L→R 村岡カツ(Ba)、魁-KAI-(Vo)、シモダコータ(Gu)

L→R 村岡カツ(Ba)、魁-KAI-(Vo)、シモダコータ(Gu)

【ALLiCA インタビュー】
ALLiCAのライヴが
みんなの遊び場や
居場所になってほしい

ワクワクドキドキしながら
好奇心旺盛に挑戦しつづけたい

これまでふたりが作ってきた曲で、“この曲はちょっと…”みたいなことはありましたか?

魁-KAI-
ないですね。間奏が長いとライヴの時に持て余しちゃうこともあったんですけど、今はメンバー紹介にしてしまうとか工夫するようになりました。

今回の6曲を聴いて、基本的に前向きなことを歌いながらも時折、反骨精神が感じられるところも聴きどころだと思いました。例えば魁-KAI-さんが作った「下を向いて歩こう」は誰もが知っているヒット曲をモチーフに価値観を逆転させたところが面白いし、未知の世界を探そうと歌う「STRANGER THINGS」の《自分にしか出来ないやり方で/全てをひっくり返してやりたいのさ》という歌詞は、そんな反骨精神を象徴していると思います。そういう反骨精神は意識的に表現しているのでしょうか? それとも意識しなくても自然ににじみ出るものなのでしょうか?

魁-KAI-
反骨精神というよりは、孤独な人にも届けたいという想いですね。例えば100人中99人が上を向こうとか、前を向こうとか思っている中で、上を向けなかったり、そこに馴染めなかったりしているたったひとりに寄り添いたいと思って、あえて下を向こうという思いで、「下を向いて歩こう」で《下を向いて歩こう/涙が全部流れ落ちるように》と書いたんです。

村岡さんはいかがですか?

村岡
自分の心が動いた歌詞って、そういうものが多かったんですよ。だから、自然とそうなってしまうのかな? あまり意識したことはないですけど。
シモダ
カツくんも僕も昔はそういうところを前面に出している時もあったんですけど、死ぬほどライヴをやりながら挫折を含め、いろいろなことを経験してきた中で、いい意味で自分のものになっているというか、虚勢を張らずにそういうものが出せるようになったんだと思います。魁-KAI-ちゃんとは出会ってまだ半年ぐらいなので、これからどんな一面を見られるのかが楽しみですね。
魁-KAI-
頑張ります!(笑)

音圧高めのサウンドメイキングも迫力がありました。レコーディングではどんなことを意識しましたか?

シモダ
リズムセクションを含め、ベーシックは一発で録ったんですよ。音源は音源でこだわるところはたくさんあるんですけど、まず聴いた人がステージにいる僕たちを想像できるように意識したというか、そうなればいいなというのはありました。
村岡
僕もライヴ感を意識しました。聴く人にとって分かりやすくってところで、ライヴに近いほうがいいと考えて、一発録りってこれまでやったことがなかったんですけど、今回挑戦してみました。

魁-KAI-さんは?

魁-KAI-
やっぱりライヴ感ですね。みんながライヴハウスに来たくなるような楽しい雰囲気を歌でも表現できたらと思って、なるべくライヴで歌っているところをイメージしながらレコーディングに臨みました。それともうひとつ、ライヴでは歌詞が聴き取りづらいところがあるので、歌詞をちゃんと伝えられるように歌にしっかりと想いを込めました。

ライヴということで言うと、「ALL I CAN」の《ヘッドフォンの向こうまでは/届けられなかった/画面の向こうまでは この温もりは/伝えられなかった》という歌詞は、魁-KAI-さん自身の実感なのでしょうか?

魁-KAI-
そうです。コロナ禍の期間中、前のバンドで配信ライヴをやった時、ライヴハウスの熱量が伝わらないと思ったので、ライヴハウスに来てほしいという想いを込めて、そこは書きました。

全6曲の中で、特に思い入れのある曲を1曲ずつ挙げるとしたら?

シモダ
1曲っていうのは難しいから、自分の曲にする?(笑)
村岡
そうしよう。自分の曲にしておこう(笑)。
シモダ
そうなると、僕は最後の「同じ空を見ているか」なんですけど、3年ぐらい前に作った曲なんですよ。コロナ禍の期間中で、ライヴハウスが大変な時でしたね。それで、ドネーションを募ったりしてたんですけど、そんな時に《同じ空を見ているか》というフレーズが急に降ってきて、誰も来ないライヴハウスで、もう5分ぐらいでバーと書き上げました。弾き語りしたり、友達を集めてやっている自分のバンドでやったりしたこともあったんですけど、最後の♪ラララ〜はALLiCAでやるようになってから、みんなで合唱したら面白いと思ってつけ加えました。音源になることはないと思っていた曲がこうして音源になったというのがとても嬉しいです。
村岡
僕は「グロテスク」です。昔やっていたバンドでやったこともあるんですけど、僕はしゃべるのがあんまり上手ではなくて。前に言いたいことを1分でまとめろって人から言われたことがあって、その時に“1分以内にまとめてやるよ! でも、おまえに理解できるのか?”って作った曲なんです。正直言って歌う人によってはちょっと違うかもと思ってたんですけど、ALLiCAになってから試しに魁-KAI-ちゃんに歌ってもらったら、めっちゃしっくりきて、そのままやり続けています。

最後に魁-KAI-さん、お願いします。

魁-KAI-
私は「同じ空を見ているか」ですね。自分の曲じゃないんですけど、《例え遠く離れていても》という歌詞が、全国各地にいる私たちのCDを聴いてくれている人とつながっていたいという気持ちや、“遠く離れていても、あなたのことを思って今日もどこかのライヴハウスで歌っているんだぜ”っていう想いとすごくリンクしているんです。だから、CDのジャケットの写真も空なんですよ。

なるほど。そして、現在は全22公演を行なうリリースツアーの真っ最中ですね。

シモダ
ツアーファイナルとなる11月5日の渋谷クラブクアトロまで、一本一本を一生懸命やるだけですね。“ALLiCA”という冠がついているのは22本なんですけど、他のライヴも含めるとファイナルまで50本ぐらいあるんじゃないかな? 僕自身、こんなに長いツアーは10年振りくらいなので、体力が持つかどうか分かりませんけど、一本一本、ひとりでも多くの人に“明日、頑張ろう!”って気持ちになってもらえるように頑張ります!
村岡
全国の美味しいものが待っていると思うと、やる気が出ます(笑)。
魁-KAI-
弾き語りで全国各地を回りながら種撒きしてきたというか、“必ずバンドで戻ってくるから待っていてね”と言ってきたので、今回回るライヴハウスも弾き語りで行ってきた場所を選んでいるんです。そこにメンバーを一緒に連れていって、紹介できるのがすごく楽しみです。

そんなリリースツアーを経て、ALLiCAをどんなふうに発展させていきたいと考えていますか?

シモダ
来年も“こういうことをしようかな?”っていうのはいっぱいあるんですけど、ライヴが全てなので、リリースにしても、MVを作るにしても、こういう取材にしても、ひとりでも多くの人にライヴを観に来てほしいからやっていて、バンド名どおり僕らのライヴがみんなの遊び場や居場所になっていったらいいですね。僕ももう長いことバンドをやってきたので、とにかく楽しくやりたいです。バンドをやっているとギスギスすることも絶対にあるんですけど、“今日のスタジオ、楽しみだな”とか、“みんなとミーティングするの楽しみだな”とか、“こういうことを話したら、みんなびっくりするかな?”とか、自分自身もワクワクしながらバンドを転がしていった先に何があるのかを見てみたいですね。
村岡
まったく同じです。“残りの人生を楽しもうぜ!”という気持ちでやっているので、ALLiCAらしくないことを自分の中に決めずに、変化があるなら受け入れていく気持ちでやっていきたいです。
魁-KAI-
私はメンバーの中でも一番若いし、フロアーにいてくれる仲間も私より年上の方が多いので、みんなが少し昔にやり残したこととか叶えたい夢を私と一緒にもう一度実現できたらいいなという気持ちもあります。そして、私自身も常に一歩先へ挑戦していたいです。面白いことをやってみて、うまくいかなかったら、“ダメだったね。あははは”と笑って、ワクワクドキドキしながら好奇心旺盛に挑戦し続けるバンドでありたいと思っています。

取材:山口智男

EP『在処』2023年7月5日発売 屋根裏音楽舎
    • YNOG-009
    • ¥2,200(税込)

ライヴ情報

『1st EP「在処」リリースツアー「夢の在処」』
7/05(水) 東京・新宿Marble ※ワンマン
7/09(日) 東京・八王子Match Vox 
7/15(土) 神奈川・LIVE HOUSE 小田原姿麗人
7/23(日) 千葉・ライブハウス稲毛K's Dream
8/05(土) 愛知・名古屋 CLUB UPSET
8/06(日) 大阪・堺東Goith
8/11(金) 山梨・Feel Rock CAFE YUMURA
8/13(日) 神奈川・横浜BAYSIS
9/08(金) 広島・ALMIGHTY
9/09(土) 香川・高松MONSTER
9/10(日) 京都・音まかす
9/17(日) 岩手・角蔵ホール
9/23(土) 愛知 club KNOT TOYOHASHI
9/30(土) 岡山 CRAZYMAMA 2ndRoom
10/01(日) 福岡 kokura FUSE
10/02(月) 島根・出雲アポロ
10/13(金) 新潟・NIIGATA CLUB RIVERST
10/14(土) 秋田・LOUD AFFECTION
10/15(日) 宮城・仙台FLYING SON
10/27(金) 福島・郡山 PEAK ACTION
10/29(日) 都内某所
11/05(日) 渋谷CLUB QUATTRO

「ALL I CAN」MV

『在処』全曲トレーラー

OKMusic編集部

全ての音楽情報がここに、ファンから評論家まで、誰もが「アーティスト」、「音楽」がもつ可能性を最大限に発信できる音楽情報メディアです。

連載コラム

  • ランキングには出てこない、マジ聴き必至の5曲!
  • これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!
  • これだけはおさえたい洋楽名盤列伝!
  • MUSIC SUPPORTERS
  • Key Person
  • Listener’s Voice 〜Power To The Music〜
  • Editor's Talk Session

ギャラリー

  • 〝美根〟 / 「映画の指輪のつくり方」
  • SUIREN / 『Sui彩の景色』
  • ももすももす / 『きゅうりか、猫か。』
  • Star T Rat RIKI / 「なんでもムキムキ化計画」
  • SUPER★DRAGON / 「Cooking★RAKU」
  • ゆいにしお / 「ゆいにしおのmid-20s的生活」

新着