a flood of circle 「今が一番無敵
の自信がある」ことを証明した、ツア
ーファイナル公式レポート

a flood of circleが7月13日に東京マイナビBLITZ赤坂で開催した『a flood of circle Tour“CENTER OF THE EARTH”~アーユーハイテンション?~』ファイナル公演のオフィシャルレポートが到着した。

6月9日の千葉公演から全国12ヵ所を回ってきたa flood of circle(以下AFOC)のワンマンツアーが7月13日、マイナビBLITZ赤坂でファイナルを迎えた。ツアータイトルは『a flood of circle Tour“CENTER OF THE EARTH”~アーユーハイテンション?~』。今回のツアーは今年3月にリリースした9thアルバム『CENTER OF THE EARTH』と4月24日にリリースした10thシングル「The Key」をひっさげてのものだった。
a flood of circle 撮影=新保勇樹
“おはようございます。a flood of circleです”という佐々木亮介(Vo/Gt)によるお馴染みの挨拶から、“Are you ready!?”とライブは『CENTER OF THE EARTH』のオープニングを飾る「Flood」でスタート。一気に加速をキメたバンドの演奏に火をつけられた観客がぐぐぐっとステージに押し寄せ、早くもモッシュが始まる。
そこから2時間たっぷりとバンドは『CENTER OF THE EARTH』と「The Key」の収録曲を軸に全21曲を披露した。「Flood」から「The Beautiful Monkeys」「Vampire Kila」……とバンドが躍動感に満ちたパフォーマンスとともに狂騒のロックンンロールをたたみかけるようにつなげ、モッシュ、ダイブ観客を存分に暴れさせると、今度は「Drive All Night」「Rodeo Drive」「美しい悪夢」のダンスビートで踊らせる。ミラーボールを輝かせ、ダンスフロアを演出したスウィンギンな「美しい悪夢」では佐々木が“ナベちゃん! On bass, HISAYO! アオキテツ!”とメンバーを紹介しながら、それぞれにソロを披露して客席を沸かせた。
a flood of circle 撮影=新保勇樹
そして、“輝いている君には誰も敵わない”というメッセージを込めた佐々木の歌を、2ビートの早い演奏にもかかわらず、観客がしっかりと受け止めた「Youth」からの後半戦は、佐々木が曲に込めた思いを語りながら1曲1曲、じっくりと聴かせていった。
“ここにいる人たちに愛をこめて”
ツアーファイナルに足を運んだ観客に感謝の気持ちを込めながらアカペラで始めたソウルフルなバラードの「スノードームの夜」ではスモークと照明を巧みに使い、歌詞にある星空の雪景色を描き出してみせる。ロックンロールバンドを掲げながら、単に荒々しいだけじゃないところがAFOCならではと改めて思わせる心憎い演出だった。
a flood of circle 撮影=新保勇樹
a flood of circle 撮影=新保勇樹
a flood of circle 撮影=新保勇樹
そして、「The Key」からバンドの演奏は再びテンポアップ。
“テンション低いんじゃないですか!?”とアオキテツ(Gt)が煽った「ハイテンションソング」から「Dancing Zombiez」につなげると、ダンサンブルなビートにモッシュとダイブで応えた観客は、“ここから始めようぜ! 俺たちとあんたたちの明日に捧げます!”と佐々木が言った「シーガル」で佐々木が客席に向けたマイクに向かってシンガロング。そこで生まれたアンセミックな空気は、“まだまだやれるぜ! 行ける気しかしない。全然ゴールじゃない感じがうれしいです。ここから始まるってマジで歌える。俺も君も一緒に進むしかない!”という佐々木の言葉に応え、アオキのギターがファンファーレのように鳴った本編最後の「Center Of The Earth」で、さらに大きなものになり、会場全体を包み込んだのだった。
a flood of circle 撮影=新保勇樹
今回のツアーは、アオキが正式加入してから初めてのワンマンツアーだったわけだが、その中でバンドはアオキ加入後に感じ始めていた新たな可能性の手応えを、さらに確かなものにしたに違いない。斬りこむようなリードプレイとエネルギッシュなリズムプレイを使い分けながら、ギラギラとした音色とフレーズで存在を主張するステージ上のアオキを見ていても、彼の加入がバンドにとって新たな刺激になったことは想像に難くない。
だからこそ、バンドならではのグルーヴを追求した『CENTER OF THE EARTH』というアルバムが生まれたんじゃなかったか。そのアルバムの曲を中心に演奏したツアーを経て、唯一無二の歌声を持った才気あふれるフロントマンの佐々木、パワーとテクニックを合わせ持つ渡邊一丘(Dr)、軽やかなステップを踏みながら、ぶりっと太い音で演奏を支えるHISAYO(Ba)。そして、正式加入前に1年半、サポートを務めていたとは言え、10年のキャリアを持つバンドに加入して、臆することなくここまでぐいぐいと食いこんだアオキからなるAFOCは今、新たなグルーヴに加え、さらにタイトなものになった結びつきも手に入れたようだ。この日、佐々木はその手応えを言葉にせずにいられなかったらしい。
a flood of circle 撮影=新保勇樹
“俺らの次の物語の1歩目”
ダブルアンコールを求められ、ステージに戻ってきた佐々木は、11月6日にメンバー全員が作詞・作曲を担当したミニアルバム『HEART』をリリースすること、デビュー10周年を記念して、9月5日に新宿LOFTで開催する1stアルバム『BUFFALO SOUL』と2ndアルバム『PARADOX PARADE』の再現ライブの音源が、その『HEART』にボーナストラックとして収録されること、そして11月から来年1月まで、再びワンマンツアーを行うことを発表。
a flood of circle 撮影=新保勇樹
a flood of circle 撮影=新保勇樹
a flood of circle 撮影=新保勇樹
a flood of circle 撮影=新保勇樹
“やりたい放題やってくぜ。ついて来い!”
佐々木がそう言い放ってから、最後の最後にバンドが演奏したのは、バンドが長年、歌い続けてきた「世界は君のもの」。可能性に満ちた未来を肯定しながら、それを現実のものにするのは自分しだいと歌うこのアンセムほど、ツアーの終着点だったにもかかわらず、AFOCの新たな始まりを祝福するこの日のライブの大団円にふさわしい曲はなかった。観客のシンガロングが響き渡る。
そして、ステージを去る前に“今が一番無敵の自信がある”と言った佐々木に観客全員が拍手喝采したのだった。
取材・文=山口智男 撮影=新保勇樹
a flood of circle 撮影=新保勇樹

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