾鉄朗役の近藤頌利が登壇した。
(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
「週刊少年ジャンプ」にて8年半にわたる連載を続け、2020年7月に最終回を迎えた古舘春一によるバレーボール漫画「ハイキュー!!」。その舞台化作品にあたるハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』(通称ハイステ)は、2015年11月の初演から2020年3月の“最強のチャレンジャー”まで、これまで9作品を上演してきた。常に進化を続け、観客を圧倒的熱量で魅了してきた本シリーズの記念すべき10作目では、原作のベストゲーム人気投票で1位に選ばれた“ゴミ捨て場の決戦”を描く。
(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
春の高校バレー(春高)3日目・3回戦。2回戦で優勝候補の稲荷崎高校を下した烏野高校が、ついに因縁のライバル・音駒高校に勝負を挑む。約束の地、全国大会での試合にて、激しい攻防を繰り返す両校。勝敗の先に待つのは何か……。手に汗握る展開から目が離せない会場より、ゲネプロ公演の模様をお届けしよう。
ネコVSカラス、選手同士の因縁が絡み合う前半戦!
第1幕「因縁」では、烏野高校元監督の烏養一繋(木村靖司)と音駒高校監督の猫又育史(大高洋夫)の少年時代のエピソードにはじまり、現在の烏野高校と音駒高校のプレイヤー同士の間に生まれた、さまざまな「縁」を主軸に試合が展開していく。
(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
ブロックの技に関して、師弟のような関係を育んできた黒尾(近藤頌利)と月島(山本涼介)。学年は違えど、互いに尊敬の念を抱きあうリベロの夜久(後藤健流)と西谷(北澤優駿)。似た者同士ゆえに互いを強く意識するスパイカーの山本(川隅美慎)と田中(鐘ヶ江洸)。それぞれが好敵手と呼べる間柄だが、その中でも最も対照的に描かれているのが、主人公の日向(醍醐虎汰朗)と音駒のセッター・孤爪(永田崇人)だ。試合中のテンションも、バレーに対する情熱も異なる両者が、攻めの烏野と守りの音駒の象徴的な姿を鮮やかにうつしだす。
(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
試合中、長く続くラリーも音楽やプロジェクションマッピングを効果的に用いてメリハリをつけている。今作では、舞台上に背丈の異なるポールが設置されることで、より立体感のある空間が出来上がった。コート外のキャストたちが舞台セットを自由自在に扱いこなす様子にも、ぜひ注目してほしい。和太鼓の演奏によって味方の背中を押す烏野応援団や、毒舌を交えつつも鮮やかなダンスが印象的な戸美学園高校の大将優(福澤侑)の活躍も見逃せない。試合中の緊張感や、両校が互いを追い詰めていく切迫感が観客席まで伝わるなか、あっという間に前半戦が幕を閉じる。
バレーボールと演劇の楽しさがシンクロする第3セット
第2幕「約束の場所」冒頭では、孤爪の好きなゲームの世界仕様に変装した音駒高校の面々と魔王・日向との戦いが、ユーモラスに演出される。その後、現実の試合シーンに戻ってからは、音駒の「脳」である孤爪の策略が日向の攻撃力を奪い、じわじわと烏野を追い詰めていく。熱量の高い舞台上で唯一、冷静沈着な態度で周囲との温度差を見せてきた孤爪だが、物語中盤から終盤にかけて活き活きとした表情をするようになる。次第に感情が豊かになっていく孤爪の姿を、シリーズ2作目から出演し続けている永田が見事に演じきっていた。
(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
第1幕では、両校の因縁に焦点が当てられていたが、第2幕では、同じチーム内の絆が深まっていく様子が描かれる。窮地に立たされた日向を支える3年生の活躍や、仲間同士の結束力を高める音駒高校の勢いが、舞台上に心地良さを生んでいく。11頭身のモデル体型で、のびのびとした演技を見せる灰羽(タホリ玲央)や、明るい笑顔で場の空気を和ませる犬岡(中村太郎)など、音駒1年生の見せ場にも注目したい。
(c)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
バレーボールを心から楽しんでいる様子と、演劇を純粋に楽しむ役者たちの姿がシンクロするように、会場全体が爽快感と高揚感に包まれる第3セット終盤。まだ終わらないでほしい、このまま試合が続いてほしいと思わせるような展開も、いつしか終わりを迎える。試合中の選手たちに想いを重ね合わせるような気分を胸に、試合後の余韻にも浸りたい。試合終了後の孤爪と黒尾の会話には、思わず涙腺がゆるんでしまう。山本の妹・あかね(重石邑菜)が「コートの中に面白くない人はいないの」と言うように、舞台上にも、面白くない人は一人もいない。コート内外に関わらず、舞台上で生まれる物語の一瞬一瞬を、目に焼き付けてほしい。
キャストコメント
■ウォーリー木下(演出・脚本)
このシリーズを通して目指していたある意味”頂上決戦”。すべてのドラマがここに集約するように今まで作っていたので僕としてもとても感概深いものになりました。演出面でも今までの集大成ができたのではないでしょうか。同時に、演劇を創り上演する”ことの難しい時代に、どんぴしゃ重なったのも、また別の意味で感慨深いものでした。ともあれ、観客の皆さまには純粋に「ハイキュー!!」の面白さを感じてもらえれば幸いです。バレーは楽しい。演劇は楽しい。それだけです。
■醍醐虎汰朗(日向翔陽役)
音駒高校の方々と今回初めて共演しましたが、稽古の段階で空気感や熱量を芝居上でビリビリと伝えてくれるので、それに刺激されて相乗効果になり素敵なシーンがたくさん生まれたと思います。 音駒高校のメンバーとご一緒できて本当に良かったなと思います。ここからキャスト・スタッフの方々と一緒により素敵な作品にできるよう、日々考えて公演に臨みたいと思います。そして、舞台に足を運んでくださる皆さま、本当にありがとうございます。この時期だからこそ、この熱量を会場全体を通して、必ず心にお届けします。楽しみにしていてください!!
■赤名竜之輔(影山飛雄役)
演劇『ハイキュー!!』は、作品自体の熱さもそうですが、熱量と躍動感、キャストの熱さも感じられることが魅力です。原作のベストゲーム1位の"ゴミ捨て場の決戦"ですので、演劇『ハイキュー!!』でも面白い作品にしたいと思っています。観に来てくださった方が実際に試合を観戦しているように感じたり、物語に入り込んでいただけるよう、 精一杯演じたいと思います。そして、音駒の皆さんに今の鳥野と"ゴミ捨て場の決戦”が出来て良かったと言ってもらえると嬉しいです。最後まで走りきりますので、よろしくお願いします。
■永田崇人(孤爪研磨役)
今回の演劇『ハイキュー!!』は、僕にとって集大成ということもあり、日々稽古をしながら、たくさんの想いが込み上げてきます。 今まで積み上げてきたもの、そして新しいものを融合させて、最高の作品をお届け出来たらと思います。このような時期だからこそ、観に来てくださった方の背中を押せる、きっと、そんな作品になっていると思うので、沢山の方々に劇場まで足を運んで頂きたいです。最後まで応援よろしくお願いします!!
■近藤頌利(黒尾鉄朗役)
黒尾鉄朗役の劇団Patch近藤頌利です。今作で6作品目の出演となります。 恥ずかしながら、演劇『ハイキュー!!』歴で言えばベテランになってしまいました。ですが初心を忘れずに、精一杯声を出し、走り回って汗をかきたいと思います。"鳥野、復活!"から今作まで、約8ヶ月間の物語を4年かけて演じてきました。稽古を経て改めて音駒高校が好きになりました。集大成の勝負、最後のご褒美タイムを楽しみたいと思います。 楽しんでもらえる作品になっています。 応援よろしくお願いします!

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