フランス古典悲劇を歌舞伎ベースとし
た和様式での上演に挑戦 中村京蔵
爽涼の會『フェードル』が上演

2023年8月19日(土)・20日(日)国立劇場小劇場にて、中村京蔵 爽涼の會 『フェードル』が上演される・
歌舞伎女方 中村京蔵の自主公演としては最後の公演となる“爽涼の會”。ジャン・ラシーヌ作『フェードル』はフランス古典悲劇の傑作と謳われるもので、ギリシャ神話の「ヒッポリュトス」が原典。継母の邪恋をテーマとし、継子や恋敵との相克、そして破滅が描かれている。かつては三島由紀夫が歌舞伎に翻案(芙蓉露大内實記)しており、1955年11月歌舞伎座で、6世中村歌右衛門の主演で上演された。
今回の『フェードル』上演にあたっては、蜷川幸雄との出会いが大きな転機となっているという。中村京蔵が蜷川幸雄と出会ったのは1980年2月。蜷川演出のシェイクスピア『マクベス』(日生劇場)の初演を見た中村京蔵は、小田島雄志の翻訳本のまま、人名も地名もそのままで、衣裳・かつら・大道具・小道具がすべて和様式で、日本人の美意識で演出されていること、そしてそこに全く違和感がないことに衝撃を受けたという。その後、2015年に『NINAGAWA・マクベス』が配役を一新して再演されることになり、魔女役のオファーを受けた中村京蔵は、懸命に蜷川演出を学んだ。元々、フランス古典悲劇の傑作『フェードル』に興味を持ち、演じたいと長年模索していた中村京蔵は、『NINAGAWA・マクベス』の経験を踏まえて、『フェードル』は歌舞伎をベースとした和様式で絶対出来ると確信を持ち、今回の実現に至ったという。
翻訳は岩切正一郎、蜷川幸雄の薫陶を受けた演出家の大河内直子。俳優陣は「21 世紀の裕次郎を探せ!」オーディションをきっかけに芸能界入り、映画『Fukushima ‘50』に加え、数々のドラマや舞台に出演。昨今は舞台俳優として表現力に磨きがかかり、一方ではプロの画家としても個展を開催するなど、「二刀流」の活躍も目覚ましい、池田努。『仮面ライダー龍騎』(2002 年)に主演、以降、映画・舞台など幅広く出演し、舞台『若き日の親鸞』(2023 年)では親鸞では悪役を演じ、活躍の場を広げている須賀貴匡。現代劇の女形として数多くのヒロインを演じ、『ジョン王』(彩の国シェイクスピア・シリーズ)他、劇団☆新感線などで類いまれな才能とキャラクターで様々な役を演じ、軽妙さも兼ね備え、可憐さに定評がある植本純米。『NINAGAWA マクベス』、『海辺のカフカ』他、多くの蜷川幸雄演出作品に参加してきている景山仁美。『十二人の怒れる男』(リンゼイ・ポズナー演出)、『冬の時代』(大河内直子演出)、『血の婚礼』(蜷川幸雄演出)他出演多数、超実力派舞台俳優、青山達三。国内外の舞台に参加し、日本舞踊坂東流の師範名取でもある小林亜紀子。歌舞伎界からは、歌舞伎女方で中村梅玉一門らしい折り目正しい舞台姿に定評がある中村梅乃、松竹子ども歌舞伎スクール寺子屋第一期生、成長目覚ましい醍醐晴が参加する。

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