L→R 村田京哉(Gu)、大塚祥輝(Vo&Gu)、こーてぃん(Dr)、おとやん(Ba)

L→R 村田京哉(Gu)、大塚祥輝(Vo&Gu)、こーてぃん(Dr)、おとやん(Ba)

【ORCALAND インタビュー】
俺たちがヒーローになる姿を見せる
ジャンプ漫画みたいな作品

下北沢を拠点に活動し、昨年は12カ月連続ライヴ企画『ジントリ』を完遂させたORCALANDが2ndミニアルバム『HERO’S HIGH』を完成させた。ライヴに根づいた活動を行なっているだけに、そのスタンスがそのまま反映されていると言える。そんな作品の制作背景について大塚祥輝(Vo&Gu)と村田京哉(Gu)に語ってもらった。

バンドが目指す場所、
なりたいバンド像が明確化していった

2ndミニアルバム『HERO'S HIGH』が完成しましたが、1stミニアルバム『Travel Notes』を出したのが22年10月なので、まとまった作品としては1年4カ月振りです。前作と聴き比べた時、今作はやりたいことの照準がバシッと合っているというか、一曲一曲でやりたいことが明確になっていて、シンプルながらしっかり伝わる、まさにライヴ映えする曲ばかりだなと。それって昨年、1年かけて行なった12カ月連続ライヴ企画『ジントリ』の影響が大きいんじゃないかと思ったのですが。

大塚
かなり大きかったと思います。12カ月連続でやって、良い日もあれば悪い日もあるというのは当然なんですけど、反省点があったらすぐに翌月に活かして、次の試行錯誤をするというスパンが短かったし、メンバー間で話し合う時間もたくさんあったので、バンドが目指す場所、なりたいバンド像がより明確化していった感覚がありますね。12カ月連続で企画をやるくらいなので、ライヴバンドという自覚はあったんですけど、“だったら、それをどういうかたちにしていくか?”ってところまで考えられたのが今作だと思っています。

1曲目でリード曲の「関係NIGHT FEVER」なんて、まさにライヴを意識した曲ですよね。一発でテンション上がるし、初めて聴いた人も一緒に盛り上がれるし、シンプルだからひとりひとりのプレイもよく見えるし。この曲のギター、イントロからカッコ良いです!

村田
ありがとうございます。『Travel Notes』を作った時は、No Big Deal Recordsに入ったばかりで、分からないことだらけだったんですよ。作品全体で考えるというよりは一曲一曲を単体で考えていた感じがあったんですが、今作は当時は分からなかったお客さんの反応とか、お客さんに求められてるものが分かった状態で作っていった楽曲なので、歌詞というよりは曲やプレイにより統一性がある作品になったと思いますね。自分たちが求められてることが分かった一年だったから、こういう作品になったのかと思います。

今作が完成しての率直な感想はいかがですか?

大塚
“いい作品ができて良かったな”と素直に思いますね「関係NIGHT FEVER」なんて2年前から構想があったんですけど、いまいち突き抜けきれず、完成に至らなかったんです。でも、今回の“HERO'S HIGH”というコンセプトができたからこそ、そこに向けて作れたし、「ラブソングなんかにしてやんないわ」もデモはあって、今回のコンセプトが決まったからこそ仕上げることができました。
村田
「関係NIGHT FEVER」は作る作ると言いながら、3回くらい見送っていて(笑)。サビとかアレンジを変えてもずっとお蔵入りになり続けていたんですが、ようやく今回…しかもリードトラックとして収録されました。このタイミングでバンドの在り方が統一されたから仕上げることができたし、今作のコンセプトがあったから作品にマッチしたんです。この曲の反応が、今はすごく楽しみですね。

難しいと思うけど、“統一されたバンドの在り方”を具体的な言葉にすると?

大塚
今までは4人が“アツいライヴをしたい!”と思っていたとしても、それぞれで向いている方向が若干違っていて。でも、「テレキャスター・ヒーロー」を作って、そこが明確になったと思うんですよ。自分たちの憧れていたバンドたちがいて、その姿に追いつきたい気持ちはあるんですが、“そんなヒーローに俺たちがなっていく姿を突き詰めていこう!”っていうところが、今は4人共通の共通意識になっているというか。今作のリリースと、今の自分たちの在り方っていうのは、かなりマッチしている感じがします。

憧れたバンドたちのようなヒーローにはなれてないけど、ヒーローになっていく過程も見せていきたいっていうのが共通意識であり、今作のコンセプトになったんですね。大塚くんの好きなジャンプ漫画みたいですね。

大塚
まさにジャンプ漫画ですね(笑)。まだ勝利の段階ではないけど、勝利を勝ち取るための友情と努力を見せていきたいです。
村田
あと、結成1年目くらいから掲げているのは、“誰ひとり置いていかないロックバンド”ということで。この言葉のもっとも重要な意味としては、僕たちを中心に輪をどんどん広げて、輪に入ってきた人の手をしっかり掴んで離さないバンドになっていきたいということ。うちの音楽を好きだと言ってくれる人を増やして、そういう人を大事にして強固な輪を広げていきたいと思っているんです。イベントをやることで、ひとりひとりにしっかりと届けることの重要さを改めて感じたし、そこはすごく意識してるところですね。

そんなバンドの方向性を明確にしてくれた、「テレキャスター・ヒーロー」が生まれた経緯は?

大塚
もともと速い4つ打ちの曲が欲しいと思っていたんですよ。我々の憧れた年代、00年代前半の4つ打ちが流行った時みたいな曲をデモで出してはいたけど、その段階では“踊れ踊れ!”みたいな楽曲の雰囲気は分かるけど、刺しきらないみたいなものだったんです。“この曲、ひいては我々バンドにヒーロー感が大事”だって話になり、“テレキャスター・ヒーロー”って言葉が出てきた時に“これだ!”と思って、水を得た魚じゃないですけど、そのテーマが挙がってすぐに曲ができました。
村田
その後は出来上がったデモから、そのテーマを尊重して作っていきました。そういう曲ってあまりないんですが、彼のやりたいことを表現するってところに意識が向いた楽曲でしたね。

4つ打ちでヒーローソング的な要素があってという雰囲気も分かりやすいし、イントロには《時は令和~》というナレーションまで入る遊び心もあったり、お客さんにクラップを煽るライヴと直結したパートもありますね。

大塚
最初の語りの内容とかはみんなで考えました。語りはもともとあったんですけど、内容やサウンドや雰囲気の統一は、みんなで考えて作っていったからこそできたと思います。あと、イメージとしてはフロアーを想いながら曲を作っていました。パソコンの画面に向かって曲を作っているんだけど、画面の先にフロアーを見ながら作ったというか。だからなのか、リリースしたその日にライヴでやったんですが、もうみんなノリノリで! フロアーをイメージして作ったから伝わりやすかったのかなと思いました。
L→R 村田京哉(Gu)、大塚祥輝(Vo&Gu)、こーてぃん(Dr)、おとやん(Ba)
ミニアルバム『HERO’S HIGH』

OKMusic編集部

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