何度もリイシューされ続ける
永遠の名盤、
ヴァレリー・カーターの
『愛はすぐそばに』(‘77)で聴く、
色褪せない歌声
ローウェル・ジョージ
(リトル・フィート)との
出会いによって才能が開花する
本作をリリース後、ヴァレリーはイーグルスのコンサートツアーに同行してオープニングアクトを務めたり、たくさんのアーティストのレコーディングやライヴにヴォーカルで参加したり、まれに楽曲提供も行っている。そして2年後の1978年にはセカンド作『ワイルド・チャイルド(原題:Wild Child)』がリリースされる。こちらはプロデュースをジェームス・ニュートン・ハワードが単独であたり、バックアップはほぼTOTOのメンバーが中心となっていて、サウンド的にはタイトなリズムが強調され、アダルトな雰囲気が増している。ディスコミュージック全盛期でもあり、それを意識したのではないかと思われる曲もある。そして、改めて言うまでもなく、歌のうまさは全曲で光っていて、ファンキーなソウル風の曲でも違和感なく歌いこなしている。また、ヴァレリーの自作曲、共作が増えているところに、彼女自身、前作での手応えを感じてソロアーティストとしての意欲が現れていたのかとも思う。自分のコンサート、ツアーを行なうことこそなかったが、バックコーラスの依頼はジェームス・テイラー、ジャクソン・ブラウン、リンダ・ロンシュタット、他、相変わらず引っ張りだこだったようだ。その矢先に、ローウェル・ジョージがドラッグのオーバードーズにより急逝してしまう。