【アップル斎藤と愉快なヘラクレスた
ち】ライヴに来たくなるような作品が
作りたくて
取材:土内 昇
セルフタイトルを掲げた1stミニアルバム『アップル斎藤と愉快なヘラクレスたち』を聴いて、まずそのテンションの高さに驚かされた。ライヴさながらの熱量を放っているのだ。案の定、同作について、うたとギターとジャンプを担当するわたーんが下記のように答えてくれた。
ひと言で言えば“勢い”ですね。ライヴに来たくなるような作品が作りたくて。
また、19歳という若いロックバンドなのに、RAMONESやTHE BEATLESやThe Whoといったクラシックロックの影響を強く感じさせるのも興味深い。自分たちのルーツとなっている音楽やカルチャーに対して、リスペクト感が満載だ。やはり、そういうものが自然と出てくるのだろうか?
その辺は自然には出てないですね。やろうと思ってやってます。やっぱり憧れがあって、憧れの対象みたいなのがないとダメなところがあるんです。楽曲に対してだけで言えば、それはもう、たくさん。憧れるとやりたくなりますからね。そーゆう感じです。
そんな彼らの曲作りで意識していることを尋ねてみた。
意識とかこだわりなんかは、ほとんどなくて自然に、素直に、気ままに作ってたんです。強いて言えばライヴを意識した曲作りはしてました。でも最近は、一見“なんだこりゃ!? 訳分からん”。でも、よくよく聴いてみると、“うーん、あー、なるほど”みたいな、ちょっとヒネくれてみようかななんて感じで作ってます。あとは、曲作りに対して挑戦的、実験的になってますね。たぶん。
まさにロックな楽曲が並ぶ中、“遊び方を忘れたかい?”や“音楽に出逢えたよ”、“だってこれが、僕のやり方なのさ”というフレーズが印象的なラストの「ルール」だけはテイストが違った。
現時点での自分のやり方を歌にしました。今までの自分の活動、経験、人生なんかを総括したようなところもあって、自分という人間の現時点での集大成とまでは言いたくありませんが、そんな感じの歌なのかもしれないです。誰にも侵すことのできない部分があって、それは自分だけのやり方なんです。そこだけはこれからもブレずにやっていきたいと思いまして、そういう曲です。
最後にこの個性的なバンドを、どんなバンドにしたいと思っているのかを語ってもらった。
「何をやるか分からないバンドですかね。いい意味で期待を裏切るようなバンドになりたいですね。自分自身すらも裏切っていきたいです。むしろ、それを期待しててほしいです」
アップルサイトウトユカイナヘラクレスタチ:宇都宮にて2009年結成。全員19歳のクソ男子4人のはち切れんばかりの未知なるパワーを前面に押し出した、そのハチャメチャかつエンターテインメント性あふれるライヴは必見! 歴代のパンク、ロックンロールへ愛を感じずにはいれないコアな音作りと日本語を大切にした歌詞の絶妙なるバランスを兼ね備えた4ピースバンドである。オフィシャルHP
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