アニマルズ解散後、
エリック・バードンが挑んだ新境地
派手さはないものの、
堅実なR&Bとグルーヴを追求し、
成果を残す
補足になるが、ウォー単独のアルバム「オール・デイ・ミュージック(原題:All Day Music)」(’71)が出て、シングル「Slippin’ Into Darkness(原題:暗闇へつっ走れ)」が全米16位のヒット、続いて「世界はゲットーだ(原題:The World Is a Ghetto)」(’72)が7位、「仲間よ目をさませ!(原題:Why Can't We Be Friends?)」(’75)が6位と、彼らも快進撃を続けた。
バードンは今年で82歳になる。長いキャリアのわりに派手なスキャンダルもなく、音楽ニュースに出る機会も少ない。だから、仲間内の飲み会でも彼の名が挙がることは皆無に等しい。目下のところ最新作は『’Til Your River Runs Dry』(’13)だが、英国が生んだ偉大なるシンガーの業績を私自身、これを機会に辿り直し、今度、飲み会の席で「エリック・バードンってすごかったよな」と話題を振ってみようかと思っている。
TEXT:片山 明