L→R MASA(Ba)、ゆきちか(Dr)、松野浩介(Vo)、白井 岬(Gu)

L→R MASA(Ba)、ゆきちか(Dr)、松野浩介(Vo)、白井 岬(Gu)

【THE だいじょぶズ インタビュー】
シンプルに4人のできることを、
それぞれ一生懸命やろうぜ!

2022年はアルバム『雨発晴行』(4月発表)をリリースし、12カ月連続自主企画ライヴと全国ツアーを敢行! 23年1月にはゆきちか(Dr)が加入し、新たなグルーブも手に入れたTHEだいじょぶズが1st EP『ゲンシ・ノ・テンシ』を完成させた。原点回帰かつ最新型となる、最新作について語ってもらった。

シンプルに4人のできることを、
それぞれ一生懸命やろうぜ!

昨年4月のアルバム『雨発晴行』リリース時は12カ月連続自主ライヴ真っ最中で、リリース後はアルバムを提げて全国ツアーを開催。そんな前作からの1年強ですが、THEだいじょぶズにとってどんな期間でしたか?

松野
非常に苦しい期間でしたね。12カ月連続自主企画をしながらの全国ツアーって、自分でもどうかしてると思ってだけど、本当にしんどかったです。でも、それによって気づくこともたくさんありましたね。
MASA
11月には“24時間ライヴ”っていう頭のおかしい企画もやったし(笑)。他のバンドが絶対にやったことのないことに挑戦してみて分かったこともあったし、僕らにしかできないことだっていうのが分かったので、それはそれ次につながる糧になったと思います。

最新EPを聴いて、ライヴ感と音源ならではの表現を両立させた上で、メッセージや楽曲をよりシンプルに力強く聴かせる作品だと思ったんです。たくさんのライヴをやって辿り着いた答えって、実はものすごくシンプルなものだったんじゃないかと思ったのですが。

松野
『雨発晴行』ができてツアーに行ってる最中に、ここまでのTHEだいじょぶズがひとつ完成した感じがあったんです。だから、次はまた新しいスタートのアルバムを出したいって気持ちがみんなにあったし、“それをどう表現するか?”ってタイミングでメンバーチェンジがあって、“これ、余計にシンプルにできるぞ!?”となり、そこからはぼんやりあったものがどんどんはっきりとかたちになっていくようなイメージでした。ゆきちかが入ってすぐレコーディングだったんで、“取り繕ったって仕方ねぇだろう”ってところもあったし。まさに“シンプルに4人のできることを、それぞれ一生懸命やろうぜ!”と挑んだ作品ですね。
白井
それで出来上がってみたら、今やりたいこと、目指したものが想像以上にはっきりとかたちになっていて、すごく嬉しかったですし、未来は明るいと思えました。

MASAさんはアルバム完成しての感想はいかがですか?

MASA
最後に収録されている「We are the KUSO world」は2017年くらいから原曲があったんですけど、それが時を経て、ゆきちかと合わせたことでバチッとハマって。こうして、しっかりかたちにできたことが、僕の中ですごく大きかったので、ぜひ聴いてほしい一曲ですね。シンプルなところに回帰しながらも、また新たな一歩が踏み出せたと思っています。

ゆきちかさんとの新しいグルーブはどうですか?

MASA
もうロックスピリッツがバチバチっす! 年齢が僕の半分なので息子とセッションしてるような感覚ですけど、楽しいです(笑)。

ゆきちかさんの加入はバンドにどんな影響を与えました?

松野
影響はでかいですよ。フレッシュさもあるし、既存曲を練習していても、僕らとはまったく別の視点で解釈してくれたりして。アレンジを少し変えて、生まれ変わった曲もたくさんあるんです。

ゆきちかさんはTHEだいじょぶズに加入して、初めての音源が出来上がっての感想はいかがですか?

ゆきちか
最初に浩介さんから“遠慮はするな”と言われていたんで、個人的にやりたいことを詰め込ませてもらえたし、今まであったようなサウンドも出せたし、自分らしくアレンジできたところもちゃんとあって、現状でできる限界は出せたと思っています。

加入前、THEだいじょぶズにはどんなイメージを持っていました?

ゆきちか
言葉が正しいか分からないですけど、ずっと無謀なことをし続けているなって(笑)。恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンを成功させたり、12カ月連続で自主企画をやったり。ライヴハウスバンドの枠組みを超えて、いろいろなことをしているのを尊敬の目で見ていましたし、このバンドを支えられるようになりたいと思ったし、浩介さんを日本一のヴォーカリストにしたいと思って加入したので、それができないと意味がないと思っています。

おぉ、なんて頼もしい! 「We are the KUSO world」が古い曲だという話が出ましたが、今作収録の新曲はどんな経緯でできていったのですか?

松野
ほとんどが昨年できた曲なんですけど、曲も順番も何度も入れ変えて、最後の曲だけが決まらなくて“どうしよう?”となった時、「We are the KUSO world」を持ってきたら、バチッとハマって“これだ!”になったんです。あと、「ハレルヤ」ができた時は“これでアルバムが作れる!”って手応えを感じました。それに合わせて、他の曲を作っていったところもありましたし。あと、そのタイミングでゆきちかが入ってくれたのも、すごく大きかったですね。
白井
僕は昨年のツアー中に「ハレルヤ」の歌詞を見せてもらって、すごい感動したことを覚えていますね。そこからアレンジしていって、今や僕の中ではTHE だいじょぶズの代表曲だと思える曲になったし、これからも代表曲として演奏し続けていきたい曲になりました。

辿り着いた答えはものすごくシンプルなものだったんじゃないかという話をしましたが、「ハレルヤ」で歌っている“僕らは生きてる”という喜び、「We are the KUSO world」で歌っている“君ひとりに届けばいい”という願い、それも辿り着いたシンプルな答えなんじゃないかと思いました。

松野
「We are the KUSO world」は作った頃と、今歌ってる時の気持ちが全然違っていますね。ツアー中、場所によっては観客がひとりとかのところもあったので、そんな風景も思い出しながら歌えていて。歌詞も書き変えてやろうと思ったんですけど、何も変えるところがなかったし、この歌詞を書いた当時と比べると今のほうが生きづらい世の中になっている気がして、このタイミングで出せたことに運命を感じますね。

そうですね。コロナの影響もあって、ひとりの世界に閉じこもってしまってる人も増えてる気がするし。そんな人の手を引いて、ライヴハウスに連れて来てあげられるような一枚にもなるといいですね。

松野
ライヴを感じられることというのは、すごく意識しました。レコーディングの時も“上手に弾かなくていいからライヴを想像して!”と言っていたし。特に「デンジャラスクレイジーショー」はきれいな仕上がりにしたくなかったので、俺がカウベルを足首に付けて、動くたびに鳴らしたり(笑)。

あははは。それぞれ思い入れの強い曲や印象的なでき事はあります?

MASA
僕は「フルスイング」を録る時、“この曲は一球勝負でいくから”って言われて一発録りだったんですけど、全然納得いかなくて! なので、監督のところに言って“もう一回、打席に立たせてください!”ってお願いして、もう一回録らせてもらったんですけど、もっと良くなくて(笑)。結局、ワンテイク目を使いました。
ゆきちか
僕は“コーラスをやれ!”と言われて、歌がうまくないからもちろんハズすんですけど、浩介さんに“誰もお前のこと責めねぇから、全力で歌ってこい!”と言われて歌って。結果、“めっちゃいいじゃん!”って言ってもらったんですけど、コーラス録りでそんなこという人はあまりいないんで、すごく印象的でした(笑)。
白井
僕もコーラスなんですけど、今まで主旋律をハモっていたのが脱退したメンバーだったから“俺がやるしかねぇな”って状況になり、浩介さんの歌に寄り添って歌うことをすごく意識して…だから、ギターはもちろん、今回はコーラスにすごい力を使いました!

ここからライヴで新曲たちが育っていくのもすごく楽しみですね。

松野
そうですね。あと、ゆきちかが入ったことで“ドラムが変わると、こんなにサウンドが変わるんだ!?”と思ったし。新しいTHE だいじょぶズのかたちを構築していきたいと思っているんで、ぜひツアーも遊びに来てほしいです。

取材:フジジュン

EP『ゲンシ・ノ・テンシ』2023年8月2日発売 屋根裏音楽舎
    • YNOG-010
    • ¥1,650(税込)
THE だいじょぶズ プロフィール

ザ・ダイジョブズ:元吉本興業所属の芸人だった松野浩介を中心に、2017年より現体制で活動開始。当初はお笑いを混ぜたバンドだったが、本格的なロックバンドへと成長。結成3年目には無謀だと言われた恵比寿LIQUIDROOMでのワンマンを大成功させた。型破りな活動だけでなく、音楽への大きなリスペクトとともに松野が描く、老若男女誰でも共感できるリリックが聴く者の背中を押す。22年は12カ月連続自主企画ライヴをスタートさせ、4月に3rdアルバム『雨発晴行』を発表し、リリースツアーも開催予定。 https://twitter.com/thedaijobusTwitter
オフィシャルHP

「ハレルヤ」MV

『ゲンシ・ノ・テンシ』全曲完全解説

L→R MASA(Ba)、ゆきちか(Dr)、松野浩介(Vo)、白井 岬(Gu)
EP『ゲンシ・ノ・テンシ』

OKMusic編集部

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