ウィーザーの『ウィーザー
(ブルー・アルバム)』は
90年代を代表するL.A産パワーポップ

『Weezer (The Blue Album)』(’94)/Weezer

『Weezer (The Blue Album)』(’94)/Weezer

80年代初頭から中期に流行したシンセポップのチープなサウンドからの反動か、80年代中頃になると重厚なヘヴィメタルに人気が集まる。90年代にはニルヴァーナやパール・ジャムをはじめとするオルタナティブな感覚を持ったグランジのグループが圧倒的な勢力で世界へと展開していった。カート・コヴェインやエディ・ヴェダーら、60sロッカーのようなスーパースターを輩出するものの、90sに求められるのは等身大のロッカーであった。その頃、CMJ(カレッジ・メディア・ジャーナル)で人気を集めたのはREMやべックといったオタク系ロッカーだったことがその証明になるかもしれない。

今回紹介するウィーザーもスター性のないアマチュアグループ的風貌であったが、シンプルなビートと軽妙なパワーポップテイストが大いに受けた。特に彼らのデビュー作となる『ウィーザー(ブルー・アルバム)』は、国内外を問わず未だに数多くのフォロワーを生み続けているエポックメイキングな作品である。

第2次ブリティッシュ・インベイジョン
とアメリカのインディーズ

80年代初頭のアメリカでは、打ち込み主体のシンセポップに背を向けた人力演奏志向のアーティストたちはインディーズで活動していた。あまり陽の目を見ることがなかったことが幸いしてか、地域ごとに個性あるサウンドが生み出されていくにつれ、この頃から各地でインディーズレーベルが増加している。メジャーのチャートでは第2次ブリティッシュ・インヴェイジョンもあって、ヒューマン・リーグ、デュラン・デュラン、ウルトラヴォックス、ユーリズミックスなどに代表されるイギリスのニューロマンティックに注目が集まっていたのだが、その頃からアメリカの学生たちの間ではインディーズのグループが聴かれ始めていて、そのあたりは当時のCMJチャートを見ると一目瞭然である。

80年代後半になると、その後のロックシーンを予言するような重要なアルバムが相次いでリリースされている。オルタナティブの核ともなった頭脳派ノイズバンド、ソニック・ユースの『デイドリーム・ネイション』、メタルバンドとは一線を画した爆音グループ、ダイナソーJrの『バグ』、メタリカやレッチリの注目作がリリースされ、90年代オルタナティブはすぐそこに来ていたと言えるだろう。

OKMusic編集部

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