祝100周年! Shionが大阪に鳴り響か
せる「カルミナ・ブラーナ」への思い
ーー大植英次(指揮)&石井徹哉(楽
団長)インタビュー

Osaka Shion Wind Orchestra(以下、Shion)が今年、創立100周年を迎えた。9月2日(土)にはフェスティバルホールにて『祝100周年! オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ特別演奏会』として、大植英次の指揮でカール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」を演奏するという。大阪の音楽界のもう一方の雄、大阪フィルハーモニー交響楽団の音楽監督を、朝比奈隆から引き継ぐ形で務めていた経験を持つ大植(2003〜2012年が音楽監督、以降は桂冠指揮者)。誰よりも「大阪愛」を自認する大植はShionの事をどう見ているのか。そしてShion楽団長の石井徹哉は大植と「カルミナ・ブラーナ」の共演をどう思っているのか。後半には、ソリストを務めるソプラノ老田裕子、テノール清水徹太郎、バリトン青山貴からもメッセージが届いているので、ご覧いただこう。

Shion創立100周年特別公演で「カルミナ・ブラーナ」を指揮します 撮影=H.isojima
●大植英次「Shionとの共演は、大変光栄なことです」
ーー創立100周年を迎えたShionですが、大植さんはShionのことをどのようにご覧になられていましたか。
Shionは大阪の宝、いや、日本の宝です。一言で100年と言ってもその道は長く、波乱万丈の歴史を乗り越えて来られました。そのご苦労を考えると、頭が下がります。Shionの凄いところは、メンバー全員が「Shionで音楽がしたい!」という熱い思いを持っているところ。それは音に現れています。私が大阪フィルの音楽監督に就任以降、様々な中学、高校の吹奏楽団の指導をして来ましたが、行く先々で話すのがShionの事です。いつもShionの奏でる誇り高きサウンドを目標に練習しようと、生徒に伝えて来ました。
大阪フィルハーモニー合唱団と大阪フィルハーモニー交響楽団 (c)飯島隆

岸和田市少年少女合唱団

ーー『第61回大阪国際フェスティバル2023』の一環として、カール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」を、大植さんの指揮するShionで演奏することが発表になりました。
Shionと「カルミナ・ブラーナ」を共演出来ると聞いて大変光栄に思います。「カルミナ」は私にとって特別な曲で、すべて私の身体の中に入っています。吹奏楽版の楽譜はまだ見ていませんが、管楽器の響きは多彩な上に音量が豊かなので、細やかな表現力が求められる「カルミナ」はまさに打って付けの曲です。敬愛するShionの皆様と、『大阪国際フェスティバル』という華やかな舞台で「カルミナ」でご一緒できることが、奇跡のように思えてなりません。今回の公演、ソリストは日本を代表する歌手の皆さんですし、合唱は「カルミナ」で共演実績のある大阪フィルハーモニー合唱団と岸和田市少年少女合唱団。この組み合わせなら、皆さんが驚くような演奏をお聴かせ出来ると思います。
「カルミナ・ブラーナ」は特別な曲! とチラシを抱きしめる大植英次
●Shion石井徹哉「指揮は大植マエストロ以外には考えられない」
大植英次がShionと「カルミナ・ブラーナ」を共演する事を、Shionのメンバーはどう思っているのだろうか。今回の経緯と合わせて、Shionの石井徹哉楽団長に聞いた。
Osaka Shion Wind Orchestra 石井徹哉楽団長
ーー創立100周年記念の特別演奏会が、『大阪国際フェスティバル』の一環として行われます。指揮は大植英次さんでカール・オルフの「カルミナ・ブラーナ」を演奏されます。決定に至った経緯を教えてください。
朝日新聞文化財団の方から、「Shionの100周年をみんなでお祝いするようなコンサートを行いませんか? ついては曲目や指揮者に関して、希望を聞かせて欲しい」と問い合わせがありました。大変ありがたいお話ですし、公演はフェスティバルホールで、歴史のある『大阪国際フェスティバル』の一環とお聞きしました。直ぐに、通常の自主公演では出来ないスケールの大きな曲、例えば「カルミナ・ブラーナ」はどうだろうと閃きました。
Osaka Shion Wind Orchestra (c)飯島隆

Osaka Shion Wind Orchestra (c)飯島隆

ーー合唱付きの曲が直ぐに思い付くというのも驚きですが。
2018年のShionの定期演奏会で、ヨハン・デ・メイの交響曲第4番「歌のシンフォニー」を飯森範親さんの指揮で日本初演しました。それは独唱、児童合唱とウインド・オーケストラのための曲だったのですが、とても素晴らしく、感銘を受け、合唱と吹奏楽は合うのだと認識を新たにしました。息を吹き込む管楽器だけのサウンドは、音色に統一感があり、パイプオルガンのようなサウンドで合唱の響きと上手く溶け合います。管弦楽のサウンドは弦楽アンサンブルの上に管楽器がソロを乗せる感じですが、吹奏楽サウンドは、クラリネットアンサンブルの上にサクソフォーンのサウンド、テューバ・ユーフォニウムのサウンドなどが乗っかり、重層化した分厚いサウンドが特徴です。強く聴かせる所では、すごい迫力で鳴らすことが出来て、いつかこのサウンドで「カルミナ・ブラーナ」をやってみたいなと思っていたのです。
Osaka Shion Wind Orchestra (c)飯島隆
Osaka Shion Wind Orchestra (c)飯島隆
ーーなるほど。確かに吹奏楽がオルガンサウンドというのは分かります。そして、「カルミナ」と言えば、大植英次! という事でしょうか。
はい。私の中で、大阪フィルをカッコ良く指揮されていた大植英次マエストロの姿が脳裡に焼き付いていたこともあり、いつかShionを大植マエストロに指揮していただきたいとずっと思っていました。そして今回、「カルミナ」を演奏出来るなら、指揮は大植マエストロ以外には考えられないと思い、大阪フィルさんに相談させていただいたところ、スケジュールも上手くハマり、大阪フィルハーモニー合唱団の出演や稽古場の問題も協力いただけることになりました。
いつか大植マエストロにShionを指揮してしていただきたいと思っていました (c)飯島隆
ーーみんなShionの100周年に協力したいと思っているのでしょうね。大阪の芸術文化を牽引して来たShionと大阪フィルが、舞台裏でタッグを組んでいるのも素敵です。今回のプログラムは、「カルミナ」に意識がいきがちですが、他が大栗裕の「大阪俗謡による幻想曲」とモーリス・ラヴェルの「ダフニスとクロエ」第2組曲というのも贅沢ですね。
確かにプログラムとしては「ダフニスとクロエ」第2組曲がメインでもおかしくないと思います。「俗謡」も「ダフクロ」も、吹奏楽コンクールで取り上げられる曲ですし、贅沢なプログラムですね。ただ、演奏する方はかなりヘビーなプログラムですが(笑)。今回は、一般のクラシックファンに加えて、中高生で吹奏楽をやっている生徒さんにもぜひ聴いて欲しいコンサートです。
Osaka Shion Wind Orchestra (c)飯島隆
ーー「俗謡」は、大阪フィル元音楽監督の朝比奈隆さんが、自身の海外公演に向けて大栗裕さんに作曲を依頼した曲で、1956年に初演された大阪フィルがオリジナルだと思います。ですが吹奏楽ファンの間では、この曲で吹奏楽コンクールの金賞を連続受賞した淀川工科高等学校の吹奏楽部の丸谷明夫さんを思い出す方も多いでしょうね。丸谷先生は、2021年12月にお亡くなりになりました。
「俗謡」に関しては我々も良く演奏します。オリジナルは管弦楽版ですが、大栗裕さんが自身の手で吹奏楽版のスコアを書いていただいたので、吹奏楽版としてもオリジナルと言える曲です。朝比奈先生がShionで「俗謡」を指揮する様子を、大栗さんと丸谷先生が一緒に見学されていたという話も聞きます。丸谷先生は「俗謡は色々な版がありますが、淀工の俗謡は、Shionと同じ楽譜を使っています。大栗さんの練習風景を思い出しながら、生徒に指導しています」と仰っていました。丸谷先生との思い出は沢山あります。
Osaka Shion Wind Orchestra (c)飯島隆
――「ダフニスとクロエ」第2組曲がプログラムに入ったのは何故ですか。
吹奏楽の世界では、コンクールでもよく採り上げられる曲です。オーケストラ原曲の吹奏楽レパートリーとしては、メジャーな曲ですので、ぜひやろうという話になりました。大植マエストロの指揮で演奏してみたいと思ってプログラムに入れました。
Osaka Shion Wind Orchestra (c)飯島隆
――Shionサウンドというものを敢えて言葉で表すと、どうなりますか。
うーん、難しいですね。カッコ良い表現は思い付かないですし、私のイメージですが、「束感」です。音が束になってドンと来るのが、Shionのサウンドだと思います。一体感とはちょっと違います。「束感」ですね。

Osaka Shion Wind Orchestra 石井徹哉楽団長 (c)飯島隆
――「束感」とは、面白い表現ですね。束の中央にあるのは何でしょうか。

芯のようなものがあるとすれば、それは「歴史」という事になるのでしょうか。
Shionのサウンドを表現するとしたら「束感」ですね
ーーありがとうございます。最後にメッセージをお願いします。
大植マエストロに指揮していただくことは、Shionにとっての悲願でした。朝日新聞文化財団さんをはじめ、関係者の皆様の協力があって「カルミナ・ブラーナ」を大植マエストロに指揮していただく今回のコンサートが実現しました。この日の演奏はShionの歴史に残るのはもちろんですが、お聴きになった皆様の記憶にも長く残る、一期一会の演奏となるはずです。ぜひコンサートにお越しください。フェスティバルホールでお待ちしています。

フェスティバルホールで皆様のご来場をお待ちしています (c)飯島隆

●大植「大阪の芸術文化の未来を占うコンサートになる」
プログラムや指揮者決定の経緯、Shionの熱い思いを確認出来たところで、再び大植英次のインタビューを続けたい。
ーー大植さんが「カルミナ」を演奏する時に、意識されることは何でしょうか。
カール・オルフはボイエルン修道院で発見された全300篇にも及ぶ詩歌集「カルミナ・ブラーナ」を街の小さなお店で偶然目にし、強く創作意欲を刺激され、大規模な世俗カンタータを作曲しました。初演を聴いたオルフは感動して、それまでの自分の作品は破棄してほしいと出版社に手紙を書いたそうです。自画自賛、よほど良く出来ていると思ったのでしょうね。オルフが感じたであろう感動や喜びを、聴衆の皆さんにも感じていただきたいと思って、いつもこの曲に取り組んでいます。今回はShionの創立100年を祝う演奏ですので、大阪の街にとっても記念すべきコンサートになります。

今回の「カルミナ」、大阪の街にとっても特別なコンサートになるはずです
ーー今回のプログラムですが、大変な豪華版ですね。普通ならラヴェルの「ダフニスとクロエ」第2組曲でもメインプログラムになるほどです。
「ダフニスとクロエ」第2組曲は、ボストン交響楽団を指揮してプロとしてデビューした思い出の曲です。『タングルウッド音楽祭』のバークシャー音楽センターでフェローシップを、卒業試験で「ダフニス」を指揮して「クーセヴィツキー大賞」をいただきました。実は私、思い出の曲はあまりやらない主義で、大阪フィルでも2011年に定期以外のコンサートで1度取り上げただけだと思います。他にも、『ザルツブルク・モーツァルテウム指揮者コンクール』で優勝した時のシューマン交響曲第4番もです。シューマンの2番は、『PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)』でレナード・​バーンスタイン先生の下振りをやった曲なので、演奏する機会は多いのですが、4番はまずやらない。大切に取ってあるのです(笑)。今回のプログラムを見て、「カルミナ・ブラーナ」と一緒に「ダフニスとクロエ」第2組曲が入っていて苦笑しました。
今回のプログラムに「ダフニスとクロエ」第2組曲が入っていて驚きました

ーー1曲目は、「大阪俗謡による幻想曲」です。
「俗謡」に関しては、大阪フィル所縁の曲。吹奏楽版の「俗謡」は、大栗裕さんが自らShionで演奏するために書き下ろし、74年にShionによって初演されたそうなので、Shionのオリジナルですね。そして、「俗謡」といえば淀川工科高等学校吹奏楽の指導者の丸谷明夫先生です。大阪フィルの『星空コンサート』で毎年ご一緒させていただきましたし、思い出は多く、話せば長くなります。今回は先生の事を思いながら、この曲を指揮したいと思います。
丸谷明夫先生と打ち合わせをする大植英次 隣は淀工の出向井誉之(2012年大阪フィル『星空コンサート』)

くまモンと2ショット撮影する丸谷明夫さん(2012年大阪フィル『星空コンサート』)
――大植さんがShionを指揮されるという事で一般のファンだけでなく、中高生の吹奏楽部の生徒や、吹奏楽経験者にもたくさん聴きに来て欲しいですね。

これまで数多くの中高吹奏楽部を指導して来ました。優秀な生徒もたくさんいるのですが、次にその学校の顧問の先生とお会いした時、「あの上手な子、どうしていますか」と聞くと「卒業と同時に楽器をやめた」という答えが多いのです。何度「ああ、もったいない!」と叫んだことか。現在の吹奏楽部の活動が、吹奏楽コンクールに特化していて、音楽や楽器を楽しむ余裕がないところが少し残念です。プロとしてやっていくのは、確かに狭き門ですし、卒業後も吹奏楽を楽しめるインフラが整備されていないこともあるとは思います。だけど、音楽を聴くこともやめてしまうのは、本末転倒な気がしてなりません。Shionは吹奏楽経験者の憧れの存在ですし、彼らに夢を与える存在として、今回は度肝を抜くような凄い演奏を私の指揮でお聴かせできればと思っています。
吹奏楽経験者に夢を与えらるような演奏をお聴かせします (c)飯島隆
――大植さん、ありがとうございました。最後にメッセージをお願いします。
「未来がある、夢がある、希望がある、その前提に平和がある」日本の宝であるShionの100年を祝うコンサートですが、大阪の芸術文化の未来を占うコンサートでもあります。間違いなく歴史に残るコンサートになります。ぜひフェスティバルホールにお越しください。
皆様のご来場をお待ちしています
●ソリスト:老田裕子(ソプラノ)コメント
老田裕子(ソプラノ)
――これまで「カルミナ・ブラーナ」は何度くらい歌われましたか。印象に残った思い出があればお聞かせください。
神戸市混声合唱団在籍中に、定期演奏会でソリストを務めさせていただき、それ以来今回が2度目になります。血湧き肉躍る合唱部分も、その時にたくさん練習しました。「カルミナ・ブラーナ」はやはりなんと言っても合唱の持つパワーがすごいと思います。今回のお話をいただいてから、大植マエストロの「カルミナ」を聴くチャンスがあり駆けつけました。マエストロの音楽の熱いパワーに会場中がぶわっと引き込まれて、そのエネルギーに翻弄され、心拍数が上がったままのあっという間の時間でした。今回ご一緒させていただくのを楽しみにしております。
――この作品とご自身のパートについて、どのようにとらえていますか。
世の中の大きな流れのなかでは、ひと1人の存在は小さくて、運命の大きな抗うことのできない流れに巻き込まれているように見えます。しかしその中で、1人1人が美しい魂を持っていて、人生を精一杯生きている。逆にいうと、ひとりの日常の積み重ねが大きな流れ、運命を作っていると感じられ、1人の存在は大きく尊いものだと再認識させられます。​オルフの音楽のなかで、世界は自然も人も生きることの喜びとエネルギーに溢れています。それは決して美しいものだけではないのですが(特に第2部「酒場で」)それも含めた人間というものを愛おしく感じます。ソプラノソロは若者と乙女の恋が歌われる第3部「愛の誘い」からになります。恋に悩む心のゆれ、葛藤、そして自分で道を選ぶ決意を歌う「天秤棒に心をかけて」は本当に美しい音楽です。ピュアなところから、花開き愛を受け入れるまでの音楽の振れ幅は広く、喜びを持ってしなやかに歌いたいと思っています。
――今回は吹奏楽との共演です。本公演への抱負をお聞かせください。
吹奏楽での「カルミナ・ブラーナ」ということで、オーケストラ版より更に増した運命の女神のパワーを感じられるのは、間違いないのではないでしょうか。そして大阪フィルハーモニー合唱団(2017年の演奏も素晴らしかった!)、岸和田市少年少女合唱団と共に、日本を代表する交響吹奏楽団オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラの創立100記念を祝う今回のコンサート。是非たくさんの方々に聞いていただきたいです!

●ソリスト:清水徹太郎(テノール)コメント

清水徹太郎(テノール)
――これまで「カルミナ・ブラーナ」は何度くらい歌われましたか。印象に残った思い出があればお聞かせください。
過去3回テノールソロを務めさせていただいております。合唱でも過去2回出演させていただきました。特に印象に残っているのは、初めて「カルミナ・ブラーナ」を経験した京都市立芸術大学在学時の合唱の授業でした。曲のあまりの迫力と色彩の豊かさに驚愕しました。しかし学生が演奏するには非常に難易度が高く、各パートの音域の広さに四苦八苦した思い出があります。
――この作品とご自身のパートについて、どのようにとらえていますか。
この作品のテノールソロの登場は「白鳥が焼鳥になるアリア」の一曲だけですが、その苦しみを表現するために非常に高音域を求められています。通常よりかなりハイポジションで歌えるよう身体の準備と心構えを持って臨んでいます。
――今回は吹奏楽との共演です。本公演への抱負をお聞かせください。
「カルミナ・ブラーナ」の吹奏楽との共演は今回が初めてになります。オーケストラ版との違いや、吹奏楽版ならではの迫力を非常に楽しみにしております。
●ソリスト:青山貴(バリトン)コメント
青山貴(バリトン)
――これまで「カルミナ・ブラーナ」は何度くらい歌われましたか。印象に残った思い出があればお聞かせください。
5〜6回ほど歌っております。初めて歌った時はやはりものすごく緊張しました。当時まだ修了間近の大学院生でした。合唱も歌った事がないのにいきなりソロの機会となりました。とにかく難易度が高いです。音域も広く、低いところから超高音、求められる表現の幅の広さ、バリトンなのにファルセットを駆使して歌う部分もあります。バリトンソロだけ他のソロよりも歌う量が多いです(汗)!
――この作品とご自身のパートについて、どのようにとらえていますか。
どの曲もエネルギーに満ち溢れています。女神を讃える人々、不満をぶちまける若者、飲みながら偉そうに語る大僧正、愛の苦しみを吐露する男、乙女への求愛〜愛の成就〜歓喜。この場面や人物像が目まぐるしく変わって行く様子を、なるべくはっきり演じ分けるように歌いたいです。古代を思わせる音楽、力強いリズムが取り入れられ、メロディが何度も反復されてどんどん盛り上がっていきます。この圧倒的な音楽に飲み込まれてしまわないように、しかしある意味、玉砕覚悟で、その音楽に挑んでいくような気持ちも必要だと思っています。
――今回は吹奏楽との共演です。本公演への抱負をお聞かせください。
吹奏楽版で演奏するのは初めてです。大変珍しい機会ではないかと思います。管楽器中心の編成ですから、やはりすごいボリューム、また違った形のエネルギー、魅力が生まれるかと思います。とても楽しみにしております。初共演となります大植英次マエストロのもと、素晴らしい演奏会になります様に是非頑張りたいと思います。
取材・文・撮影= 磯島浩彰

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