丸美屋食品ミュージカル『アニー』2
023 初日前会見~困難な時期を乗り越
え、4年ぶりに念願の“フルバージョ
ン”上演へ

【THE MUSICAL LOVERS】ミュージカル『アニー』第50回

丸美屋食品ミュージカル『アニー』2023 初日前会見~困難な時期を乗り越え、4年ぶりに念願の“フルバージョン”上演

2023年の丸美屋食品ミュージカル『アニー』(主催・製作:日本テレビ放送網/協賛:丸美屋食品工業)が、いよいよ4月22日(土)、東京・新国立劇場 中劇場にて開幕する。前日の21日には同劇場内で初日前会見が行われ、アニー役Wキャストの2人(チーム・バケツ/深町ようこ、チーム・モップ/西光里咲)、および藤本隆宏(ウォーバックス役)、マルシア(ハニガン役)、笠松はる(グレース役)、財木琢磨(ルースター役)、島ゆいか(リリー役)の7名が登壇した。
ミュージカル『アニー』のオリジナル・ブロードウェイ初演は1977年4月、NYアルヴィン劇場で開幕し、同年のトニー賞でベスト作品賞など7部門を受賞した。1986年には日本テレビ主催による日本版の公演がスタートし、2023年で38年目を迎える。『アニー』の舞台は、世界大恐慌直後の1933年、真冬のニューヨーク。誰もが希望を失う中、本当の両親が迎えに来る「明日」を信じて生きる孤児・アニー。そんなアニーをとりまく個性あふれる孤児たちや、アニーによって変わってゆく大人たちが繰り広げるストーリー展開と、「Tomorrow」をはじめとする名曲の数々が、これまでのべ187万人もの日本の観客に感動を与え続けてきた。
そんな長い上演の歴史を持つ日本テレビ主催『アニー』も、新型コロナウイルス感染症の影響により、2020年は全公演中止、2021年・2022年は内容や演出を変更し、休憩なしの90分バージョンで上演されてきた。しかし、38年目となる2023年公演は、4年ぶりに全二幕 2時間30分(途中20分休憩を含む)の“フルバージョン”が復活する。
念願の“フルバージョン”での上演初日を翌日に控えたキャストたちが心境や見どころを語った会見は、終始笑顔の絶えない和気あいあいの雰囲気の中で進行した。

ーー初日を翌日に控えた心境は?
深町ようこ(チーム・バケツ アニー役/12歳・中学校1年生) 今年の『アニー』は4年ぶりに“フルバージョン”ということで、張り切っています。キャストとスタッフの皆さん全員で力を合わせて頑張ります。
西光里咲(チーム・モップ アニー役/11歳・小学校6年生) 明日初日を迎える、ということに感謝の気持ちでいっぱいです。無事、全員揃って、千穐楽まで完走することを願い、頑張ります。私も『アニー』を観て憧れを抱いたように、観に来てくださったお客様の心にも何かを届けられたら嬉しいです。チーム・モップのチームワークの良さを観てください。
藤本隆宏(大富豪ウォーバックス役) 久しぶりの“フルバージョン”です。また、個人的にもこの場所に帰ってこられて、すごく嬉しく思っています。2017年に『アニー』に初参加し、今回すごくチームワークが良いです。さらにパワーアップして新しくなった『アニー』をお届けできる明日の初日を、本当に楽しみにしています。
マルシア(孤児院の院長ハニガン役) やっと初日が開きます。いっぱいリハーサルをして稽古をして、アニーの2人もすごく元気です。いっぱい稽古をした中で、昨日、財木さんがすごくセリフを間違えていて……(と、財木を見る)。大丈夫? 明日は初日だよ?
財木琢磨(ハニガンの弟ルースター役) ちょっと!(笑)
マルシア 90分バージョンの『アニー』も経験しているので、時にはそっちにポロッと行っちゃう場合もございましたので、そこは注意して。明日やっと4年ぶりに“フルバージョン”ができます。作品は大きなパズルのようなもので、私たち1人1人がパズルのピース、最後のピースはお客様です。そこでどんな絵になるか、楽しみでございます。
笠松はる(ウォーバックスの秘書グレース役) 『アニー』という作品は3年目の参加です。過去のカンパニーの中ではトップの温かさで、やっぱり『アニー』という作品が皆の心をきれいにしてくれて、楽しくなるように導いてくれていると感じます。
マルシア ダメなカンパニーってどこなの?(笑)
財木 この4年間、90分の短縮バージョンでの公演でした。短縮バージョンでもできる『アニー』という作品は素敵です。そして“フルバージョン”には熱があることをビシビシ感じています。これまで少し残念な思いをしていた子どもたちや、“フルバージョン”を待っていた『アニー』ファンの皆さんに、この素敵な作品をお届けできたらいいな、と思っています。あと、セリフを間違えないように……(笑)。
島ゆいか(ルースターと組んでアニーたちをだますリリー役) 私は客席でずっと“フルバージョン”を観ていました。本当に大好きなシーンがたくさんあります。90分のショートバージョンではキュッといろんなものが詰まっていて、アニーがいろんな人の心を変えていました。“フルバージョン”ではもっといろんな人の心をアニーが一瞬で変えていきます。今年の子どもたちも元気いっぱいで、みんなが輝けるように、悪役3人(マルシア・財木・島)も頑張っていきたいと思います。
ーー主演のアニー2人に訊きます。犬のサンディ(トイプードル)と仲良くなる秘訣は?
深町 私はサンディとテレパシーで心がつながっていて、会話もしています。あと、おやつをたくさんあげて、テレパシーとおやつで信頼してもらえるように頑張っています。
西光 「仲良くなろう」とか「信頼してもらおう」「信じてもらおう」と思っていたら絶対に仲良くはなれないので、まず自分がサンディを信頼して、心の底から愛したら、サンディも自分と同じ気持ちになってくれると思います。そういうコミュニケーションを大切にして、楽しくやることです。
ーー藤本さんとマルシアさん、アニー2人の印象や稽古場でのエピソードを訊かせてください。
藤本 3週間前、稽古場で、アニー2人が大笑いしていたんです。あれが何だったのか聞きたくて(アニー2人「うんうん」とクスクス笑い合う)。2日間くらい笑っていたよね?(最初「この場では言えない」と大笑いしあうアニー2人だったが、やがて西光が説明を始めた)
西光 稽古場近くの駅の和菓子屋さんに、ひとくちサイズの大福が4つ入っているパックが売っていて、稽古の休憩の時にそれを私が食べていたら、2つだけくっついているのがあって、それを(深町)ようこちゃんが「雪だるまと芋だるま」「♪雪だるま作ろう」「♪芋だるま作ろう」って(『アナと雪の女王』に出てくる曲のメロディで)歌いだして……(再び爆笑するアニー2人、ポカンとする藤本)。
ーーマルシアさんは?
マルシア はい? これ以上いります? いらないでしょ(笑)。まあでも、アニー2人はリアクション芸人なんですよ。毎回私が突き飛ばしているけど、実は何も力を入れていない(笑)。
ーー笠松さん、財木さん、島さんは初の“フルバージョン”です。注目ポイントはどこでしょう。
笠松 90分の短縮バージョンは、『アニー』という作品の魅力を、人間でいえば「骨組み」をしっかり描いて、良いところをしっかり出していました。“フルバージョン”は、おいしい「身」の部分がたくさん付いていると思っています。特にウォーバックスさんとアニーのワルツのシーン(第二幕)が楽しみです。個人的にはウォーバックスさんとグレースの恋物語が復活しますので、そこに注目していただければ嬉しいです。(アニー2人「フー!」とはやしたてる)
財木 僕は2022年の『アニークリスマスコンサート』で、「N.Y.C.」という楽曲(ウォーバックスのパート)を歌わせてもらいました。今回、本編ではそのシーンに僕は出ていませんが、舞台袖で全力で歌っているので、もしかしたら聴こえちゃうかも?! めっちゃ歌っています(笑)。
島 「フーバービル」など、“フルバージョン”ならではの歌が素晴らしい。皆、表情が楽しいので、いろんな人に焦点を当てて観ていただけたら嬉しいです。
ーー今回、8月のツアー公演(松本、大阪、名古屋、新潟)で楽しみなことは?
深町 ツアーで初めて行く劇場もあります。そこで素敵なお芝居や歌などを披露できるように頑張りたいし、私は食いしん坊なんですけど、その土地の美味しいものは何か、しっかり調べたいと思います。
西光 大阪で、(別チームの)チーム・バケツの子たちと一緒にやれることです。いつものチーム・モップの子たちとお芝居が全然違うところもあり、やり慣れていないメンバーとやれることが楽しみです。
藤本 子どもたちと一緒にツアーを回れるのが楽しみです。新幹線に乗ったことがない子もいるでしょう。いろんな土地に行って、その土地の景色を眺める姿、いろんな劇場で口を開けて驚いている姿、まるでニューヨークの街に初めて行ったかのような子どもたちの笑顔、その瞬間を見られるのがすごく楽しみです。
マルシア 私はもう単純に、ご飯です。ここ何年か一切外に出られず、劇場とホテルの往復のみ。いろんな決まり事があり、みんなそれを100パーセント守っていました。まだ緩和されてはいませんが、それぞれの場所で美味しいものをいただきたい。
「ようこちゃん、2人で行く?」と、食いしん坊の深町を誘うマルシア
笠松 2年前(2021年)、松本公演が中止になりました。今年は松本の皆さんに会えるのがすごく楽しみです。カンパニーの中に長野県から参加している子(ダンスキッズ:正木 蓮央斗)もいますし。
財木 この『アニー』という作品は、たくさんの小さい子どもたちが来てくれます。東京公演に足を伸ばすことが難しい子どもたちのために、こうやって各地を回るというのはすごくいいことだなと思って、その笑い声とかを楽しみに頑張りたいと思います。
島 悪役3人がハケるときに「やったー!」という雰囲気になったり、各地の反応が違うので、それが楽しみです。
丸美屋食品ミュージカル『アニー』は、2023年4月22日(土)~5月8日(月)、新国立劇場 中劇場にて上演予定。夏には松本・大阪・名古屋・新潟公演も予定されている。全席指定8,900円。4月24日(月)13時チーム・バケツ公演、4月25日(火)13時チーム・モップ公演、4月26日(水)13時チーム・バケツ公演 / 17時チーム・モップ公演の計4公演は、「スマイルDAY」特別料金で全席指定7,400円(通常より1,500円お得)となる。演出は山田和也、音楽監督は小澤時史、振付・ステージングは広崎うらんが担当する。
また、4月21日におこなわれたゲネプロ(総通し稽古)の模様を、後ほど改めてお伝えするのでお楽しみに。

取材・文=ヨコウチ会長
写真撮影=安藤光夫(SPICE編集部)

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