果歩

果歩

【果歩 インタビュー】
新しいときめき、新しい出会いって
結構すぐそこにある

音楽が嫌いにならないように、
自分が好きな音楽をできたらいい

「ゆるり」の歌詞からは、果歩さんご自身が自分の成長を感じていると思しき様子も感じられます。《その街角 曲がったら/新しいときめきに襲われたあたしは》や《その街角 曲がったら/新しいあたしが笑っているから》がそうなんですけど、この辺は“アーティストとしてのブランニューな姿を重ねたのかな?”なんて、ちょっと想像もしたのですが、その辺はいかがでしょうか?

そうですね。それこそ「ゆるり」がTV アニメ『聖剣学院の魔剣使い』エンディングテーマになって大きい仕事だったというのはあるんですけど、この2年間に“ここから変わりたい”というのがあって。2年前は大学生だったんですよ。大学に通っていて、卒業したのがちょうど2年前なので、今は世間で言うと社会人2年目の年で。大学卒業は自分自身と向き合ったタイミングではあって、“このまま音楽を続けるにしても、今までよりも頭を使わないといけないんじゃないか?”とか、“大事にしたい自分はもちろんあるけど、それを大事にしながら音楽を続けていくためには、今後どういうふうにしなくちゃいけないか?”とか、すごく考えたので、もしかしたらそういうところが歌詞に出ていたのかもしれないです。

その一方で、「ゆるり」には《ゆるりといこうよ/鼻歌口ずさんで》というフレーズもあります。これはどんなふうに理解すればいいでしょうか? 

“自分らしくいたい”というのはずっとあるので、そこはストレートに“自分らしくいこうよ”という意味じゃないけど、それくらい気張りすぎないで、カッコつけすぎないでいたら、新しいときめき、新しい出会いみたいなのって結構すぐそこにあるし、実際に“気づいたらあったな”ってすごく思いました。

その冷静さは素晴らしいですね(笑)。

(笑)。基本的にずっと冷静かもしれないです。頑張りすぎないっていうか。それは“なぜ自分が音楽を始めたか?”って言うと、やっぱり音楽が好きだからで、嫌になっちゃうくらい頑張りすぎないっていうのはあって。“音楽が嫌いにならないように、自分らしく、自分が好きな音楽をできたらいい”っていうのはずっとあるので、そこは大事にしたいと思っています。

大きく成長したことを感じさせる一方で、変化してないところ、果歩さんらしさ…みたいなのもちゃんと残ってるのがEP『まばゆい』の良さでもあるのかなと思っています。特にM7「せかいのひと」の《覚え始めた各駅停車、駅の名前/きみの街まで数百円》は果歩さんらしい歌詞ですよね。

ありがとうございます! これはやっぱり電車に乗っている時に浮かびました。好きな人に会いに行ったり、何度も同じところに行くと嫌でも覚えちゃうじゃないですか(笑)。“まだ着かないのかなぁ”とか思うし、“待ち遠しいなぁ”って思う時もあるし、その時間の経過はいろんな人が経験したことがあると思うので、“あぁ、分かるなぁ”って思いながら聴いてほしいって思って作りました。

M1「朝」の《公園、コンビニ、駅のホーム、/昔の恋人が住んでいた街》もそうで、果歩さんの描く日常的な光景は相変わらず、とてもいいんですよ。今回はM7「せかいのひと」の具体的に言ってないけど、多くの人が光景を想像できる描写は特に素晴らしくて、私は大絶賛でございます。

嬉しい! めっちゃ嬉しいです! 電車に乗っている時に“人はこういうふうに物事を覚えるんだな”ってすごい温かい気持ちになって、それはやっぱり各駅停車で、夕陽が電車に差し込んできて、人もあんまりいなくて…みたいな時で、“この気持ちを曲にしたらすごく分かってくれる人がいるんじゃないかな?”と思って。それを自分の言葉だけで書くとやっぱり伝わり切らないところがあるから、“より大勢の人に自分の歌で伝えるためには?”って、すごく考えて作りました。

さて、本作を引っ提げて11月からは東名阪のツアーが予定されています。東京はバンドセットでワンマンですが、ツアーはどんな感じになりそうですか?

やっぱり社会人になって“頑張ろう!”と思ってから2年間やってきて、自分が書いてきた曲は自分自身が好きで書いてきた曲ばっかりなんですけど、そういう自分が好きで書いている曲を聴いてもらって、それを好きだと思ってくれてライヴに聴きに来てくれる人がちょっとずつだけど増えているのはすごいことだと感じているんですね。なので、自分の“好き”という気持ちを大事にして、足を運んでくれる方々にも、その“好き”を好きと言ってもらえるような内容にしたいと思っています。

取材:帆苅智之

配信EP『まばゆい』2023年11月8日リリース make lip records
    • ※詳細はオフィシャルHPなどをチェック

ライヴ情報

『果歩 『まばゆい』Release Tour 2023』
11/23(木) 大阪・心斎橋 MUSE BOX
w)フジタ カコ、ちゃんゆ胃
11/24(金) 愛知・名古屋 鑪ら場
w)ゆいにしお、ぞうつかいになった。
12/01(金) 東京・下北沢SHELTER
※果歩band setワンマン

果歩 プロフィール

カホ:新潟県出身のシンガーソングライター。2018年4月に上京し、下北沢や渋谷を中心に活動する。15年8月より新潟を拠点にライヴ活動を開始し、17年5月には新潟の大型サーキットライヴ『NIIGATA RAINBOW ROCK』に初出演。同月、AbemaTV『日村がゆくフォークソング大会』の第一回大会で優勝を果たす。19年2月に初流通となるシングル「光の街」を、同年10月には初全国流通盤EP『水色の備忘録』をリリースし、 東京での初ワンマンライヴを下北沢SHELTERにて開催。23年10月に初のアニメタイアップ曲として書き下ろした「ゆるり」を配信リリース、同曲も収録した配信EP『まばゆい』を同年11月に発表。 果歩 オフィシャルHP

「ゆるり」MV

「pool」MV

「せかいのひと」MV

「朝」MV

「海」MV

OKMusic編集部

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