HEESEY

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【HEESEY インタビュー】
3rdアルバム『33』で
高らかに宣言する新しい時代の到来

数秘の“33”との出会いもあって、
蓋をしちゃいけないと思った

表題曲「33」についても詳しくお聞かせください。

2回に分けて行なったレコーディングの前期が昨年9月ぐらいで、後期が12月からだったんですけども、その9月時点でアルバムタイトルも決まっていないままレコーディングに入ったんですね。一曲が仕上がったらそこに歌詞を乗っけて、また次の一曲仕上がったら…という、いつもそうなんですが自転車操業のような感じで(笑)。その途中で、仲良しで歳も同じのエンジニアさんに“HEESEYさんは33だよね”と言われたんです。数秘術で33にあたる人は変人で、可愛く言うと不思議ちゃんだったり、天然ボケだったりするらしくて。ぞろ目の11、22、33というのはレアで、中でも一番少ないのが33なんですけど、僕はそれだと。自分が33だと知っていろいろと調べてみたら、ことごとく“あるある”だったんで、もう“アルバムタイトルはこれだ!”と決めたんです。ちょうど3rdだし。

発売日を3月3日になさったのもそこからですか?

そうです! “じゃあ、そこに間に合わせるぞ”と締め切り決めて。占いの流派はいくつかあるんですけど、33は日本語だと“サンジュウサン”と呼ぶし、英語にしたら普通に“サーティースリー”なんですけど、僕が自分なりに感じたところでは3がふたつのイメージだったので、“ダブルスリー”と読むようにしたんです。そこは僕の解釈ですね。

3がふたつというイメージが湧くのはどういう理由からでしょうか?

3というのは子供っぽさとか天真爛漫な象徴らしいんですよ。ひとつでもそうなのにふたつあるというのは、相当ゴチャゴチャといろいろなことを頭の中で考えていたり、突飛なアイディアが出てきたりするんですよね。加えて、“3+3=6”なので6の要素もあると言われていて。6はまとめ上げたり調和させたり、喧嘩している子供をなだめるお母さん的な存在だそうで。そういう二面性があって葛藤していると。確かに自分ってそうだなって。これは絶対タイトルに相応しい、なんなら曲も書いちゃえと。それでできたのが「33」なんです。

てっきりTHE YELLOW MONKEYの現メンバーでの始動から数えての33年で33なのかなと思っていました。

それはね、あとから知りました。2019年に30周年を迎えたので、確かに今年で33周年なんですよ。タイトルをつけた時はそこまで気づいてなかった。観音様の件もしかり、あとからいろいろとつながりましたね。

「THUNDER GATE SHUFFLE」のあとに「SAMBA No.9」が続いて、お祭りつながりですね。

これは実は浅草つながりですね、雷門から浅草サンバカーニバルへ(笑)。ワールドミュージックという世界中の民族チックな音楽とロックとを合体させ始めたのが1stの時で、1stではレゲエっぽい曲を、2ndではポルカをやったんですよ。2ndの時はちょうど55歳だったので、数字のマジックでそれを5曲目に置いて“POLKKA No.5”というタイトルにしたっていう。語呂合わせじゃないですけど、兼ねてから数字をそうやってうまく使っていたから、今回はその極みだと思って、もうすぐ59歳だしサンバを“No.9”にして9曲目に持ってこようと。その発想ありきで9曲目に持ってきて、8曲目は雷門、「THUNDER GATE SHUFFLE」にして浅草つながりにしたという。そこは面白い数字のつながりで遊びましたね。もちろん「33」は3曲目だしね。せっかくならそうやって自分なりの面白味をつぎ込んでいったほうがやる気にもなるので(笑)。

「RALLY ROULETTE ROLL」では《修羅場を生き抜け》と歌っていますね。

言葉遊びの歌詞の曲を作ろうと思って。仮歌で♪らりるれろ〜ってずっと歌っていたんですね。それを“RALLY”“ROULETTE”“ROLL”に置き換えて。“RALLY”ってせめぎ合いだし、“ROULETTE”と“ROLL”は回るってことだからギャンブルっぽい歌詞にしようと思ったんです。今のご時世も取り入れて、感染者数が減ったり増えたりのラリーで一喜一憂している感じとか、追いつ追われつなの曲にしようと。

なるほど。深刻な状況もHEESEYさんは遊び心を交えて表現なさっているんですね。

うん。数秘33との出会いもあって、蓋をしちゃいけないと思ったんですよね。“整えすぎずに、突飛な発想はそのままなるべくボンッ!と出しちゃえ”と。誰も思いつかないようなことだったら、それを“分かりやすくしなさい”と以前だったら“6の人”が言っていたんですけど、その“6の人”に“ちょっと黙っていて!”と言って(笑)、自分の中から出てきた発想をストレートに出しちゃえと。

タガを外した表現に踏み切れたわけですね(笑)。「HIPPIE ROSE」に関してはどうでしょうか?

自分は苗字が廣瀬(HIROSE)なので、名前の中に薔薇(ROSE)があると思っていたんですけど、薔薇って世の中的に気障で、カッコつけたイメージというか、典型的なロックなイメージってあるじゃないですか。ドクロとかナイフとか十字架とかみたいな。昔はあまりにもロックっぽすぎて、僕はそういうのが苦手だったんですよ。でも、いつか苗字にある”ROSE”を歌詞にして曲を作ろうと考えるようになっていって。“じゃあ、廣瀬の“HI”はどうする?”となった時、“HIPPIE”の“HI”でいいやと。ヒッピーって自由の象徴でもあるので。“自由の薔薇”って自分の中にずっと咲いていてほしいし、咲いていたら嬉しいし。それで“HIPPIE ROSE”という名前発信で生まれた曲ですね。

美しい由来ですね。他の曲もそうなのですが、HEESEYさんの作られる曲のコード進行には独特の憂いのある美しさを感じます。一瞬物悲しさを漂わせつつも、そこから顔を上げて強く突き進んでいく、明るくなっていくような展開があるというか。この曲にその特徴を顕著に感じるのですが。

やっぱり“廣瀬、頑張れ!”と、どこか自分を鼓舞しているところもありますね。今年、母親が亡くなって…レコーディング中も“もう長くないな”とひしひしと感じていたので、タイミング的に心のどこかで“捧げる”という想いはありましたね。一曲丸ごとというよりは、自分のルーツ、先祖というものをどこかに散りばめられないかなと。浅草というモチーフを取り入れたのも、ちょっとそういう想いもあったんですよね。

OKMusic編集部

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