バーバンクサウンドの影の立役者、
ロン・エリオットが残した、
唯一のソロ作
『キャンドルスティックメイカー』は
隠れた名盤
レニー・ワロンカーのもとで
バーバンク・サウンドの一翼を担う
いずれにせよ、彼のセッションワーク、関わった人脈から浮かんでくるのが、先述の「バーバンクサウンド」と呼ばれる、凝った音作りで知られる括りだった(簡単には説明しにくい。ここに挙げたアーティストの作品を聴くしかない)。カテゴリーでもなければ音楽のジャンルでもない。主にカリフォルニア州ロサンゼルス近郊、ハリウッドの映画関連の企業が集まるエリアであるバーバンク(Burbank)、そこを拠点とするセッション系ミュージシャンらによって生み出されるもので、誰からともなくそう呼び出したものだ。本作やロン・エリオットが率いた先のボー・ブランメルズはその草分けで、ランディ・ニューマン、ヴァン・ダイク・パークスは代表的なアーティストとして知られる。その中心人物というか、キー・パースンとなるのがワーナー・ブラザーズのプロデューサー、レニー・ワロンカーで、彼の手腕によってライ・クーダーやランディ・ニューマンらの数々の名盤が生まれ、それと共に“バーバンク”の名も多くに知られるようになる。