L→R 佐々木ヒロシ(Dr)、ノホリサチオ(Vo&Gu)、YUJI(Ba)、濁川優樹(Gu)

L→R 佐々木ヒロシ(Dr)、ノホリサチオ(Vo&Gu)、YUJI(Ba)、濁川優樹(Gu)

【BARICANG】間違いじゃなかったと自
分自身胸を張って思える作品

絶え間なくライヴ活動やデモ音源のリリースなど精力的な活動を行なってきたBARICANGが、5年振りとなる全国流通盤をリリース! 気持ちの面ではほぼ初めてに等しい作品となったという今作のリリースを11月5日に控えた、現在の心境などについて訊いてみた。
取材:高良美咲

BARICANGは2008年に結成されたとのことですが、結成のいきさつというのは?

ノホリ
結成以前に、前ギターとアコースティックユニットをやっていたのですが、やはりバンドをやりたいという気持ちが徐々に強くなっていき、まずはそのふたりを中心にしてBARICANGを結成しようという運びになりました。それから知り合いの紹介やネットの音楽出会い系サイトなどを通じて、ドラムの佐々木ヒロシ、ベースのYUJIに遭遇しました。
佐々木
加入してすぐに、“ミニドラムを安く買っておいたから!”とお金を請求され、さらにPA機材のお金を貸すはめになる…というところからストリートライヴ中心の活動が始まりました。
ノホリ
ストリートライヴは自分らにとってある意味ベースだったので、まずはそこから始めようと思って…ミニドラムはただの親切心です! PA機材については…お世話になりました!! そして、YUJIは加入当初アイドル的存在でした。今ではもう立派ないじられキャラです。それに前ギターを加えた4人でスタートを切りました。でも、もともとアコースティックユニットのふたりを中心に据えたバンドということで、そもそもバンドって何だろう?ってところからみんなで試行錯誤しました。なんせ、アンプのEQのつまみもちゃんと触ったことない感じでしたから…。そうやってひとつひとつ手探りしながら、徐々にライヴハウスへの出演も増やして、地方ツアーに行くようにもなって、でもストリートライヴは変わらず続け、結成2年目くらいには年間100本以上のライヴをするようになっていました。ライヴハウスの第一線で活躍するアーティストに比べると自分たちには圧倒的に経験が足りないと思っていたので、とにかく動いて動いて動き回ってました。バンドを始めたきっかけもそうですけど、アコースティックユニットの時は考えすぎで動かないってことでたくさん後悔したので、“まず考えるより先に動いてみる”の精神は強く持ち続けてました。そして、2012年にはほぼ手売りチケットによる横浜BLITZワンマンライヴを成功させました。
佐々木
2013年の頭くらいに前ギターの寿退社が決定しました。しかし、その当時4人それぞれがこのままBARICANGを終わらせたくないという気持ちを持っていたので、脱退が決定した状態でも活動を止めることなく4人で新曲も作り続けていったし、ツアーも変わらず行ないました。脱退後も変わらず3人でツアーに行きましたし、ストリートライヴも続けていました。そんな中、地元のライヴハウスから紹介してもらったのが濁川で。初めて一緒にスタジオ入った時の濁川は震えていましたね。それはもうプルプルと(笑)。
濁川
今でも鮮明に覚えてますね。ライヴハウスで働いていた時、店長にやってみないかと言われたことをきっかけにスタジオに入りました。それまでBARICANGの存在はもちろん知っていて、憧れの存在であり、いちファンでもあったんです。そんな人たちと同じ空間で音を奏でることに対して、とんでもなく緊張していました。スタジオに入ると決まる前から練習していた曲のワンフレーズですら、満足に弾けなかったですね。気付いたら手も足も小刻みに震えていました。
YUJI
濁川はサポートギタリストとして、前ギタリストがいた時の曲のフレーズを文句ひとつ言わずに引き継いでくれていました。正式メンバー並みにツアーにも連れて行きましたし、ストリートライヴも何度も一緒にやりました。前ギタリストが残していったフレーズから試行錯誤して、この4人での新曲を作ったりもしましたね。そして、今回リリースするミニアルバム『溶ケテ合ワサリヒトツト成ル』のレコーディングから正式メンバーになったんです。
ノホリ
音楽性という意味では、バンドとしても、個人としても真ん中にあるものは何も変わらないですね。それこそアコースティックでやってた時から。歌を届けるということ。感情を振り絞るということ。ただ、伝える手段は変わっていくものだと思っています。バンドになったことで変わっていくもの、ひとり変わったことで変わっていくもの…細かいところで言えば自分のできることが増えることによって変わっていくものも日々たくさんです。それはきっと、今できる全てを自分たちの信じた音楽に注ぎ込もうとしているからだと思います。

絶え間なくライヴ活動やデモ音源のリリースなど精力的な活動を行なっていますが、今回5年振りに全国流通盤をリリースをしようと思ったのは?

ノホリ
これまでにも全国流通盤を2枚出させてもらってるんですけど、そのどちらも活動し始めてから1年以内にリリースしていて、正直右も左も分かっていないのに流通してもらえる状況は整っていて…できるんならやってみようかという感じで、結果はもちろんそんなに甘くなかったです。それから、今一度ちゃんと自分たちのいる場所を再確認するためにまずはデモ音源からという結論に至りました。ライヴを観てもらって、そこで直接音源を届けることを活動理念として。そうやってずっとセルフプロデュースでやっていくうちに、全国流通盤について徐々に知る機会が増え、その良さも怖さも知り、単純に性格もそうなんですけど“手にしたものを守らなきゃ”ってほうにベクトルが向いてしまっていました。転がり続ける自信も覚悟もなかったんです。だから活動はアグレッシブなのにどこか最終的な一歩が重たいというか、外から見たらすごく保守的なバンドに見えていたと思います。
YUJI
そんな時に今のプロデューサーと出会って強烈に背中を押され、重たい一歩を踏み出せたんです。ライヴの作り方の助言や、楽曲制作での助言…何よりいつも自信を与えてくれますね。その自信もあって今回全国流通しようという気持ちになりました。5年振りの全国流通ですが、気持ちの面ではほぼ初めてに等しいです。
濁川
全国流通が初めての自分にとっては、大きな期待以上に不安もものすごくありました。そんな不安も気合いへと変えてくれるプロデューサーと出会い、制作が始まったんですけど、それまでの僕は今までのBARICANGを求めて制作をしていたのが、プロデューサーとの出会いで自分らしさを出していけるようになりました。“これがBARICANGです!”って胸を張れるような、そんなビジョンを持ってフレーズを考えていきました。

制作にあたってプロデューサーを迎えたことは、バンドにとってどのような刺激や発見がありましたか?

YUJI
まずはスピードですかね。曲が出来上がるスピードが確実に早くなりました。あれこれたくさん考えていると意外と時間がかかるんですよ。とりあえず衝動的なものをまず詰め込んで、そこからプロデューサーの意見が入って、引き算したりしていく作業だったので、本当に早くなりましたね。自分たちにはない引き出しもたくさん持っている方なので、本当に毎回目から鱗でした。
ノホリ
あとは、セルフプロデュースでやってた時の楽曲制作って、少なからずベクトルがメンバーに向いてしまってたんです。全体のバランスとかつじつまとかちゃんとしなきゃって。それをするのは自分の役割だと思い込んでいて。それが今は、そういうある一定のジャッジをプロデューサーにお任せできてるので、4人で一丸となってやりたい放題やらせてもらってます。結果スピードも上がって、まさにノーストレス楽曲制作です。

今作が出来上がり、11月5日にリリースを控えた現在の心境は?

ノホリ
正直まだビビっています。でも、それ以上にワクワクしています。関わってくれる人が増えた分、背負うものが増えた分、腹に抱えた決意はより一層大きなものになりました。

収録された7曲の中には再録も多くありますが、この選曲についてはどのようにされたのでしょうか? 今作のために書き下ろした楽曲はありますか?

佐々木
メンバー、制作チームと前ギターによる選曲会議で決定しました。ほぼ決まりかけた時、ノホリから本来選曲会議で選ばれなかった7曲目「空模様」を入れたいと連絡があったんです。この曲は以前からとても大切にしているし、この曲に何度も助けられてきたのでどうしても連れて行きたいということで収録することになりました。今作のために書き下ろした楽曲は、「タイムカプセル」「いないいないばぁ」「アポトーシス」の3曲です。

今回挑戦したところはどんなところですか?

佐々木
以前まではノホリのメロディーからアレンジを決めていたのですが、今作の新曲は濁川のギターフレーズからメロディーとアレンジを決めていくという新しい試みで制作をしていきました。

「バイバイ遊び」は、ギターのリフと、繰り返し出てくる“バイバイ”というフレーズが耳に残りますね。

ノホリ
まったくその印象の通りです。とにかく耳に残る楽曲を、と思って書きました。

「青雲」は各自のソロなど、メンバーの個性を活かした楽曲の構成が印象的でした。録ったのは今回で3回目とのことですが、再録してみて改めてどのような一曲になったと思いますか?

YUJI
この曲はお客さんもですが、周りの仲間(バンドマン)の評価が特に高かったですね。あと、個人的にもすごい好きな曲なので、選曲会議の時も迷わず入れました。再録していく中で、今回は間奏部分が一番カッコ良くなりましたね。ベースソロは初期のアレンジからあったんですが、今回はスラップで派手に見せつけてます。濁川のギターが入って間奏の流れもだいぶ変わったので、歌だけじゃなくバンド全体で攻めている一曲になったと思います。

「いないいないばぁ」をはじめ、楽曲に描かれた日常の中で生まれた感情は単純に明るいわけではなく、素直な悩みなどが描かれているからこそ共感できる部分が多かったです。

ノホリ
24時間365日、悲しいだけってないと思うんです。逆に嬉しいだけってことも。息を止めてしまいたい時も、それでもお腹が空いてしまう時もあって。僕らはそんな中で悩んで迷って、自分の中では大きな、でも他人からみたらきっと小さな決断をしながら生きている。毎回そういうのを全部ひっくるめて抱え込んで、そこからシンプルな感情に落とし込もうと思って書いています。

BARICANGらしい、ライヴが想像できるような疾走感にあふれた楽曲を主軸に、最後を締め括る、切なさにあふれた「空模様」まで、全7曲さまざまな楽曲が揃いましたね。

ノホリ
今までやってきたこと、そしてこれからやっていきたいことが間違いじゃないんだって、自分自身胸を張って思える作品になりました。
YUJI
今までのBARICANGとこれからのBARICANGを感じられる作品だと思います。ワクワクしながら聴いてもらいたいですね。

タイトルに付けられた“溶ケテ合ワサリヒトツト成ル”という言葉に込められた意味とは?

ノホリ
過ごしてきた時間、触れ合ってきた人たち、今いる自分はその経験やそこで動いた感情が溶けて合わさってひとつになってるんだと思うんです。メンバー、元メンバー、プロデューサー、スタッフ、応援してくれる人、仲間、愛すべき人…自分に関わってくれたあなたたちがいたからこの作品は産まれたんだって伝えたかったんです。

注目してほしい点はどこでしょう?

ノホリ
耳から入ってくる音楽のその先にある映像、ライヴ感を感じてもらいたいです。
佐々木
曲と曲のつなぎ目にはこだわりました。
濁川
新曲と旧譜で前ギターと僕と、ふたり分の気持ちを聴いてほしいなって思います。

改めてBARICANGとはどのようなバンドだと思いますか?

ノホリ
とってもシンプルなバンドです。想いも、込める熱も、ワードも、フレーズも。

そして、今作を引っ提げてレコ初ツアー、さらに11月22日には渋谷CRAWLにてワンマンライヴを行ないますが、意気込みを教えてください。

佐々木
11月22日は以前に横浜BLITZでワンマンライヴを行なったりと、BARICANGにとって思入れが強い日になっています。そんな日にまたワンマンライヴを行なうというのは何か理由があるんじゃないかと思っています。濁川が加入して初めてのワンマンライヴということもあり、以前見たBARICANGと違うところを感じてほしいです。これからのツアーでまだBARICANGのことを知らなかったり、YouTubeでしか観たことがない方とライヴハウスで出会ってつながっていくことができる可能性があると思うと、気合いが入ります。

最後にメッセージがあればひと言お願いします。

ノホリ
プレイボタンを押した瞬間、そこからあふれる音は全部あなたのものになるので、一音一音、ぎゅっと愛してあげてください。
YUJI
CDを手に取ったらPCにすぐにインではなく、まずはコンポのスピーカー、ヘッドフォンで大音量で聴いてほしいですね!
佐々木
BARICANGの新たなスタートを、初めの一音から最後まで、聴き逃さないでください!
濁川
最初から最後まで、一曲一曲に物語があるように、今回の楽曲たちにあなたなりの物語を付け加えてほしいです。
『溶ケテ合ワサリヒトツト成ル』
    • 『溶ケテ合ワサリヒトツト成ル』
    • STR-1033
    • 2014.11.05
BARICANG プロフィール

バリカン:2008年に結成され、地元横浜を中心に活動。ライヴやデモ音源のリリースを行ない、12年12月には横浜BLITZにてワンマンライヴを開催し、700人を動員。13年、ギターのブーリー村松が脱退し、その後サポートをしていた濁川優樹が14年8月に正式メンバーとして加入。同年11月にはバンドとして5年振りとなる全国流通盤『溶ケテ合ワサリヒトツト成ル』をリリース。BARICANG オフィシャルHP

OKMusic編集部

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