DAIGO☆STARDUST
『The space toy』に
あふれるロック愛!
DAI語的に言えば
“DYH=DAIGO、やっぱり半端ない”
諦めず、夢を追い続けるスピリッツ
《時を超えて 闇の向こうへ/真実のMyself 探しに行こう/ここにいては何も見えない/さあまだ見ぬ宇宙へ》《未来はこの手の中にある/さあまだ見ぬ宇宙へ》(M1「The space toy」)。
《今 自分の居場所に/満たされてる奴はここには居ないはず/傷つきもせず過ごしてる/そこそこの安定に/苛立ち 僕ら 叫ぶ》(M5「dear sunshine」)。
《I believe in myself この瞬間は誰にも止められない/朝の5時に魔法は解ける 今夜もそうさ/Everybody shake it babe!!》《One more time, I believe... このトキメキは誰にも止められない/朝の5時に魔法は解ける 今夜もそうさ/Everybody shake it babe!!》(M6「D☆TRANCE」)。
《僕らは時代の歯車じゃない!》《君とならば何処までも行ける/願いだけは汚されはしない/この両手に何も無くても/いま始まる僕の OUTSIDE STORY》(M10「MARIA」)。
《「このままじゃ 何も始まらない!」》《新世界 飛び込むのは誰だって怖いけど/迷う時間はもうないさ タイムリミットだ/「ここからが僕らの戦いだ!!」》《このスピードを上げて 辿り着くから/僕らが輝く あの場所へ/譲らないモノ この手にかざして/未だ見ぬその先へとゆこうか》(M11「heavy heavy」)。
“殊更にコンセプトアルバムであると謳っていたわけではなかったようだ”と前述したが、ここまで歌詞が首尾一貫していると、これはもうほとんどコンセプト作と断言してよかろう。上記以外でも、M2「STARS」とM4「永遠のスペースカウボーイ」の歌詞はM1と地続きで、まるで組曲と言ってもいいようだし、M8「ruby & sapphire」もそこで描かれているスピリッツは他曲と同じものである。まとめてしまうのも艶っぽくないけれど、未知なる場所へ臆することなく進む…といったことになるだろう。DAIGO自身、飛び込んだメジャーのロックシーンに大きな期待感を抱き、来るべく未来に想いを馳せていたことがうかがえる。その想いがすぐに成就しなかったことは先に述べた。BREAKERZは1stシングル「SUMMER PARTY/LAST EMOTION」は2008年発売だから、メジャー進出は果たしたものの、そこから5年間、前述したとおり、彼は思うような結果を出すことができなかった。しかし、DAIGOはシーンからフェードアウトしなかった。彼以外の人物なら思わず腐ってしまうような瞬間があったかもしれない。そうだったとしたら、間違いなく、今の彼はいなかっただろう。決して腐ることなく、夢を追い続けた。DAIGOの何がすごいって、自分が想ったことを追い続ける才能がものすごいのかもしれない。「SUMMER PARTY」にこんな歌詞がある。
《もういい年なのになんて言わないでね/恋する事に期限は無いさ/何度も傷ついて涙を流してマジブルーでも/立ち上がれ 簡単に振り向いてもらえなくても/諦めちゃダメさ!》(BREAKERZ「SUMMER PARTY」)。
これはストレートに恋愛を歌った内容なのかもしれないけれど、DAIGO☆STARDUST『The space toy』を経験した今となっては、彼の反骨精神を比喩的に形にしたものにしか思えないのである。
TEXT:帆苅智之